4月15日（水）J2 第8節 東京Ｖ vs 鳥栖（19:00KICK OFF/味スタ）
スカパー！生中継 Ch180 18:50〜（解説：川本治、実況：野村明弘、リポーター：大竹奈美）
☆勝敗予想ゲーム☆J2は第1ターン最終節！
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不振に悩む東京Vが、難敵・鳥栖を相手に起死回生を狙う。
前節の湘南戦、「トレーニングでやったことを非常によく理解してピッチのなかでやってくれた。失点後も選手たちは自信を失わずに攻め続けた」（高木琢也監督）が、結果に結びつけることができず、今季初の連敗を喫した。複数失点、得点力不足（７試合４得点）と、なかなか思うように内容が良化されない東京Vにとって、やはり勝利こそが最も即効性のある薬となるだろう。特に連敗はメンタル的なダメージが大きいだけに、これ以上は絶対に阻止したいところだ。

とはいえ、対戦相手の鳥栖は「めちゃめちゃ強い」（FW飯尾一慶）。簡単には勝たせてもらえないことは、２年前（２勝２敗）、３年前（２勝１分１敗）の対戦経験からも重々承知である。
だが、飯尾は「強くて良いチームだからこそ、逆に勝ったら大きいと思うんです」と、この試合での白星がチームに光明をもたらす可能性の高さを語る。勝利したとはいえ富山（第３節）、栃木（第５節）など全員がとにかく走ってくるチームに特に苦戦していることを挙げ、「鳥栖もガンガン走って前からボールを奪いにくる。そういうチームに勝つことができれば、必ず自信になる」。是が非でも勝って、チーム上昇の糸口を見つけたい。

東京Vが勝点３を得るためにまず必要なのは、やはりゴールだろう。
エース大黒将志が３得点を挙げているが全てセットプレーからで、会心のゴールはいまだ決められていない。無得点に終わった前節・湘南戦後も「横パス横パスになってしまっている。もっと裏のスペースへの縦パスが欲しい」と、自身の得意とする形での点を望んでいた。その一方で「相手への要求以上に、トラップミスなどチャンスを無駄にしてしまった自分のプレーを改善しなければ」とも大黒は話した。中３日ではやれることが限られる中、攻撃陣がどこまで良い意味での変化を見せてくれるだろうか。
また、結果の出ないもう１つの理由に「ちょっとした気遣いがない」ことを、GK土肥洋一は挙げる。
「ピッチを10分割して、自分の持ち場は一人一人すごく一生懸命やる。でも、そこからちょっとでもボールが出ると、途端に動かなくなる。カバーする走り、ボールのもらい方１つにしても、周りのことを考える気遣いが足りない」と、チーム屈指の熟練者は指摘する。『仲間のため』にどれだけ労を惜しむことができるのか。この試合でも大きなテーマとなりそうだ。

鳥栖は、C大阪、札幌、仙台と続いた開幕３連戦でまさかの３連敗を喫し、苦しいスタートとなったが、それ以後は４戦負けなし。すっかり立て直しができたようだ。
特に第６節で首位・湘南に４−３と競り勝ち、開幕から続いた湘南の連勝をストップしたのは大きかったはずだ。
この試合を映像で観た東京VのGK土肥洋一も、「鳥栖は、今のウチ（東京V）が最も足りないものを持っているチーム」と讃えたほどだ。全員がとにかく走り、前線からアグレッシブにボールを奪いにいく鳥栖のスタイルをこの試合でも貫く。
その中でテーマとなってくるのが、前節試合後の会見で岸野靖之監督の語った「相手を圧倒するというゲームをできるようにならないと」という部分だろう。前節、廣瀬浩二がFW陣初のゴールを決めたことでチームの勢いはさらに高まった。主導権を握り、圧倒的な内容で勝利できるかの追求こそが、最終的にJ１昇格をかなえるか否かに現れるに違いない。

「次につながる、内容ある試合をしたい」（飯尾一慶）のは東京Vも同じである。
ただ、「内容改善のためには、思い切ったチャレンジも時には必要。でも、結果が出ていないと、どうしてもそのチャレンジができなくなってしまうのも事実」と柴田峡コーチは語る。
この先のチーム前進につなげるためにも、やはりまず勝点３という結果を手にしなければならない。

以上


2009.04.14 Reported by 上岡真里江