4月15日（水）J2 第8節 草津 vs 札幌（19:30KICK OFF/正田スタ）
スカパー！生中継 Ch181 19:20〜（解説：小田島隆幸、実況：梨子田友和、リポーター：円戸由香）
☆勝敗予想ゲーム☆J2は第1ターン最終節！
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「このままの状態で行ったら大変なことになる」。開幕３戦で３連勝した後に熊林親吾が発した言葉だ。草津の攻守のカギを握るキーマンは、勝利に沸くチームの陰で現状をきっちりと把握していた。そして、それは現実のものとなってしまった。

草津は前節・敵地甲府戦で０-１と敗れた。これで最近４試合は１分３敗となり、７節を終えた時点での成績は３勝１分３敗。開幕３連勝はいまや過去の出来事となった。４戦で奪ったゴールは、６節水戸戦で都倉賢が挙げた２点だけ。その他の３試合はいずれも無得点で、あっさりと白星を献上した。
草津はシュート数があまりに少ない。４節岐阜戦は５本、５節富山戦は８本、６節水戸戦は７本。前節甲府戦で放ったシュートも７本で、攻撃サッカーを掲げるチームとしては寂しい数字だ。内容は悪くないと言うのもわかるが、少しずつでも改善されていかないと説得力に欠ける。リーグ序盤でゴールを生んだセットプレーも、相手に警戒されたことで威力が薄れた。昨季、計２０ゴールを挙げた高田保則（８点）、後藤涼（１２点）の両ストライカーが機能していないのも気掛かりだ。
草津が波に乗れない要因の一つは、ハマらないプレスにある。それは２月の宮崎キャンプ時から見え隠れしていたが、良い形でボールを奪えないことで、鋭い攻撃が繰り出せない。また、対戦相手が草津のＤＦラインに揺さぶりをかけるためにロングボールを蹴ってくることにも起因している。「チームとしてボールの取りどころがつかめていない」（松下裕樹）。今ゲームは、高い位置でボールを奪えるかがポイントとなる。

一方、２年ぶりに正田醤油スタジアムへとやってくる札幌は、２節で鳥栖を下して以来、５試合連続で白星から遠ざかる。石崎信弘監督の下、Ｊ１復帰を狙うチームだが、ここまで１勝２分４敗で１６位に低迷。６節では熊本に０-４で大敗し、前節・富山戦は試合終了間際にＣＫから失点し悪夢のドローとなった。選手の精神的なダメージは少なくない。加えて今節は、長距離移動を伴う中２日の日程。札幌は、クライトン、ダニルソンの出場停止が解けるがコンデション調整が難しいゲームだ。

草津と札幌は共に中盤からのパスでゲームを組み立てるチームのため、互いの長所がぶつかり合う好ゲームとなることが予想される。足元のパスが多い草津に対して、札幌はパス＆ゴーのアクションが加わったムービングサッカーを展開する。細かな部分は異なるが中盤を制したチームが、ゲームの主導権を握ることは間違いない。
今季、両チームは相手のロングボールや守備的な戦いに苦しんできた。今ゲームではパスワークで正々堂々と勝負ができる。その反面、結果に対しての言い訳が出来ないゲームだ。勝利に飢えた状態だけに、どちらも勝点という形で浮上のきっかけを見つけたいところ。次節は草津が中２日で敵地愛媛に乗り込み、札幌は中３日でＣ大阪を迎え撃つ。今節の結果はもちろん重要だが、次戦も見据えての戦いも要求される。

開幕３連勝の貯金を直近４試合ですべて使い果たした草津。貯金を浪費した代償として何かを得ないと、単なる無駄遣いに終わってしまう。今季２勝１分と負けがないホーム敷島で、草津の選手たちがサポーターに何を届けるのか。「勝ち星はイーブンになってしまったが、ここからスタートの気持ちで戦う」（都倉賢）。草津にとって今節札幌戦は、貯金生活に戻るか、借金生活に突入するかの瀬戸際だ。

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2009.04.14 Reported by 伊藤寿学