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【J2:第6節 岐阜 vs 福岡】レポート:岐阜よ。今点を取らないでいつ取る!!内容で勝っても試合に勝てない現実がそこにはある(09.04.05)

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4月5日(日) 2009 J2リーグ戦 第6節
岐阜 0 - 2 福岡 (16:03/長良川/2,626人)
得点者:52' 高橋泰(福岡)、81' オウンゴ−ル(福岡)
スカパー!再放送 Ch185 4/6(月)13:30〜(解説:大野聖吾、実況:堂野浩久、リポーター:松井秀)
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ホーム・長良川競技場がため息に包まれた。このため息の要因は単純に負けたからだけではない。内容では明らかに上回っていたからこそ、0-2というスコアがよりリアルに突きつけられたからだった。
立ち上がりはイーブンだった。全体的にパスミスが多い岐阜に対し、福岡も相手のミスを突けず、落ち着かない試合展開だった。しかし、徐々に岐阜が得意とする前線からのプレスがはまり出すと、試合の流れは一気に岐阜に傾いていった。福岡は岐阜のすばやい囲い込みに対し、裏へのボールではがすのか、クサビを活用してバイタルエリアで数的優位を作るのか、カウンターの的を絞りきれていなかった。カウンターの的を絞りきれないということは、徐々に守備へのアプローチも遅くなり、押し込まれていく悪循環に陥っていく。

プレビュー( /jsgoal_archive/jsgoal/detail.php?press_code=00080247 )でも書いたが、福岡が一番やってはいけないことは、ダブルボランチを軸とした岐阜のハイプレスにはまることにある。しかし前半、モロにはまってしまった福岡の姿があった。
岐阜は左サイドのスペースを有効活用し、チャンスを量産した。福岡はウェリントンと鈴木惇のダブルボランチだが、2人の関係は鈴木が前目にポジションを置き、左サイドバックの山形辰徳が高い位置に張るため、左サイドにスペースが出来やすい。さらに福岡はこれまでの戦いを見ても、同サイドで執拗に攻撃を組み立てようとする悪癖があるため、「サイドを変えながら攻めることがテーマ」(松永英機監督)とする岐阜にとっては好都合の相手でもあった。
右サイドでMF嶋田正吾とFW西川優大が起点となると、MF高木和正も中央に絞って落ちてくるFW片桐淳至と連動をして、左サイドのスペースを広げ、そこに左サイドバック秋田英義のオーバーラップを引き出してチャンスを作りだす。「岐阜の両サイドハーフが中に絞って、2列目からの飛び出して来るのに対し、ボランチが見るのか、サイドバックが見るのか、それとも両ワイドが付いていくのか曖昧になってしまった」と篠田善之監督が語ったように、20分以降はその形がまさにはまりにはまった。

21分、嶋田が右サイドから中央へドリブルし、左サイドのスペースに走りこんだ高木へスルーパス。高木がワンタッチで抜け出すが、シュートは飛び出してきたGK吉田宗弘のファインブロックに合う。24分には右サイドのパス交換から、中央右寄りでボールを受けた高木が、オーバーラップしてきた秋田へロングスルーパス。これが見事にとおり、秋田がGKと1対1になるが、シュートは力なくGKの手に吸い込まれた。
30分にもビッグチャンスが来る。右サイドでボールを受けた嶋田がDF一人を交わしてシュート。これはGK吉田に阻まれ、左CKを獲得。左CKからDF菊池完が左足シュートを放つが、右ポストに直撃し、跳ね返りがフリーの秋田の下へ転がり、あとはがら空きのゴールに押し込むだけだったが、秋田の放ったシュートは約2m先のバーの上を通過していった。
わずか10分間で実に4度の決定機をモノに出来なかった岐阜。福岡の攻撃の形、狙いがはっきりとせず、警戒していた高橋泰と大久保哲哉の2トップがサイドで流れてしまうことが多く、この2人の裏への飛び出しと高さいう武器の脅威にさらされることはなかっただけに、ここで点を取っていれば、一気に試合を決定付けることも可能であった。

しかし、決められなかった。この代償はあまりにも大きかった。「マークの受け渡しをはっきりとさせて、両サイドバックが起点となるのではなく、城後寿と岡本英也の両ワイドが起点となるように」という篠田監督の指示を受けた福岡は、これまでまったく機能していなかった右サイドでボールが流れ始める。
サイドハーフを起点にするということは、サイドバックの位置でボールを奪うという明確な意図が生まれ、前半あれほどあったマークの受け渡しやスライドで混乱する機会が減少。前半は完全に沈黙していた城後にボールが収まるようになり、高橋と大久保の2トップが中央でプレーできるようになった。これにより大久保のポストプレーと高橋の裏への抜け出しを生かすという、福岡本来の形が作れるようになると、50分には高橋がDFラインの背後に抜け出し、GKと1対1に。これはGK水谷允俊のファインブロックに合うが、14分以降遠ざかっていた狙い通りの形でチャンスを作ったことで、試合の流れは福岡へ傾いていった。そして52分、右CKを得ると、鈴木のキックを中央で大久保がヘッドで合わせ、それを高橋がコースを変えてゴールに突き刺した。
待望の先制点を奪った福岡。しかし、この勢いは長続きしなかった。60分をすぎると、前半同様の停滞感が生まれる。リズムを掴んでいるときに畳み掛ける力強さが今の福岡には欠けていた。
しかし81分、福岡に追加点が思わぬ形で訪れる。左CKからオウンゴールが生まれ、0−2。これで試合は決した。「2回しかなかったチャンスを2回ともものにした」(鈴木)福岡が3連勝を飾った。

「いいゲームしたときに勝ちたいんだよ」。
試合後、松永監督は心の底からこの言葉を吐き出した。前半は非常に岐阜らしいサッカーで相手を圧倒した。しかし、終わってみればスコアは間逆の結果を刻んだ。これはこの試合に限ったことではない。前節の徳島戦しかり、第3節の愛媛戦しかりだ。
サッカーは点を取るスポーツ。いくらいい内容でも点を取らなければ結果は伴わない。前節の徳島戦同様に負けたが、悲観的になる状態ではない。そこは自信を持っていい。しかし、点を取るという極めて初歩的で原始的なことをもう一度見つめ直さなければいけない。「いずれか取れるだろう」では駄目だ。選手のコメントでもあったが、前半いいサッカーをしたことで、後半にこの裏づけのない気持ちが生まれて、自滅してしまうことも要因のひとつとなっているのだから。
『今取れないでいつ取る』。選手たちにはこの言葉を贈りたい。

以上


2009.04.06 Reported by 安藤隆人
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