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【J2:第6節 横浜FC vs 愛媛】レポート:遠い勝点3。横浜FCはようやく自らのスタイルを取り戻すが、詰めに課題を残しスコアレスドローに終わる(09.04.05)

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4月5日(日) 2009 J2リーグ戦 第6節
横浜FC 0 - 0 愛媛 (13:03/ニッパ球/3,244人)
スカパー!再放送 Ch181 4/6(月)後00:30(解説:野々村芳和、実況:永田実、リポーター:高木聖佳)
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 やりたいサッカーの片鱗は見せつつ、90分を通して噛み合わず結果に結びついていない横浜FCと、安定したスタイルで序盤を走る愛媛FC。好対照の両チームの対戦は、横浜FCが自らのスタイルを取り戻し、14本のシュートを放つもののゴールを決めることができず、横浜FCの今季初勝利は、またお預けとなった。

 Jリーグ初先発の中野裕太に対するコールの中、試合は始まる。横浜FCは中野を起点とした攻撃を仕掛けるが、試合の序盤にペースを握ったのは愛媛。「ボランチとサイドの選手の距離が広く、15分まではその間を使われていた」(樋口靖洋監督)というように、一歩遅いプレスを愛媛の中盤がかいくぐる形で、愛媛が小気味良くボールを回す。横浜FCは、中野や三浦淳宏のシュートで応戦するが、最初の27分までは完全に愛媛の時間だった。
 しかし、27分に三浦淳が自ら切り込みFKを得てからは、横浜FCの攻撃が活性化する。プレスの厳しさが徐々に表現され、効果的にボールを奪う。そして、片山奨典のミドルシュートや難波宏明のシュートなど得点の匂いを漂わせ始め、横浜FCがイニシアチブを取り愛媛がカウンターでサイドを使う構図となる。しかし、前半はこのまま0-0で終了。愛媛は序盤にペースをつかみながら得点ができず、一方で横浜FCもペースを握った後のシュートを押し込めず、お互いの時間を生かせない前半となった。

「中を締めて相手に自分たちの前で横パスをさせれば、奪うチャンスが増える」(樋口監督)と、プレスの距離感を修正して入った後半、横浜FCが引き続き主導権を握る。横浜FCの守備のバランスが良くなることで「動き出しのタイミングが図りづらく、ボールに絡めなかった」(内村圭宏)というように、愛媛のパスコースがなくなっていく。さらに、細かいところで中野を中心としたチェイシングが機能し、横浜FCが目指す「組織的なプレスで奪い、素早い切り替えで人数を掛けた攻撃」が、ピッチ上に体現される。54分の片山のシュート、66分の中野から片山へのスルーパスなど、決定的なチャンスを作り出す。愛媛も、途中出場のジョジマールの69分のシュート、79分の金守智哉のシュートなど惜しいチャンスを作る。その後、アップダウンの激しい展開にファウルで試合が途切れがちになる中、両者最後までゴールを目指すが、試合はスコアレスドローで終了する。

 横浜FCはこの試合の結果、最下位となったが、一方で2つのことを手にした試合となった。1つは、シーズンに入って表現できていなかった目指すべきスタイルを表現したこと。「前に行く姿勢が見えてチャンスメークがいくつかできた」(樋口監督)と言うように、守備から攻撃への切り替えがスムーズになった。もう1つは、中野の登場による前線の攻撃の活性化。中野がプレスバックすることで高い位置でボールを奪い、難波とのコンビで前線にボールを収め、オーバーラップする片山を使う形は、今後の大きな武器となる。ただ、結果はノーゴール。「ラストパスになる前の精度を上げていかないと得点はない」と指揮官が語るように、より丁寧な攻撃を続ける必要がある。昨年の6月25日以来、ニッパツ三ツ沢球技場での勝利がない。それでもこの日の内容に、試合後に拍手と「岡山で勝点3を取ってきて」という声援が掛けられた。横浜FCの桜は今日開花しなかったが、その蕾みはさらに膨らんだ。岡山では是が非でも開花させたい。

 愛媛はやりたいプレーを封じられて、ペースを戻すことができなかった。「去年だったらずるずる行くパターンが多かったが、苦しいゲームを拾っていければ先につながる」(金守)というように、悪いながらも勝点1を拾うところにはチームの成長の跡が見えるが、「動き出しも良くなかったし、切り替えも含めて遅かった。特に守備も迷いが出た」と望月一仁監督が語ったように、試合中の迷いを再び起こさないように、本来の動きへの修正が必要だ。今後も対戦相手は愛媛のサッカーを消しにくる事は間違いない。その際に愛媛のサッカーを貫くためにも、この点の修正ができることが次に繋がる。

 試合後、早川知伸は「ステップアップが重要。今は内容が良くなっているが結果が出ない状態、その次に結果が出て内容が良くないということもある。次に内容も良くて結果が良くなるというふうに行かないと」と語った。51試合の長いシーズンにおいて、成長のサイクルを回すことで、最終的な目標に近づくことができる。単なるスコアレスドローではなく、新たなステップへの種になることを期待したい。

以上

2009.04.05 Reported by 松尾真一郎
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