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【J2:第6節 熊本 vs 札幌】レポート:熊本が怒濤の4得点&完封でホーム初勝利を飾る! 札幌は集中を欠いて自滅(09.04.05)

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4月5日(日) 2009 J2リーグ戦 第6節
熊本 4 - 0 札幌 (13:03/熊本/4,653人)
得点者:13' 木島良輔(熊本)、27' 山本翔平(熊本)、35' オウンゴ−ル(熊本)、62' 中山悟志(熊本)
スカパー!再放送 Ch181 4/6(月)15:00〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:山田法子)
顔写真クイズ勝敗予想ゲーム
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 前日、湘南との激闘を制した鳥栖先輩の結果を見て、「熊本が4点取るのは無理だ…」と思ったのだが、オウンゴールがあったとはいえJリーグ加入後最多の4ゴールで完勝。ここまでなかなか結果につなげられなかったが、内容も伴った今季初のホームでの勝利で熊本が札幌を降し、南北決戦を制した。

 立ち上がりからペースを握ったのはホームの熊本だった。今節は4-3-3から4-4-2へシステムを変更。試合後の会見で「戦い方を統一しているので、システムは関係ない」と話しながらも、「3トップでは、攻撃のところでFWを追い越す動きがなかったので、手っ取り早く動けるように2トップにして、中盤の選手が2人のFWを追い越す動きをつけたかった」と北野誠監督が話したように、その狙い通り、アンカーに位置する石井俊也と両サイドの山本翔平、宮崎大志郎の距離がコンパクトに保たれ、両サイドの2人が積極的に前を追い越す動きを見せていた事が大きかった。

 札幌も、ダニルソン、クライトンらからのボールを受けた藤田征也が4分、9分にシュートを放つ等、DFラインからのフィードでサイドに起点を作って攻めるものの、全体的に攻守の切り替えが遅く、ボールホルダーへのサポートが遅れ気味。ボールに触る回数を増やしてリズムを作りたいクライトンに対しても、熊本の中盤とセンターバックが挟み込んで仕事をさせず、激しいマークを嫌ってサイドに流れる場面が増えた事で札幌はチャンスらしいチャンスを作れない。

 2節から4節まで立ち上がりの失点が続いていた熊本は、3試合ぶりに復帰して待望の古巣との対決に臨んだキャプテンの河端和哉と矢野大輔がハイボールを跳ね返し続け、またこの日Jリーグデビューとなった2年目のGK稲田康志も積極的な飛び出しを見せるなどで耐え、“魔の時間帯”を凌ぐ。
 そして13分、まさしく今年目指すスタイルが形となってゴールに結びつく。
 自陣でボールを奪った藤田俊哉から始まった攻撃は、宇留野純、木島良輔、再び藤田、石井、市村篤司とつながる。左から右へと展開された後で市村が大きく左へ送ったクロスは、一番奥にいた木島へ。愛媛戦でのPKでクラブのJリーグ通算50ゴールを決めて「50ゴールぐらいじゃ喜べない」と話していた男は、落ち着いてDFを1人かわし、しっかりとコースを狙って右隅へ流し込んだ。

 今シーズン初の先制でリズムを掴むと、その後も流れは熊本。27分には再び木島と宇留野が絡み、最後は山本が札幌GK荒谷弘樹の股を抜くシュートで2−0とし、リードを広げる。山本と宮崎がワイドに開くのではなく、中に絞り気味のポジションをとる事で、「1人がファーストディフェンスに行ったところに対してのカバーリングとか、数的優位を作る事ができていた」(北野監督)ことに加え、今日の熊本は“最初の一歩”の出足で札幌を上回り、前からのプレスも効いて高い位置でボールを奪えていた。
 35分には、このプレスに対してボールを下げたDF趙晟桓のバックパスをGK荒谷がトラップミス。ボールはそのままゴールに吸い込まれて3−0。札幌はこれで完全に集中が切れ、41分にはクライトンが藤田へのファウルで一発レッド。プレーにも精彩を欠いた上里一将を下げてキリノを投入するなど攻めに転じたが、この時点でゲームの大勢は決まったと言っていい。
 後半に入ってやや札幌が押し込む場面が増えたが、3点のリードで精神的にも余裕を持った熊本は、60分に藤田に替わって出場した中山悟志が今季初ゴールとなる4点目を決めて突き放し、危なげなくゲームを終わらせた。

 札幌は、試合後の会見で石崎信弘監督が語ったように、球際での強さや組織としての連動、そしてセルフコントロールが大きな課題。攻撃している際のリスクマネジメントや、潰しに行く場面での判断ミスも目立ち、長いシーズンとは言え6試合でわずか1勝というのは誤算だろう。はるばる熊本までやって来て、追いつく事を信じて最後まで声を出し続けたサポーターの思いに応えるためにも、気持ちの面をしっかりリセットして次節に臨みたい。
 一方の熊本は、初の完封で結果が出たものの、終盤にプレーが雑になった点は反省すべきところ。「正直言うともう1点取りたかった」と北野監督が話したように、取れる時に全体を押し上げて攻めに出る姿勢も、場合によっては必要になってくる。とは言え、無失点でデビューしたGK稲田、加入したばかりで先発出場したDF(登録はMF)原田拓に目処が立った事は大きい。さらに、ゴールこそ奪えなかったが得点機にもしっかり絡んだ宇留野のキープ力と仕掛け、やはり古巣との対戦で存在感を示した市村、地味ながら確実に仕事をこなした石井と、6試合目にしてようやく、“個の集合体”である組織としてチームが機能し、十分な手応えを掴んだと言える。
 次節は3連勝と好調の福岡との九州ダービー。“勝った試合の後”だからこそ、よりいっそう気を引き締めて臨み、初の連勝を飾りたい。

以上


2009.04.05 Reported by 井芹貴志
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