4月4日(土)J1 第4節 川崎F vs 名古屋(15:00KICK OFF/等々力)
スカパー!生中継 Ch363 15:00〜(解説:相馬直樹、実況:土井敏之、リポーター:石川葉子)
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単純なミスで先制点を奪われ、その1点を追いつくのが精一杯だった前節の千葉戦の試合後の監督会見でのこと。席上の関塚隆監督は、引き分けてしまったことに対する怒りなどは見せず、後半のサッカーを評価する姿勢を見せていた。
守備的な千葉との関係によってもたらされた試合展開ではあったが、川崎Fが見せたこの試合の後半のサッカーは今季の鬱憤を晴らす内容となる。すなわち、ポゼッションと連動性とが両立し、シュートチャンスを作り続けたのである。
今季の川崎Fは千葉戦の後半まで思うようなサッカーを展開できていなかった。対戦チームが過度に守備的な姿勢をとっていたこともその一因となっていたが、チーム内でのコンビネーションにも問題を抱えていたからである。それが千葉戦の後半に払拭される。それも中村憲剛をほぼ封じ込められた状態でだ。川崎Fはいまだにリーグ戦での勝ち星を手にできていないが、そのチームにとって千葉戦の内容は希望となるものだった。低迷を続けていたチームが、その低迷を脱する可能性を手に、臨む試合がこの名古屋戦ということになる。
中村憲剛は彼自身に対するマンマークディフェンスについて「ストイコビッチさん(名古屋監督)はやらないでしょ」と期待をこめて語っていた。というのも神戸での金南一に千葉のアレックスと、徹底的なマークは彼にとってかなりのストレスとなっていたからである。「前回(の千葉戦で)付かれたときに、少し離れただけでもすごい気が楽になりました」と冗談交じりにアレックスからのマークについて話していたが、彼へのハードマークは中村本人にとっても、チームにとってもそれが行われるのか否かによって試合の行方を左右する大きな分岐点となるものである。
その点、個人能力の高い選手をそろえ、実際に結果を出してきた名古屋にとって、相手チームのエースを殺すよりも、自分たちの選手の能力を引き出す戦いに持ち込むことを選ぶだろう。それが強豪クラブとしての矜持というものであると信じたい。
玉田圭司にダヴィという強力な攻撃陣を並べ、ここにマギヌンと小川佳純がラストボールを供給する名古屋は、彼らのプライドをかけて川崎Fに真っ向勝負を挑んでくるだろう。そしてそれは川崎Fにとっても望むところであるといえる。共に攻撃陣に高い能力を持つ選手をそろえた両者の対戦は、激しい打ち合いになる可能性が高い。
つまり見所のひとつとして、どちらが自分たちの攻撃性のよさをより出せるのかという点をあげておきたい。川崎Fであれば、鄭大世(もしくは矢島卓郎、もしくは黒津勝)がポストとなった連動性の高い攻撃であり、名古屋であれば玉田がゲームメイクしつつサイドからダヴィをターゲットにした攻撃ということになる。
共にミッドウィークにACLの対戦を控えている両者なだけに、ここで勝って弾みをつけたいところ。激しいぶつかり合いが予想される対戦は、見るものを楽しませる内容になることだろう。非常に楽しみである。
以上
2009.04.03 Reported by 江藤高志
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