3月29日(日) 2009 ヤマザキナビスコカップ
清水 2 - 0 京都 (13:00/アウスタ/11,281人)
得点者:42' 高木純平(清水)、68' 枝村匠馬(清水)
★ヤマザキナビスコカップ特集|チケット情報
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サクラの開花とともに清水が公式戦4試合目にして今季初勝利。内容もかなり清水らしくなってきたが、なかなかゴールが決まらない中で勝利を決定づけたのは、出番に恵まれない中でも腐ることなく努力を続けてきた苦労人の見事な働きだった。
水曜日の予選第1節にはゲームがなかった清水にとっては、これが今季のヤマザキナビスコカップ初戦。メンバーは前回のリーグ戦(名古屋戦)から3人変えて、今季2回目のホームゲームに臨んだ。変わったところは、昨日の日本代表のゲーム(バーレーン戦)に出場した岡崎慎司の代わりに原一樹がヨンセンと2トップを組み(岡崎はベンチ入り)、伊東輝悦を休ませてボランチは枝村匠馬と山本真希の若いユース出身コンビ。左MFにはケガから完全復活しつつある藤本淳吾が今季初先発し、右サイドバックの市川大祐に代わって、高木純平が今季初出場した。
高木は本来中盤の選手だが、ここ2年ほどは左右のサイドバックとして起用されることが多くなっているユース生え抜きの26歳。もちろん守備力よりも攻撃力に持ち味があり、彼を起用したことは、ホームで攻めに出るという長谷川健太監督の意志を明確に表わしていた。
そのため選手たちも序盤からアグレッシブな姿勢を見せ、藤本が入ってボールの収まりどころが増えたこともあって、過去3試合よりもボールがよく動き、徐々に主導権を握っていく。9分には、兵働昭弘とのワンツーから高木が右サイドの裏に抜け出してクロスを入れ、原のヘディングシュートに結びつけるなど、右からの攻撃も序盤から機能した。
「前半はロングボールが多くなってしまった」(兵働)という反省もあったが、ロングボールでDFラインを下げさせ、京都の1ボランチの左右のスペースにMF陣が侵入して、ヨンセンが競った後のセカンドボールを拾うというパターンは、京都の守備陣を苦しめたことは間違いない。
もちろん、ロングボールだけでなく、グラウンダーのパスをつないでサイドを変えながら攻める場面も作り、その中で獲得したセットプレーでも藤本のキックから惜しい場面を何度か演出。ミスは多少あったものの、ロングボールとショートパスを使い分けながらさまざまなパターンで攻めるという清水らしい形は、これまでよりも確実にピッチ上で表現されていた。
一方、京都のほうは「何人かの選手が急に発熱したり、ケガをしたり」(加藤久監督)という中で、センターバックの手島和希と左サイドバックの染谷悠太が出場できなくなり、代わりにシジクレイと渡邉大剛がDFライン(4バック)に入った。そして、磐田ではDFを務めていた森下俊が左MFで初出場。柳沢敦も体調万全ではなかったが、前節に続いてディエゴと2トップを組んだ。
そうしたトラブルの影響もあってか、なかなか主導権を握ることができず、清水に押しこまれる時間帯もあったが、最後のところでは何とか踏ん張り、ゴールは割らせない。そのまま0-0で後半に折り返せれば、アウェイという条件も考えれば十分なはずだったが、前半の最後の時間で守備に綻びが出てしまった。
42分、右サイドで清水がスローインのボールを奪い、ヨンセン→原とうまくつないで、外から中に切れ込みながら飛び出していった高木に原が絶妙なパス。これで高木がきれいに裏に抜け出し、GKとの1対1から冷静にゴール右隅に決め、清水が今季初の先制点を奪った。高木にとっては、これがヤマザキナビスコカップでの初ゴール。「DFとして出場して点が取れたのがとくにうれしい」と本人は語ったが、アグレッシブに攻めに出ていった姿勢が、なかなか攻めきれなかったチームに大きな刺激を与える1点をもたらした。
京都の側から見れば、簡単に突破を許してしまったことが悔やまれる失点だったが、清水にとっては、この1点がもたらしたものは非常に大きかった。
後半の清水は、前半以上に落ち着いたパス回しと試合運びを見せ、左右のサイドから京都ゴールに迫っていく。明らかに選手1人1人の気持ちのゆとりが増し、フリーランニングやパスの思いきりも良くなっていた。
13分には一瞬のスキから豊田陽平(ハーフタイムで柳沢と交代)に決定機を与えてしまうが、ここはGK西部洋平が素早く間合いを詰めてセーブ。守備は盤石とまでは言えなかったが、GK西部を中心に要所は締めて失点を0に抑えた。
あとは追加点を取れるかどうかという中で、23分にそれが形となる。1点目と同様に右からの攻撃で、高木のパスから兵働が裏に抜け出し、DFが下がって空いたスペースに枝村がタイミング良く飛びこんで、兵働のマイナスの折り返しからワンタッチの右足シュートでゴールネットを揺らした。
これでほぼ試合は決まったが、34分にセンターバックの青山直晃が左足首を痛めて負傷退場したのは、清水にとって非常に心配な部分。それでも代わりに入った廣井友信が落ち着いたプレーを見せて、終盤の京都の反撃にも耐え、2-0のままタイムアップ。これで京都はヤマザキナビスコカップ予選で連敗スタートとなり、いきなり予選突破に向けて苦しい立場となってしまった。
一方、清水はようやく今季の公式戦1勝目を飾り、「アウトソーシングスタジアム日本平」への改名後という意味でも初得点、初勝利。チャンスを与えられて思いきりプレーした高木純平が2点に絡む大活躍を見せ、チームのムードを変えるという意味では、最高のきっかけになりそうな勝利でもあった。
それも次の神戸戦(4/5@ホムスタ)で良いサッカーをしなければ意味がなくなってしまうが、とりあえず清水サポーターや関係者たちにとっては、「これでやっと開幕した」というのが、試合後の正直な思いだった。
以上
2009.03.30 Reported by 前島芳雄
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