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【ヤマザキナビスコカップ F東京 vs 神戸】レポート:城福トーキョーリスタート。リアリストF東京が神戸から完封勝利を挙げる(09.03.29)

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3月29日(日) 2009 ヤマザキナビスコカップ
F東京 1 - 0 神戸 (14:04/味スタ/12,634人)
得点者:59' 大竹洋平(F東京)
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 F東京は手堅い戦いで勝点3を奪取した。今季公式戦初先発のMF大竹洋平が59分に挙げたゴールを守りきり、1-0で神戸を退けた。神戸は前半、F東京のシュートを0本に抑え、序盤から主導権を握った。だが、F東京の分厚い守備を最後まで崩すことはできなかった。

「ギリギリの中で勝ちを拾いながら積み上げていかないといけないということを思い知らされた。今は、このチームにはまだそれだけの力しかないのかもしれない。気づけば、負け続けてしまっているという状態では何も積み上げることができない。現実を見ながら、結果と積み上げを両立させていかないといけない」(城福監督/F東京)
 リアリストに徹した。この日の城福トーキョーは、Moving Footballという理想を掲げる姿とは一線を画す戦い方だった。
「もっと厳しく」
 前線の起点となる神戸FWの我那覇和樹の足下にボールが収まる度に、テクニカルエリアの指揮官は大声を張り上げた。佐原秀樹、今野泰幸のセンターバックコンビは指揮官の期待に応えて我那覇に自由を与えず、中盤の底に入った浅利悟、羽生直剛はしっかりとスペースを埋めた。これまで失点を重ねてきたチームにはなかった守備の意識の高さが目立った。F東京は大崩れせずにチャンスを待ち続けた。
 F東京が自陣に引きこもってしまったため、神戸がゲーム開始から先手を取った。MF金南一と、左ウイングバックの大屋翼を中心にパスを回してゲームを支配した。
「最終ラインだけでなく、守備の緩みが水曜日のゲームで出てしまった。そこを今回修正しないままでは、今シーズンは厳しいものになると思った。もう一度守備を立て直さなければいけなかったし、このゲームに関しては追いかける状況だけは避けたかった。そこに全精力の9割を注いでもいいという判断だった。前半は奪う場所が低く、2トップが孤立してしまっていた。後半は、前からチームとしてボールを奪うことができたので、相手陣内でサッカーをする時間帯も多くなっていった」(城福監督)
指揮官が話すとおり、ハーフタイムで守備を修正して臨むと、待望の先制点は生まれた。59分、スローインのボールを受けた赤嶺真吾が中央にパスを送ると、カボレが身体を張ってボールを流した。そこへ走り込んだ大竹が左足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。この1点を守りきってF東京は勝利した。

 神戸にとっては手痛い1敗だった。左サイドに入った大屋や最前線に入った我那覇が絡んだパスワークは機能していた。だが、ゲームを決めるために必要な個の打開力は欠いていた。
「確かにブラジル人3人がいないことで、試合運びや攻撃の厚みというところでの難しさがある。ただ、代わりに出ている選手が頑張らなければいけないし、チャンスもゼロではない。後は質を上げていくことを考えることに集中したいと思います」(カイオ ジュニオール監督/神戸)
 ブラジル人トリオの早期の復帰が待たれるが、3選手が加わりうまくチームに融合したとき、どんなサッカーを見せるのかという期待は高まった。そのとき、これまでの鋭いカウンターを武器にしてきた神戸とはまた違った姿がそこにはあるはずだ。
 
神戸は、水曜日に行われた千葉戦の後半に敷いた3-5-2システムを使用してきた。城福監督は「これまでのゲームを見たが、相手に合わせたやり方をしてくると思う」と、神戸の3バックも頭に入っていた。だが、この日も今季継続する中盤をボックス型にした4-4-2システムのまま、試合開始の笛を聞いた。3バックに対しては、両ワイドを置いて4-2-3-1や4-3-3と配すのが常套策とされる。指揮官は、あえてセオリーを捨てた。今季の配置にこだわったのは、リセットではなくリスタートを強調したかったのだろう。
「今日のメンツでいえば、(セオリーは)相応しくないと思いました。少なくとも危ない場面はなかったし、時間の経過とともにチャンスは必ずくると思っていた。もちろん違うメンツでの4-2-3-1も考えた。だけど、あえて形を壊してやる必要性をそこに感じなかった。ここからリスタートして、どこまで攻撃ができるかという積み上げが今のチームには必要だと思う」(城福監督)
 F東京が、公式記録に残したこの日の総シュート数はわずか4本だった。城福トーキョーが目指す姿はこの日のピッチにはなかったのかもしれない。ただ、目指す理想のためにあえて勝利にこだわった。ここから結果にこだわりつつ、高き理想も追い求める本来の姿への再生が始まる。二兎を追う者の結末は、今シーズン終了時点で明らかになるが、未来は自分たちの手でのみ切り開かれることを忘れてはいけない。

以上


2009.03.29 Reported by 馬場康平
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