3月29日(日) 2009 ヤマザキナビスコカップ
新潟 0 - 0 磐田 (14:00/東北電ス/20,162人)
★ヤマザキナビスコカップ特集|チケット情報
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新潟、磐田ともに決め手を欠いて0-0。新潟は圧倒的にボールを支配しながらも、シュートまで結びつけられず、ホームでの勝点3を逃した。磐田は2試合連続のスコアレスドロー。ゴール前の守備の粘り強さは再確認された。今季の公式戦初勝利はならなかったが、そこに近づく手ごたえはあった。
同じ数字が並んだスコアだったが、両チームの選手の受け止め方には差があった。新潟はFW大島秀夫が「なかなかフィニッシュにいけなかった」、DF永田充も「攻めたときのアイデアがほしかった」と無得点に終わった攻撃面の反省を口にした。磐田はGK川口能活が「守備は安定してきたといい」、MF太田吉彰までも「守りが良くなってきた」と無失点のディフェンスをアウェイの勝点1の要因に挙げた。
新潟にとっては勝点3がほしい一戦だった。前節の大宮戦では1-2で今季初黒星を喫した。リーグ戦第3節の大分戦(0-0)から守備を固めた相手の前に、攻撃力が発揮できないでいた。この日の相手・磐田もしっかりとブロックを作ってゴール前を守り、カウンターを仕掛ける。前節の大宮戦は2トップだったが、この試合は開幕から続けていた3トップに戻した。今季の主戦法で固い守備をどう崩すか。課題を克服できるかどうかが試された試合でもあった。
「ベンチで見ていてサイドがうまくいっていなかったので、サイドを使うつもりで入った」。後半16分から途中出場した矢野貴章は言う。ピッチに立つと、主に右サイドを突破、深く入り込んではチャンスを作った。前日のW杯アジア最終予選・バーレーン戦ではベンチ入りから漏れた。その翌日のホーム戦。日本代表で発揮できなかった力をみせつけた。もっとも、矢野、そして同じく途中出場の松尾直人が後半にピッチに入るまでは、新潟は手詰まりの攻撃だった。パスをつないでゴール前までボールを運ぶが、シュートに至らず。そこでボールを奪われカウンターを食らう。サイドを使った大きな展開は見られず、リズムも単調。放ったシュートは7本にとどまった。
反面、守備は安定感を発揮した。千代反田充、永田充のセンター陣を中心に、カウンターに的確に対処。14本のシュートは打たれたものの、GK北野貴之が反応できる範囲のものにとどめた。
守備に大きな不安はない。ただ、攻撃と守備の連動がなければ、今季の良さの1つ、攻守一体のサッカーは出来ない。あらためてテーマが浮き彫りになった。
磐田は開幕時の大量失点がウソのような堅守を見せた。「新潟の攻撃陣に最後まで戦う姿勢を見せてくれた」。柳下正明監督が言うように、ゴール前では体を張った守り。ルーズボールに対しても果敢に仕掛けた。新潟のペドロ・ジュニオール、曹永哲らの突破も中盤、最終ラインが作るブロックで防いだ。
一方で無得点も事実。前線でフリーになりかけても、ペナルティーエリア付近でプレーできる選手が少なく、決定的なチャンスも得点には結びつかなかった。「以前の試合よりも、チャンスは作れるようになった。あとは押し込めるかどうか」。柳下監督は現在の戦術で戦う中での1点の重みを感じていた。
次節はリーグ戦。ともに見つけた課題と、得た手ごたえを形につなげることで、この一戦が生きてくる。
以上
2009.03.29 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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