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【J2:第4節 水戸 vs 東京V】プレビュー:強敵東京Vも恐れるに足らず。3連勝に向け、水戸が誇るトリプルキャノンは火を噴くか!? (09.03.25)

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3月25日(水)J2 第4節 水戸 vs 東京V(19:00KICK OFF/水戸
スカパー!生中継 Ch184 18:50〜(解説:都並敏史、実況:加藤暁、リポーター:湯本久美)
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水戸は強い。胸を張ってそう言える連勝だ。

攻守で圧倒した前々節徳島戦とは一転、前節福岡戦は序盤から初勝利を狙う福岡の猛攻を食らう展開となった。しかし、水戸はあわてる様子を見せず、果敢にプレスをかけて福岡のパス回しを遮断。ゴール前でも粘り強い守備を見せ、福岡のロングボールに対してもうまく対応してみせた。
また、攻撃の回数は多くはなかったが、攻撃に出た際には期待を抱かせるシーンを連発。常にゴールを狙う意識が強く、切れ味鋭い攻撃からセットプレーを獲得して2ゴール。昇格候補福岡を粉砕し、アウェイで見事に勝点3を奪って帰ってきた水戸。選手たちの表情にはたくましさがみなぎっている。

水戸の強さの秘訣はプレスだ。90分間、一糸乱れぬ意思の統一されたプレスをかけ続けられることが今の水戸を支えている。1人1人の距離間、1対1の対応の厳しさ、攻守の切り替えの早さ、そして運動量。それらすべてで相手を上回っていることが結果につながっている。また、守備が安定していることでいい攻撃を仕掛けることができており、「まずは守備をしっかりしたい」と昨季から木山隆之監督が言い続けてきたことが今季に入って実践できるようになっているのだ。

また、セットプレーの強さも水戸の武器だ。「困ったときのセットプレー」と言ったのは開幕3連勝を飾った草津の佐野達監督だが、水戸もまさにその通りの結果を見せている。ここまでの4ゴール中3ゴールがセットプレーからで、前節180cm以上の選手が6人先発した『水戸山脈』は相手にとって大きな脅威を与えている。「いいボールを蹴れば入る自信がある」と話すのはプレースキッカーの1人の森村昂太。前節はCKからキム・テヨンのゴールをアシストしており、今節も彼や菊岡拓朗のキックの精度がチームの勝敗を左右することだろう。

唯一気になるのはまだFWが点を取っていないことだ。荒田智之、高崎寛之、吉原宏太という強力な3人のストライカーを擁しており、彼らの爆発があれば、水戸の勢いは手をつけられなくなるだろう。3人ともまだゴールはないものの、決して調子が悪いわけではない。切れのある動きは見せており、チャンスにも絡めているだけに爆発の予感は漂っている。そろそろ水戸の誇るトリプルキャノンに目覚めのときが来るはずだ。

かなり景気のいいプレビューとなってしまったが、現在の水戸はそれほど充実しているのである。「連勝は関係ない。とにかく1試合1試合を戦うだけ」と大和田真史が語るように、チーム内に慢心も見られない。過去最強の感さえ漂わせている今の水戸にとって、東京Vも恐れるに足らず。3連勝に向けてまい進あるのみだ。

東京Vにとっても水戸は嫌な相手だろう。現在の好調ぶりもさることながら、過去の対戦では5勝3敗と勝ち越してはいるものの、毎回苦戦の連続となっているだけに水戸に対して戦いにくい相手という印象があるはず。特に強烈なインパクトを残したのは07年第13節(@国立)。水戸に圧倒され、1−5という大敗を喫した試合だ。チーム事情はともに当時と異なるが、サポーターにとってあの屈辱の記憶はいまだに鮮明に残っていることだろう。

また、高木琢也監督にとっても水戸は忌々しい相手に違いない。06年、横浜FCで第2節から指揮を執ることとなった高木監督だが、監督就任以来15試合負けなしという破竹の快進撃を続けていた。しかし、そこに立ちふさがったのが水戸であった。笠松陸上競技場で行われた第19節での対戦で水戸が1−0で勝利。監督就任後初の黒星を喫しただけでなく、連続無失点時間記録も止められることとなってしまっただけに高木監督にとっても水戸は因縁の相手なのである。

そうした過去の因縁だけでなく、東京Vにとって絶対に勝ちたい一戦だ。前節、終了間際の大黒将志のゴールによって今季初勝利を挙げた東京V。昇格に向けて何としても早い段階で波に乗りたいだけに、まずは連勝という結果を残したいところ。内容的にはまだ連係不足は否めず、攻守においてチグハグな戦いとなっているが、結果を出すことが最大の薬となることだろう。
攻撃陣には元日本代表の大黒をはじめ平本一樹や滝澤邦彦などJ2では屈指の戦力を擁しており、爆発力を秘めている。特に右サイドの河野広貴のドリブル突破は最大の武器である。彼を止められるかが勝負の分かれ目になるだろう。「横浜FC時代とはまったく戦い方が違う」と滝澤邦彦が言うように、かつての守備的なサッカーでなく、攻撃的なサッカーを標榜している高木監督率いる東京Vだが、まだ本領を発揮していると言い難いだけに今節は攻撃力で水戸を凌駕して、新生東京Vの真の幕開けとしたいところだ。

逆に東京Vが攻撃的に来ることは、水戸にとって望むところ。東京Vとの攻撃と攻撃のぶつかり合いで勝つのも本望、負けるのも本望。結果なんて関係ない。壮絶な攻防が予想される90分、水戸は一歩も退かず、立ち向かう。ただそれだけだ。

以上

2009.03.24 Reported by 佐藤拓也
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