3月25日(水)J2 第4節 鳥栖 vs 岡山(19:00KICK OFF/鳥栖)
スカパー!生中継 Ch182 18:50〜(解説:サカクラゲン、実況:南鉄平、リポーター:ヨンヘ)
☆勝敗予想ゲーム/イベント情報
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長丁場のリーグ戦。まだ3試合しか消化していないとはいえ、今季の結果に大きな違いを見せる鳥栖と岡山。
C大阪に4失点、札幌に2失点、仙台に1失点と、昇格を目標に掲げた鳥栖は、ここまで「らしくない」結果となっている。一方の岡山は、J2に今季から加盟した新参者。とはいえ、甲府(0-0)、仙台(0-0)、湘南(1-2)に2分1敗の戦績は、健闘しているといえる。J2最古参の鳥栖と新加盟した岡山、この両チームが負っているサポーターやファンの期待には大きな違いがあるであろう。
「どこが相手でも勝たないといけない」とキャプテン飯尾和也(鳥栖)は言い切った。「負けて得るものはあっても、勝点は増えないし、目標は達成されない。まずは、目の前の1勝を得るだけ」と監督はじめ、スタッフや選手たちの気持ちを代弁してくれた。
しかし、けが人も多くチーム全体の底上げが図れていないまま、シーズンに突入した感は否めない。昨季から懸念されていたFWの補強は、開幕1週間前にFWトジンが合流する始末。補強と言える働きを見せるには、あまりにも時間がなさ過ぎた。
そして、追い討ちをかけるのが、DF山田卓也の負傷である。開幕から、ピッチ内で選手に声をかけ、鼓舞してきたベテランが、前節の仙台戦で左ハムストリング損傷を負い、戦列を離れた。
対する岡山は、前節の湘南戦で初黒星と初失点を喫してしまったが、逆に記念すべきJリーグ初チーム得点をあげることができた。手塚聡監督も素直に「今日がいちばん岡山の特徴が出せなかった、逆に言うと出させてもらえなかったのかなと。ただそういうなかでも今日初得点を挙げることができたのはよかった」と素直に喜びを表した。これは、岡山サポーターやファンも同じ気持ちだろう。開幕戦(甲府戦)と第2節(仙台戦)の良かったところを取り戻しさえすれば、岡山らしい戦いはできるという自信も見ることができる。
確かに過去3節とも勝利こそあげることはできていないが、シュート数も決して引けを取ってはいない。しっかりとボールを奪いに行って、シンプルに前線に預けてチャンスを作っている。
ここまでをみると、今節も鳥栖の苦戦が予想されるが、結果がそのまま出るとは限らない。
けが人は確かに多いが、即戦力の新加入選手たちがチームの苦境を必死に支えている。前節は、MF武岡優斗が右サイドでそのセンスを見せてくれた。彼のテクニックが右サイドでタメを作り、左サイドの島田裕介とのバランスを取ることができた。この“タメ”のおかげで、ボランチの高地系治が自由に動く時間を作り、両サイドDFの駆け上がりを出すことができた。
あとは、FW廣瀬浩二にいい形でボールが入れば、得点は期待できるだろう。DF渡邉 将基も負傷した山田卓也に負けない強力な対人プレーと高さを持っている。
「鳥栖が、一番力が出る形で戦う」と岸野靖之監督は、総力戦を宣言した。「その中で、相手のストロングポイントを突く」とも続けた。ウィークポイントではなく、ストロングポイントを突くということは、“岡山の良いところを出させない”ということである。前面に戦う姿勢を見せている。
岡山のストロングポイントは、FW喜山康平と西野晃平の「コウヘイコンビ」を挙げないといけないだろう。喜山のうまさに加えて、西野のアグレッシブさは、間違いなく鳥栖にとっては脅威である。前節途中出場した関口圭亮もJリーグ初出場で初得点をあげる活躍を見せた。間違いなく、岡山のストロングポイントである。このストロングポイントに、鳥栖らしく繰り返しプレッシャーをかけて岡山の攻撃力を封じ込めてしまうことができるのか…。今節のベストアメニティスタジアムは、アグレッシブな両者の戦いで熱くなるに違いない。
勝負を行えば、必ず勝者と敗者に分かれる。引き分けは、置かれる立場によって勝者とも敗者ともになる。
また、同じ勝利でも勝点3以上の重みを持つものもあれば、単なる1勝に終わってしまう勝利もある。
開幕直後に「昇格をかけたクラブ」と3試合を行うことができた鳥栖。その結果で今季を判断するのはまだ早い。
敗戦から得たモノをこれから生かしていく時間はまだ残されている。
サッカーは机上で行なうものではなく、ピッチで繰り広げられる選手の戦いなのである。
90分のドラマの中で、“一縷の望み”を見つけるのもサッカーの楽しさでもある。
以上
2009.03.24 Reported by サカクラゲン
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