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【J1:第2節 山形 vs 名古屋】レポート:雪に見舞われたJ1ホームデビュー戦。後半の猛攻を耐えた山形が名古屋から価値ある勝点1をもぎ取る!(09.03.15)

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3月14日(土) 2009 J1リーグ戦 第2節
山形 0 - 0 名古屋 (16:04/NDスタ/12,370人)
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1週間前は磐田相手に6得点と衝撃の開幕戦となった山形だが、ホーム開幕戦も別の意味で衝撃的なものとなった。ハーフタイムには、それまでチラついていた雪が本格的に降りだし、緑色のピッチは白い絨毯でうっすらと覆われた。ついにはオレンジ色のボールでキックオフされた後半は、足元の不自由さや遮られる視界の確保など、選手にとっては対戦相手以外との戦いも強いられることとなった。ホームでのJ1オープニングゲームは、記憶に残る90分間となった。

山形の選手たちを、スタンドは1万本以上の青い旗と紙吹雪で迎えた。その勢いも駆って、山形が序盤からペースを握る。前節で1ゴール1アシストのキム ビョンスクが、怪我明けの出場となった阿部翔平に対しての積極的な仕掛けをきっかけに、秋葉勝の右クロスに石川のミドルシュート、古橋達弥の直接フリーキック、秋葉が右から中に切り込んでのシュート、キムの右クロスから長谷川悠のヘディングシュートと、次々にゴールを襲った。GK楢崎正剛の好セーブでゴールネットを揺らされることは免れた名古屋だったが、山形の組織的な守備が反撃のルートを遮断する。ディフェンスラインからのフィードには、2トップと両サイドハーフがプレッシャーをかけてコースを限定。名古屋の2トップ、なかでもACL蔚山現代戦も含め2試合で3ゴールを挙げているダヴィへの対応はこの試合の最大のポイントだったが、山形のDFレオナルドが当たり負けせずに抑え込む。名古屋は25分過ぎからようやくプレーエリアを山形エンドまで押し込むが、前半に放ったシュートは32分のマギヌンのミドル1本に終わった。

しかし、山形ペースでゲームが運ばれた要因は、むしろ名古屋側にあった。開幕の大分戦に続き、10日にはクラブ初となるACL初戦を戦い、3連戦、中3日でのアウェイ連戦というスケジュールのハンディキャップ、濡れたピッチと低い気温、そして2試合連続逆転勝利したことでいつでも点が取れるという自信。そうしたあらゆる要因がスロースターターぶりに拍車をかけた。山形・小林伸二監督が「名古屋さんが(今週)2試合ゲームがあったということで、動きが重かったと思います。それと少し寒かったので、なかなかぬくもらなかったんじゃないか」と話すとおり、全体の動きが圧倒的に少なく、ボールへの執着も薄いように見えた。

後半、その名古屋のギアチェンジがいよいよ始まった。プレッシャーからフリーとなっていた田中隼磨が右からアーリー気味のクロスを増やし、アタッキングサードまで飛び出した中村直志からのマイナスを中央で小川佳純が合わせるなど、山形のゴール前は一気にあわただしくなる。そこへ、前半は沈黙していたダヴィが中央で目を覚まし始める。小川のシュートをラストパスでお膳立てした直後には、小川がヘッドでスラしたボールを中央で胸トラップ。ここでバランスを崩しシュートには至らなかったが、ここでストイコビッチは阿部と交代の杉本恵太を右サイドに投入。杉本のドリブルで山形の左サイドはさらに崩され、後半28分には杉本の突破、クロスから折り返しをダヴィが詰めるなど、一段と攻撃を強めた。ただ、ピッチもボールも滑り、雪で視界が確保しづらいコンディションのなかの攻撃は、ゴールを割れるだけの精度を欠いた。

奪ったあとのボールを前線に預けていた山形も、押される時間が長引くにつれてそうしたシーンはしだいに消えていった。後半24分には財前宣之を投入するが、キープしてもサポートが得られないほどすでに押し込まれていた。名古屋は前線に巻佑樹を投入し、パワープレーでいよいよ山形の息の根を止めにかかろうとする。しかしそこで目立ったのは、山形の守備のしぶとさだった。好セーブを繰り返していたGK清水健太は、ふだんはキャッチするクロスボールをパンチングでしのぎ、ゴールを狙ったダヴィのシュートには、佐藤健太郎が間一髪で滑り込み体を張ってブロックする。前線に預けるよりもまずは蹴り出すシンプルなサッカーを続けながら耐えに耐えた後半が終わると、勝点1が手のなかにあった。

頂点をめざす名古屋は、昇格チームを相手に失った勝点2を嘆くこともできる。しかし、ストイコビッチ監督は「3ポイント取れなかったですが、勝ちに値するゲームだったと思います。選手たちが最後まで勝点を求めてプレーしてくれたことは満足できるポイントだと思います」と、まずは選手の頑張りをたたえた。中2日で、今度は瑞穂陸上球技場に北京国安を迎えACL第2戦を戦うが、タイトル奪取へ向け、まずはコンディションを整えたい。

山形は6得点と驚異の破壊力を見せた翌節で、今度は本来の持ち味である守備の堅さと驚異の粘りを見せた。「ピッチ状況も悪くなったので、ラストパスが合わなかったり、足を取られたりするというところで、うちは助かったなという感じがします」と、小林監督は守り切れたのはラッキーな側面があったことを否定しなかった。そのうえで、「2試合終わって負けてないということは、うちのチームにとってはすばらしくて、今のところいい形でリーグ戦に入れていると思っています」と、手ごたえも口にしている。圧倒的に低かった下馬評を覆しつつあるが、目標の勝点40まではまだ長い道のりがある。真価が問われる本当の試練は、まだ先だ。

以上

2009.03.15 Reported by 佐藤円
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