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【J1:第2節 柏 vs 千葉】レポート:前後半で見せた両者の2面性。千葉ダービーは不完全燃焼のまま勝点1を分け合う妥当の結果に。(09.03.14)

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3月14日(土) 2009 J1リーグ戦 第2節
柏 1 - 1 千葉 (15:04//8,723人)
得点者:26' 李忠成(柏)、52' 坂本將貴(千葉)
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「柏もドローという結果に納得しているかもしれないが、我々もこの結果に納得している」。試合後の記者会見で、そのように振り返るアレックスミラー監督の言葉がこの試合の内容を象徴していた。おそらく結果には満足はしていないだろうが、今日のパフォーマンスからすれば両者とも納得せざるを得ない勝点1となった。

今季、柏が目指すアクションサッカー、その鍵を握るのはもちろんフランサであるも、分厚い攻撃を展開するためには前線の選手のみならず、サイドバックがどのタイミングでオーバーラップを仕掛けて厚みをもたらすかがひとつのポイントであった。狙い通り、フランサを中心に前線の李忠成、菅沼実、またはボランチの一枚が加わり、それぞれが近い関係を保ちながらショートパスの交換でタメを作る。そこから一気にサイドを変え、逆サイドのオープンスペースを突く柏の攻撃は抜群の効果を発揮した。26分の先制弾はまさにこの形から生まれる。左サイドで菅沼、李、フランサがポジションを入れ替えながらパスを回す。「僕の前にスペースが空いていたのでフランサを信じて走った」(村上佑介)。この時、逆サイドでは柏の右サイドバック村上がオープンスペースに飛び込もうとしていた。彼のフリーランニングを瞬時に見つけたフランサから絶妙のサイドチェンジパスが渡る。フリーでパスを受けた村上は余裕を持ってゴールのニアへクロスを送ると、そこへ飛び込んできた李が頭で合わせて先制ゴールを挙げた。その後も柏は31分のフランサ、41分の石川直樹と、セットプレーから決定的な場面を作り出すなど、試合の主導権を完全に掌握。1点リードのまま前半を終了した。

前半はほとんど攻撃の形を作り出すことができなかった千葉だったが、後半は人数をかけたカウンターをベースに失いかけていた流れを手繰り寄せた。52分、一度はカウンターをスピードダウンさせられたかに見えたが、深い位置までサポートした青木良太が味方からボールを引き出し、ファーサイドへクロスを上げる。柏の守備陣にマーキングのズレが生じる中、谷澤達也の折り返しを坂本將貴が胸トラップから左足に持ちかえる鮮やかなボールコントロールを見せ、そのまま叩いたシュートがゴールネットを揺らした。

柏が流れを失った要因は風下だったということも少なからず影響したかもしれないが、『ポゼッション=繋ぐ』ということだけに捉われてしまった点にある。ボールを失った瞬間の攻守の切り替え、柏のサッカーはそこが生命線となっているも、唯一フランサだけは例外である。「フランサは守備をしないので、そこを突こうと思った」(中後雅喜)。千葉は奪った後、フランサの近くにいる味方にボールを預け、プレスを受けない選手を発信源としてカウンターから突破口を切り開いた。これまでも『諸刃の剣』と形容されることの多かったフランサ。ポゼッションだけ、繋ぐだけでは、奪われた瞬間にそのわずかな綻びを突かれ、致命的なピンチを招いてしまう。高橋真一郎監督が記者会見で「最後の最後をシュートで終わっていないためカウンターを食らう場面が多かった」と語ったように、このポイントを弱点にしないためには、必ず攻撃をやり切って終わるということが重要になる。

柏、千葉とも、この第2節は開幕戦よりも自分たちの持ち味は出せた。しかしそれは1試合を通じてではなく45分間だけに過ぎなかった。『痛み分け』とは引き分けの際によく使われる表現だが、まさにその言葉が当てはまる試合だったといえよう。

以上

2009.03.14 Reported by 鈴木潤
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