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【J2:第2節 鳥栖 vs 札幌】プレビュー:「昇格」を命題に戦う両チーム。今季の初勝利を手にするのは、ホームの鳥栖か? アウェーの札幌か?新加入のパワーが明暗を分けそうな注目の好カード。(09.03.15)

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3月15日(日)J2 第2節 鳥栖 vs 札幌(13:00KICK OFF/ベアスタ
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どんなに経験豊富なアスリートにとっても、新年度を迎えるときには「期待と不安」が付きまとうものらしい。そして、その初戦となった第1節が3月7日・8日に行われた。

18チームが総当り3回戦で51試合を消化するJリーグディヴィジョン2。18チーム全てが、力を出し切ったとはいい難い。やろうとすることを見せはしたものの勝利を手にすることができなかったチーム、そして全く力を出し切れずに敗れてしまったチーム…と様々な顔を見せてくれた。キャンプで培った力を出して勝利を手にした輝かしいチームの影には、無念の開幕戦を迎えたチームがある。今節のベストアメニティスタジアムは、無念の開幕戦を迎えたチーム同士が、今季の初勝利をかけて火花を散らすことになる。

札幌は、FWキリノ、MFダニルソン、DF趙晟桓(チョウ・ソンファン)と3人の新外国籍選手を獲得した。彼らは開幕戦でその実力を如何なく発揮していた。MFクライトンが起点になると、キリノはゴール前のスペースを探しては執拗にそこを突いたし、左右からのクロスには、確実に競りに走りこんでいた。
ダニルソンは高い位置での争点には必ず顔を出していた。好機とみればミドルシュートを放ち、相手DFラインを下げさせた。趙晟桓は、セットプレーでその高さを見せつけた。新加入とは言え、昨季までチームを支えた選手たちと見事なまでに融和を図り、着実に石崎信弘新監督の戦術を披露していた。ゴールこそ生まれはしなかったが、試合開始早々から決定的な好機を幾度となく作り出していた。今季の目指すサッカーを披露できたことは間違いない。

迎え撃つ鳥栖は、DF柳沢将之、磯崎敬太、MF山田卓也、島田裕介、FWトジンと主力となる選手が加入した。彼らは経験と卓越した試合感を持ち、悲願成就の「夢昇格」(2009年度チームスローガン)の実践者である。しかし、開幕戦ではその実力を披露するには至らなかった。彼らが悪いわけではない。チームコンセプトを図るまでの準備が足りなかったうえに、C大阪のクオリティの高い攻撃に翻弄されたためである。開幕一週間前に来日したトジンを、実戦で試しながら作り上げていかないといけないクラブ事情では、致し方ないことかもしれない。FWダヴィの移籍金で、的確な補強と準備を行った札幌とは、第2節を迎える時点で大きな差がある。

しかし、スケジュールは待ってはくれないし、相手の準備不足を突くのも戦術の一つである。札幌は、当然のごとく前節同様に前線からプレッシャーをかけてボールを奪い、素早い攻撃で攻めにかかってくるに違いない。鳥栖が、前節同様の戦い方をしてしまうと札幌の猛攻にさらされるだけでなく、昨季つかんだ自信も失ってしまう。前節の反省を生かして受身にならずに、鳥栖も前線からプレッシャーをかけるに違いない。こうなってこそ、「昇格」を命題にしているチームの戦いとなる。

今節の戦いは、新加入選手の持ち味がどれくらい出せるかで勝敗を決するだろう。前述した札幌は、その実力を開幕戦で見せてくれた。鳥栖は、FW廣瀬浩二から始まるプレッシングに連動してできるだけ高いところでボールを奪いたい。奪ってしまえば、島田裕介の展開力や山田卓也の飛び出しが生きてくる。中盤でのタメができれば、柳沢将之と磯崎敬太の攻撃参加の時間が増える。後は、トジンの潜在能力に期待しよう。

クラブの資金力も環境も、事前の準備も全てにおいて札幌に遅れをとったのは事実。しかし、それを言い訳にして戦うのはスポーツとは言えない。どん底を知る鳥栖のサポーターならではの応援体制もできつつある。×2(かけるに)運動も少しずつだが、成果を現している。
地域密着も浸透してきている。普及も育成も確実に芽を吹き出している。真のJリーグチームと胸を張れる日も見えてきている。それにふさわしい戦いを、ホーム開幕戦で見せてくれるに違いない。

長いリーグ戦が始まった。試合結果に一喜一憂するのもサッカーを楽しむ方法の一つである。勝利に偶然はあっても、敗戦に偶然はない。むしろ、敗戦には必然が多く、それが実力であり、実力どおりの順位となる。「期待と不安」を抱くのは、サポーターも同じなのである。
それもサッカーである。

以上

2009.03.13 Reported by サカクラゲン
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