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【J2:第1節 栃木 vs 岐阜】レポート:栃木、歴史的勝利ならず。岐阜が先輩としての意地を見せる。(09.03.08)

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3月8日(日) 2009 J2リーグ戦 第1節
栃木 0 - 1 岐阜 (13:03/栃木グ/5,523人)
得点者:30' 高木和正(岐阜)
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栃木SCはFC岐阜をホームで迎え撃った、歴史的な開幕戦で勝利を掴めなかった。スコアは僅差の0-1。シュート数は栃木が11、岐阜が7と栃木が上回るも、「決定力のあったチームが勝利した」と松田浩監督が試合を振り返ったように、決定機を確実にものにした岐阜がJ2の「1年先輩」としての意地を見せた一戦となった。

「なんのために戦うのか。自分のために戦うことは根本的なところではあると思います。今日は特別な日であるし、この日を待ちわびた栃木県の人のために戦う。そのプラスアルファの部分は忘れずに戦おうとは話しました。その気持ちが自分たちを助けてくれるのではないかと。記念すべき日に戦えることを感謝しようとも伝えました」(松田監督)
開幕戦の雰囲気ができ上がれば自ずと選手のモチベーションは高まる、とも話していた松田監督。ファン・サポーターはここ数年、開幕戦の恒例イベントとなった「黄色い紙吹雪」と熱い声援で選手をJ開幕のピッチへと送り出した。

戦うための万全の環境を整えてもらった栃木が、前半の序盤を制した。左サイドを起点に試合を組み立てる。初陣ということもあり、硬さは散見されはしたが、「立ち上がりの15分は、ばたばたしてしまった」(松永英機監督)岐阜に比べれば、アグレッシブに挑み、ゴールに迫ることができた。チャレンジャーとしては悪くはない試合の入り方だった。

しかし、その勢いは前半の半ばを過ぎると萎む。ポストプレーヤーの若林学の相棒に指名された稲葉久人が背後を取る動きに長けるとはいえ、ロングボールの使用頻度が増したことで、簡単にボールを譲り渡してしまったことが一因に挙がるだろう。岐阜の前線からのチェイシングも効果的だったが、自分達で首を絞め、試合を難しくしてしまった印象の方が強い。縦へのボールに頼るあまり、横への揺さぶりは減少。有効だったサイドからの攻撃は鳴りを潜める。対照的に落ち着きを取り戻した岐阜はピッチの横幅を上手く使い始め、30分に左から右へと大きく展開し、最後は高木和正がPボックス内で左足を振ってゴールを決めた。先手を奪われた栃木。終盤にロングスローから若林がオーバーヘッドシュートを試みるが、枠を捕えきれなかった。

1点ビハインドの栃木だが、後半になっても単調なリズムを変えられなかった。空転を続ける。「若さん(若林)が競ったボールを拾い、確実に繋げれば攻撃に厚みが出たと思う。まだまだ(セカンドボールを拾う)予測の部分が足りない」と唇を噛んだのは鴨志田誉。全体的に前に出る意識はあったが、焦りからか若林にボールを当ててからサポートへ回る意識は薄かった。前半の立ち上がりは鴨志田と本橋卓巳のダブルボランチがセカンドボールを拾い、さばき、コントロールできていただけに悔やまれる。また、石舘靖樹、河原和寿と攻撃的なカードを切り、4-4-2からリスクを冒す際のオプションである4-3-3へ移行するも、好機を生み出すには至らなかった。

無理に前に出ることはせずに、ボールを大事に扱った岐阜。上手くいなしながら栃木に付け入る隙を与えることなく、獲得したCKからは追加点を狙い、安定した試合運びで残りの45分を終わらせた。「みんなが動いてくれたことで連動して点を取られる気がしなかった」とキャプテン・菅和範が語った感想がしっくりくる後半だった。危なげなく先制点を守り、逃げ切りに成功した。

勝点3に安堵の表情を浮かべた松永監督。立ち上がりの拙さは反省点としながらも、ポゼッションと攻守の素早い切り替えに関しては手応えを得たようで、今季のテーマがピッチで表現できたことに満足げだった。メンバーが大幅に入れ替わった「新生・岐阜」にとって、今季初戦での1勝は自信に繋がるだろうし、これまで取り組んできたことが無駄ではなかったと確認できたのではないだろうか。

敗れた栃木はJ2の厳しさ、自分達のサッカーを出し切ることの困難さを痛感させられた。浮き彫りとなった問題点の解決は図らなければならない。一例を挙げるならば、松田監督が強調した、「もっとチャレンジする気持ち、失敗を恐れない気持ち、という部分を全面に出していかなければいけない」。ただ、敗戦に下を向き、悲観的になることはない。失敗して、躓きながら、J2まで辿り着いた今があるのだから。負の経験を上手く活かしながら、チームとしての土台を作り、じっくりと幹を太くしていけばいい。スタートが悪くとも、後から盛り返せばいいではないか。

以上

2009.03.08 Reported by 大塚秀毅
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