今日の試合速報

ACLE MD2
ACLE MD2

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第1節 熊本 vs 草津】レポート:新監督同士の対決は、佐野監督の草津に軍配。熊本は終盤に1点を返したが、ホームでの開幕戦を飾れず。(09.03.08)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
3月8日(日) 2009 J2リーグ戦 第1節
熊本 1 - 2 草津 (13:06/熊本/7,013人)
得点者:43' 藤井大輔(草津)、74' 熊林親吾(草津)、89' 宇留野純(熊本)
顔写真クイズ勝敗予想ゲーム

----------
ホームでの開幕戦、新しくなったチームが目指す“面白いサッカー”の一端を7,000人の観客に見せる事はできたが、勝点3という結果を手に入れる事はできなかった。
正直に言うと、昨シーズンのホーム開幕戦で記念すべきJリーグ初勝利を飾った相手という過去の記憶が、見ている我々の気持ちのどこかに、ぼんやりとした自信を抱かせていた(今日の結果を受けて重々戒めている)。だが逆に、ちょうど1年前、Jリーグに加入したばかりの熊本に敗れたという屈辱は、草津の選手達、というよりチーム全体、そしてサポーター達にまで、薄れる事なく刻み込まれていたに違いない。

立ち上がりから10分ごろまでは、中盤の松下裕樹、櫻田和樹から左右へのスペースへ展開する草津がやや押し込んだものの、最終ラインで耐えていた熊本は、中盤を経由して両サイドの木島良輔、宇留野純が深い位置まで入り込んだり、ドリブルでつっかけて誘ったファウルからFKを得たりと、徐々に流れを引き戻していく。

17分、右に流れて角度のない所から放った木島のシュート、24分、石井俊也、市村篤司とつないでからの藤田俊哉の右足のシュートはいずれもポストのわずかに左。さらに27分、惜しくもバーに弾かれたが、3人が絡んで右サイドを崩してからのクロスに合わせた藤田のヘディングシュートなど、テンポ良くつないで崩す場面は、確かに“攻撃面の進化”を感じさせるシーンだった。しかし熊本の流れはほぼこの辺りまで。

草津は中盤が作れずに後方からのロングボールが中心になっていくが、長身で当たりにも強いFW都倉賢を起用した事で、競り合いのこぼれ球を拾って左右の深い所まで運ぶ事ができていた。そして43分、廣山望からのCKをファーサイドに詰めたDFの藤井大輔が押し込んで先制する。
リードされた熊本は、後半から左SBの車智鎬に替えてルーキーの西弘則を投入。「SBを西に替えて、そこからウチがやろうとしているビルドアップの形が多少は出たと思う」と北野誠監督は話したが、つなぐことを意識するあまり、手数をかけなくてもいいところでかけてしまうなど、判断の遅さが見受けられるようになる。もっとも、FWがオフサイドにひっかかる場面が多かった原因はそれだけではなく、“裏を狙われてもGK本田征治が抑えられるギリギリのスペース”を残して、草津のDF陣が絶妙なラインを敷いていたのも大きい。
加えて熊本は、プレッシャーのない場面でもイージーなパスミスを頻発。しっかりとブロックを作ってオーガナイズし、奪った後はシンプルな攻撃に徹した草津は、74分、ミスパスを高田保則がさらって左サイドで受けた熊林親吾が追加点。終盤にたたみかけて宇留野のゴールで熊本も1点を返したが、最後まで落ち着いて試合を運んだ草津に逃げ切られ、ホームでの開幕を勝利で飾る事はできなかった。

「我々が目指すサッカーにはほど遠い内容。改善しなければいけない点がいっぱいあるので、すぐ切り替えて、次に向けて準備を始めたい」とは草津の佐野達監督の言葉だが、先発で起用した藤井、都倉、櫻田らが仕事を果たして結果につなげたことや、1人も交代せず、全員が最後まで走りきって役割を果たしたことは少なくない収穫。次節ホームに福岡を迎えるが、連勝して波に乗りたい。

熊本は2年連続での黒星スタート。前半のチャンスで先制点を奪えていればその後の流れも変わって来たと考えれば、「決める時に決められなかった」(小森田)事も悔やまれるし、後半のミスの多さには、前半のチャンスが外れた時とは違う種類の溜め息も出たが、北野監督も話していたように、90分間を通じて単調な攻撃に終止した事が問題。今季目指す“見ても楽しい”サッカーを実現する上では、リズムの中でアクセントをつけることも欠かせない要素。今日の宿題は来週の横浜FC戦までに解決したい。

勝点を取れなかった事も含めて、今日の出来が最低だ。と、あえて書こう。そう捉えれば、残り50試合、良くなっていくだけだ。

以上

2009.03.08 Reported by 井芹貴志
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/10/10(木) 12:00 Jリーグ審判レポート(シンレポ!)ホイッスル #7「VARは見逃さなかった!退場になるファウルとは?」