本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【第88回天皇杯準決勝 F東京 vs 柏】レポート:フランサマジックと李の意地のゴールで柏がF東京に逆転勝利。柏レイソルが夢の舞台”元日の国立”を勝ち取った。(08.12.30)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
12月29日(月) 第88回天皇杯準決勝
F東京 1 - 2 柏 (13:06/エコパ/12,458人)
得点者:31' 鈴木 達也(F東京)、68' フランサ(柏)、88' 李 忠成(柏)
チケット情報TV放送出場停止選手
----------
『ゴールが呼んでました!』
 ヒーローインタビューで決勝ゴールを決めた柏レイソルの李忠成が、声高らかに笑顔で叫んだ。
天皇杯準決勝、FC東京vs柏レイソルは、1−2でレイソルの逆転勝利。
「ゲームプランどおり(古賀)」の展開で、”元日の国立”への切符を手にすることとなった。

 世間がお正月の準備を進める年の瀬の12月29日、天皇杯の準決勝F東京vs柏が静岡県・エコパスタジアムで開催された。スタジアムに入ると、ここはうちのホームだと言わんばかりの雰囲気をつくる両チームのサポーターやクラブ関係たち。一方、選手たちも、そのすべての人の思いを背負って戦いに臨んだ。F東京は茂庭照幸が出場停止、柏は出場停止はいないが、怪我人が続出。杉山浩太は広島戦の負傷により帯同もできない状況で、この試合に向けた練習で故障した大谷秀和はチームに帯同はしていたもの当日の朝、ベンチ入りを見送られた。

試合前、ウォーミングアップに向かうチームメイトひとりひとりに言葉をかけていたキャプテンの大谷。声をかけてみると、「今はすごくいいムードだし、広島戦(準々決勝)よりやれる感じがありま。みんなに託したから大丈夫」と穏やかな表情を見せた。
「ベンチにフランサとチュンソン(李忠成)がいるでしょう?うちはね、ジョーカーが二人ベンチにいるっていうのが、すごいんですよ」とウォーミングアップするチームメイトを見つめた。試合が始まってからは、ずっとベンチ横でチームメイトに声をかけ続けてともに戦っていた。

 先制したのは、F東京。今シーズン途中まで柏にいた鈴木達也だった。「いつもどおり(鈴木)」を心がけた鈴木だったが、やはりそのプレーからも、柏に対する思いの強さは伝わってくる。前半31分、梶山陽平からのパスを受けてそのままドリブル、ペナルティエリア付近から放ったシュートは綺麗にゴールへと突き刺さった。
「今日はF東京の鈴木達也のプレーをしたかった。あのゴールはまさにそんなゴールだった」と振り返った。ゴールが決まるとベンチに走り城福浩監督に抱きついた鈴木。F東京サポーターからは「タツヤTOKYO」コール。
ちょうどその頃、柏のベンチメンバーはウォーミングアップを始めていた。なかでも李忠成の表情は険しく、ウォーミングアップエリアの中でもピッチに一番近いところにたち、ピッチの中を鋭く見つめていた。

 1−0のまま前半を終え、迎えた後半。柏の石崎信弘監督は、太田圭輔に代えて、F東京が「一番警戒していた(城福監督)」フランサを投入。立ち上がりから、フランサとアレックスのコンビネーションで前半とは違うリズムが生まれはじめる。
さらに石崎監督は後半16分、ポポに代えて李忠成を投入。菅沼実、フランサ、李、アレックスの4人が自在に動き攻撃をしかける。F東京はその動きに冷静に対応していたが、23分、石川直樹が左サイドギリギリのラインから出したパスをアレックスが受けそのまま落とし、そこに走りこんだフランサはドリブルで自分の間合いをつくる。フランサの右足から出たボールがすっと塩田仁史の股間を抜け、ゴールが決まる。
「(フランサ)マジックでたね」と山根巌が振り返り、「呼んだ声をアレックスが気がついてくれてコミュニケーションがうまくいったゴールだ」とフランサは振り返った。

 その後、城福監督は、運動量を要求していた二人、羽生直剛に代えてエメルソン、鈴木に代えて石川直宏を投入。一進一退の展開が続き、まもなく時計の針が90分になろうとしたその時、試合が動いた。”あと1点”をなんとかもぎ取ろうとする両チームだが、88分、ピッチの中央をフランサと李がパスをつないでゴールに向かっていく。そして、最後は李が思い切り、左足からミドルシュートを放つと、塩田の守るゴールを突き破り1−2の逆転。
 李は猛ダッシュでベンチにいる石崎監督のもとへと向かったが、石崎監督は猛ダッシュでそこから逃げる。いきなり笑いに包まれた柏ベンチ。試合中に喜び合って自分に触るとよくないという、石崎監督のジンクスがあってのことだそうだが、その勢いをどうすれば?という李がとっさにとった行動は、カズダンス。李は、そうして喜びを爆発させた。

  逆転勝利で決勝の舞台へ進むこととなった柏の選手たちの表情は一様に明るい。試合に出られなかったキャプテンの大谷も「言った通りだったでしょう?」と、笑顔でミックスゾーンに現れた。
”石さんのため”と願った夢の舞台に立つ権利を勝ち取った柏の選手たちは、「石さんには胸を張ってチームを去ってほしい(フランサ)」、「絶対に日本一をとりたい(李)」など、それぞれ石崎監督への思いを語る。「日本全国広くても、その日にサッカーがやれるのは2チームだけ。その喜びをかみしめながら勝ちたい」と石崎監督。
 昇格のときですら泣かなかった石崎監督は、選手たちに広島戦を終えてから、「嬉し涙を流させてくれ」と伝えていたが、いよいよそれを実現する日がやってくる。『数え切れないほどの恩がある指揮官の願いを叶えてあげたい』という思いをひとつにし、柏の選手たちはエコパスタジアムを出て、元日の国立へと向かっていった。

 一方、F東京の城福監督、選手たちは、うつむき「悔しい」「まだそこに行くまでの何かが足りなかった」と、繰り返した。
「365日右肩上がり」を掲げてからは、まだ365日は経っていない。これからそれぞれがこの悔しさをどう胸に刻んで、新シーズンをスタートさせることになるのか・・・、それを待つことにしたい。

以上
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/06(火) 19:00 ハイライト:Jリーグ選抜U-15 vs ニューカッスル ユナイテッド U15【Jリーグインターナショナルシリーズ2024 アカデミーマッチ】