12月29日(月)第88回天皇杯準決勝 横浜FM vs G大阪(15:00KICK OFF/国立)
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14年ぶりに4強入りした横浜F・マリノスと、3年連続準決勝進出のガンバ大阪が激突する。
両チームが今季顔を合わせるのは、ヤマザキナビスコカップを含めると今回で5度目。過去4戦は2勝1敗1分けで、横浜FMがリードしている。ただし、この結果はあまり参考にならないだろう。横浜FMは8月6日(ナビスコ杯)、同9日(リーグ戦)に行ったG大阪との2連戦でともに2対1で連勝したが、当時はG大阪の大黒柱・遠藤保仁が戦列復帰したばかりで、彼はトップフォームではなかった。また、同じく主砲・バレーがチームを去った直後であり、攻撃がうまく噛み合わず、チーム全体が苦しんでいる時期でもあったのだ。
当時と比べて今のG大阪は、数々の国際試合を経て数段レベルアップしたに違いない。
そんなAFCチャンピオンズリーグ覇者に挑む横浜FM。準々決勝のサガン鳥栖戦では、「勝ったことだけが収穫」(栗原勇蔵)という内容的には乏しい試合展開に。ただ、J2相手のアウェイゲームで、さらにリーグ戦から2週間が空き、選手にとって『やりづらいゲーム』であったのは事実。それでも3得点を奪い、きっちり勝てたことは大きい。
「今のF・マリノスは勝負強さが身についていると思う」
中澤佑二がそう胸を張るように、リーグ戦から続く4連勝は決してフロックではないと言える。
一方のG大阪は、準々決勝の名古屋グランパス戦で、FIFAクラブワールドカップ2008の疲れが心配された。ところが、フタを開けてみると素晴らしい試合を披露。特に前半は攻守ともに完璧に近いような内容で、敵将ストイコビッチ監督が前半終了後に、「このままだと5点取られるぞ」と選手にハッパをかけたほど。疲労はあっただろうが、『世界』を体感した経験が活かされているようだった。この試合で2アシストと活躍した橋本英郎も、「FCWCの時のいいリズムが出た試合だった」と振り返っている。
今回の準決勝に目を向けると、横浜FMはボランチの河合竜二を出場停止で欠く。河合は守備だけでなく、ロングボールを蹴れるのが魅力でもある。彼がサイドチェンジのパスを展開することで、横浜FMは幅のある攻撃を仕掛けられていた。彼の不在でチームはショートパスに固執し、単調な攻撃に陥る可能性がないとは言えない。それを打開するには、鳥栖戦で1得点2アシストを決めた狩野健太が持ち前のキープ力とキラーパスで、オフェンスに変化をつけられるかが鍵になりそうだ。
対するG大阪は両サイドを制圧できれるかに注目したい。横浜FMの両翼は攻撃的だ。右の田中隼磨を安田理大が、左の小宮山尊信を加地亮が、まずは守備でしっかり対応して抑えることが望まれる。そして、名古屋戦の時ように、安田は左MFのルーカスと、加地は右MFの橋本とのコンビでサイドをえぐり続ければ、いくら堅守の横浜FMでも耐え続けるのは容易ではないだろう。
また、今季途中に横浜FMからG大阪へ移籍したロニーの出番があるのかも見もの。横浜FMの守備を熟知している彼が、もしかすると意外な伏兵になるかもしれない。
以上
2008.12.28 Reported by 小林智明(インサイド)
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