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【J1・J2入れ替え戦 磐田 vs 仙台】仙台サイドプレビュー:敵地での堅陣を一度でも崩せば、可能性は一気に仙台に広がる。それを信じて、いざ今季最後の「共闘」へ。(08.12.12)

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12月13日(土)J1・J2入れ替え戦 磐田 vs 仙台(16:00KICK OFF/ヤマハ
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 本当に突然だが、最近「冒険彗星」という曲を聴いたことはないだろうか。
 榎本くるみという女性アーティストの曲なのだが、掻き鳴らされるギターで始まるイントロや、何よりリズムや詩の世界観といった曲の雰囲気が、何より聴き馴染みのあるとある曲にそっくりな印象を持ち、そのおかげか、少なくとも仙台がJ1のリストに入るほどの苦労はなく「冒険彗星」は私のプレイリスト入りを果たした。
 気になって少し調べたところで、すぐにその理由は判明した。この曲に共同プロデュースという形で名を連ねていたのが藤原基央。今や不動の人気を誇るバンド、BUMP OF CHICKEN(バンプ・オブ・チキン)のヴォーカル・ギターである。私が「冒険彗星」を聴き思い出したのは、バンプを一躍有名にしたかの名曲「天体観測」だったのだ。
 この「天体観測」がリリースされたのが2001年。音楽系サイトでもない場所でこのようは話を展開してきた理由も、2001という数字が出てくれば、そろそろ理解していただける方もいるのでは。
 言うまでもなく2001年とは、仙台が初めてJ1昇格を成し遂げた年。楽曲の素晴らしさもさることながら、ベガとアルタイルという著名な天体を名に持つクラブの昇格と、「天体観測」というタイトルの名曲によって一気に日の目を浴びていった若きバンドの姿が被ったのか、「天体観測」は少なくとも私にとって思い出深い一曲となっている。

 今、仙台は2001年以来となる(ポジティブな意味での)興奮の中にいる。
 そんな年に、前回昇格時の思い出を呼び起こすような曲が世に出る。ありきたりなジンクスや偶然でも全て信じたくなる心境である自分の中では、この曲が決戦に向けたアンセムとなっているが、頼る物の差異こそあれ、今頃全ての仙台サポーターが、明日を前にした時間の中で何かしらの祈りを捧げているはず。
 その想いが報われると信じながら、今季最後のプレビューをそろそろ始めたい。

 ホームでの第1戦を引き分けた仙台。0−0であれば万々歳で磐田に乗り込んだところだったが、先制したもののアウェイゴールを許して1−1のドローとなると、それは仙台にとって尻に火がついた状況を意味する。2試合合計が同点だった場合はアウェイゴールの多い方が勝利となるルールによって、第2戦が0−0ならば磐田がJ1残留となり、つまり仙台は、最低でも1ゴールを敵地で決めないことには話が始まらないのだ。ただ逆に1点さえ奪うことができれば、磐田にまた1失点を許したとしても、最低でも90分以内に負けが決まることはないため、第1戦ほどのリスクを感じる必要も無いと言えば無い。
 よって第2戦はおそらく、仙台と磐田で真逆のベクトルが対峙する試合となる。仙台は1分も無駄にせず攻め、磐田は第1戦の仙台以上に、攻撃をかなぐり捨ててでもアウェイゴールを奪われることを阻止にかかるはずである。
 だがこの状況は、むしろ仙台にとって歓迎すべき状況かもしれない。実際にその兆候が、第1戦の終盤にあった。
 後半の早い時間帯でスコアを1−1とした磐田は、試合終盤、明らかに引き気味の布陣となった。両ウイングバックはもはやサイドバックと言える低い位置を取り、前半以上にロングボール中心のローリスクな攻めにシフト。この辺りのメリハリは、欧州でアウェイゴールルールに慣れ親しんでいたオフト監督の采配ゆえだろう。失点することの恐怖がさらに大きくなるホームでの第2戦も、磐田はこの第1戦終盤のやり方が立ち上がりの基本線となると思われる。
 しかし、磐田に引かれれば、仙台にとってチャンスの芽が完全になくなってしまうのかと言えば、むしろ逆である。磐田の守備位置が下がることで、仙台は中盤で少しばかりボールが持てるようになる。ボランチ斉藤大介の展開力が発揮されれば、引いた相手でも揺さぶっていくことは可能だ。さらに関口訓充あたりは、ファールを誘うべくあえて密集にドリブル突破を仕掛けていくに違いない。低い位置での守備は、それだけ自陣でのファールの危険性もはらんでいるのだから。
 もし良い位置でFKを奪えたら、梁勇基による高精度のボールが飛んでいく。第1戦後半の、バー直撃FKを磐田もよもや忘れてはいまい。むしろその「残像」につけ込んで、一世一代のトリックを仕掛けるのもありだろう。セットプレーになれば、守備的な布陣も何も関係なくなる。
 第1戦終了後、仙台の選手は何人かが口を揃えて言った。「磐田が引いたら引いたで、チャンスはある」と。90分が長いかどうかは判断が分かれるが、少なくとも1点を奪う上では、何も焦る必要のない時間が残されている。
 いやむしろ、こんな戦いでしか味わえない極上のドキドキを楽しむくらいの気持ちで、ヤマハのピッチで躍動してほしい。仮に89分までゴールが奪えなかったとしても、サポーターの祈り(もちろん、磐田まで来られなかったサポーターの祈りも含めて)は最後の1分まで途絶えないだろうから。

 思い出のメロディーでも、長年の汗と涙が染みこんだユニフォームやマフラーでも何でも構わない。とにかく、すがれるもの全てにすがり、一人一人がしっかりと祈りながら、想いの同じ者同士この敵地にいるいないは関係なく心の中で手を繋ぎ、一緒に見つめよう。私たちがやってきた「共闘」、そのひとまずの結末を。

以上
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