12月13日（土）J1・J2入れ替え戦 磐田 vs 仙台（16:00KICK OFF/ヤマハ）
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　来季はJ1かJ2か。全てはこのホームゲームにかかっている。磐田がJ1に残るための条件は、勝利か0-0の引き分け。1-1の引き分けで延長戦も終えた場合は、PK戦での決着となる。ただ、磐田としては引き分けなど眼中になく、勝利することだけを考えた大勝負。本当にジュビロ磐田の全てを賭けた戦いが始まろうとしている。

　アウェイでの仙台戦は、先制点を許したものの、松浦拓弥の値千金の左足シュートでアウェイゴールを奪い、1-1のドロー。選手たちは、リーグ戦最終節で大宮に敗れて入れ替え戦に回ったショックからも力強く立ち直り、大きなプレッシャーの中でその影響を感じさせることもなく、内容的にも過去数試合よりも質の高いサッカーを見せた。だが、J1とJ2の力の差を示すことができたとは言えない。逆に、仙台の実力の高さを強く印象づけられたゲームでもあった。
　また、ユアテックスタジアムのピッチの硬さやスリッピーさ、さらに場内に大きく反響する応援の声で自分たちのコーチングが聞こえずに戸惑った部分もあったが、今度は慣れ親しんだヤマハスタジアム。より自分たちの力を発揮しやすい状況になる。選手たちも、第1戦である程度戦い方の手応えをつかんでいるため、ゲームプラン通り“普通に”やれれば、勝利は自ずと近づいてくるはずだ。
　ひとつ心配されるのは、鈴木秀人が第1戦で右肩を打撲して後半2分で交代し、駒野友一も試合中に腰痛が出て、木曜日の練習を回避したという点。二人とも出場する意欲は満々だが、試合当日になるまで微妙な状況にある。どちらもプレッシャーのかかるゲームでは本当に頼りになる存在だけに気になる部分だが、彼らが出られなかったとしてもバックアップする選手は揃っている。故障から復帰してきた西紀寛や太田吉彰らも、いつでも出られるように準備を整えている。

　また、前述の普通にやるという部分で重要になるのは、「守りに入るのではなく、攻撃的にいきたい」（川口能活）という点だ。もちろん、先に失点しないということは本当に大事だが、その意味でも守りに入りすぎないことが重要になる。
　そのヒントは、第1戦にあった。水曜のアウェイゲームでは、前半は左サイド（仙台の右サイド）から攻めこまれて、何度かチャンスを作られ、先制点も奪われてしまったが、後半はそれを修正することができた。村井慎二が高い位置をとり、FWの1枚も左に流れる回数を増やして、仙台の右サイドバック・菅井直樹に上がる余裕を与えず、右MFの関口訓充にも守備の意識を強くさせたことによって、仙台は人数をかけて右から攻めることができなくなったのだ。つまり後半は、自分たちが主導権を握ることで、相手のストロングポイントを封じることもできていた。
　当然、今度のホームゲームでも、左サイドにかぎらずそうした戦い方が重要になる。条件としては0-0でもOKだが、だからといって消極的な戦い方をするのではなく、あくまでホームで自分たちがゲームを支配する。第1戦の後半ではアウェーでもそれができていただけに、そのまま継続できるかどうか大きなポイントになる。その点に関しては、メンタルの部分も大きなウェートを占めるだろう。
　守備に関しても、前半はバイタルエリアでのマーキングが少し甘くなっていたが、「後半は（マークに）つけていた」（茶野隆行）と修正ができた。仙台のやり方は把握できたので、それもしっかりと継続しなければならない。仙台のほうは、第1戦を体調不良で休んだFW平瀬智行が出場してくる可能性があるが、2トップには2人のストッパーがしっかりとマークについて抑えこむという意味では変わらない。

　磐田の選手たちが、いかに落ち着いて、自信を持って、自分たちのリズムを作りながら戦えるか。そして、攻守ともにゴール前の大事なところで気持ちの入った仕事ができるか。それを後押しするために、そして来季もJ1で戦うために、チケットが取れなかったサポーターにも、熱い想いをヤマハスタジアムに送り続けてほしい！

以上