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【FCWC特集】アジア代表 G大阪のホームタウン大阪を紹介! (08.12.01)

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アウェイ全勝という快挙と共に2008年のACLを制したG大阪。Jリーグ開幕当初は昨年ACLを制した浦和と共に、下位に沈んでいたクラブのアジア王者獲得。その偉業を支えたのは地元とのつながりだ。ここではG大阪のホームタウンとのかかわりを紹介する。

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 1993年、空前の盛り上がりの中で開幕した『Jリーグ』。全10クラブが名を連ねる中で、大阪、いや関西唯一のJリーグクラブとして『ガンバ大阪』(以下G大阪)はその第一歩を踏み出した。ホームタウンは『吹田市』。大阪市の北隣に位置し、京都や大阪など大都市の影響を受けて発展を遂げてきた町である。

 と、町の紹介をする前に、なぜ殆どのJクラブが、チーム名にホームタウンとなる地名をつけているにも関わらず、G大阪はガンバ吹田、ではなくガンバ大阪なのか。この理由はJリーグ発足当時、関西唯一のJリーグクラブとしてスタ−トする上で、広く大阪府を活動地域としたこと。また、他に競合するクラブがなかったため、最も認知度の高い『大阪』という地名を選んだ、とされている。また発足にあたり、現在も使用する『万博記念競技場』がホームスタジアムに決まり、そのスタジアムが在したからという“後付け”の理由で吹田市がホームタウンになったという経緯も少なからず影響している。そのせいか、Jリーグ発足当時、G大阪は今ほど、ホームタウンとの密接な関係を築いていなかった、というのも正直なところだろう。

 だが、一方で、関西サッカーファンの発掘に多大な影響を与えたのは事実だ。実際、G大阪のホームゲームには大阪府下のみならず、関西一円のサッカーファンが万博記念競技場に足を運んだもの。当時は、釜本邦茂監督以下、永島昭浩や礒貝洋光ら人気選手を多数抱えており、ヴェルディ川崎に次ぐ人気クラブとして知名度も高かった。また、当時の吹田市長、岸田恒夫氏の呼びかけにより、当時の大阪府知事以下、大阪府下全市の市長が後援会に名を連ねるなど、大阪府をあげての応援体制が敷かれたのも、G大阪がいかに大阪府全体の期待を背負っていたかを証明する出来事だ。ただし、95年春にはセレッソ大阪(以下C大阪)がJリーグに参入。『大阪』を名乗るのが2クラブになってからは、大阪府下で自然と地域の区分がなされるようになり、G大阪は『万博記念競技場』を中心とする北摂、北河内地域を、C大阪は『長居スタジアム』を中心とする大阪市を中心にファン層拡大を目指すこととなった。
 
 G大阪のホームタウン『吹田市』は、大阪市中北部に位置。京都や大阪といった大都市の影響を受け、今日まで発展を遂げてきた。1960年代には、北部の北摂津山系を背景とする千里丘陵に日本初の大規模ニュータウン『千里ニュータウン』が完成。並行して地下鉄や道路などの交通機関も整備された。この発展に多大な影響を及ぼしたのが1970年3月(〜9月)に行われた『人類の進歩と調和』をテーマにした『日本万国博覧会』。全世界から6421万人を集めたとされる同博覧会は『吹田市』の存在を世界にアピールすると共に、後の街づくりにも大きな影響を与えた。実際、この博覧会を境に、吹田市は医療センターや市民病院の建設などが相次いで行われ、最先端医療の集積地としても知られるようになった。

 その一方で、スポーツの発展に大きく影響したのが、93年のG大阪の発足。といっても、先にも書いた通り、発足当時はさほど吹田市とG大阪の関わりは深くはなく、むしろ、後にG大阪がホームタウンとの関係を見直す中で、両者が歩み寄り、共にサッカー、スポーツの発展に関与していったという見方が正しい。特に、97年春。万博記念競技場がある、同じ万博公園の敷地内にG大阪がクラブハウス、練習場を移転したことで地域との関わりはより密接に。これはバブル崩壊後のJリーグ人気の低下に伴う“ファン離れ”にG大阪が危機感を感じたこと。Jリーグの理念でもある地域密着の必要性を強く感じたことなどに起因するが、いずれにせよ両者は協力体制を強化。ホームタウン吹田市を含む北摂・北河内の14市3町での積極的なホームタウン活動に、各市町村の協力を受けながら、現在もスポーツ、サッカーを通じた地域の活性化、発展に努めている。

 これには、ホームタウン『吹田市』を含む北摂地域が、古くからサッカーが盛んに行われてきた地域として知られており、潜在的なサッカーへの意識が高い場所だということも見逃せない。実際、G大阪が現在も主催して行われる様々なカテゴリーでのサッカー大会、サッカー教室には、毎年多くのサッカーチーム、サッカー少年が参加。幼少期からプロの指導者や選手と交流する機会を持つことで、『プロ』が地域の子供たちにとって明確な夢、目標となり、子供たちのスポーツ、サッカーへの関心を更に高めるきっかけにもなっている。またこのことは、G大阪にとっても選手発掘という点で助けにもなっていると言えるだろう。G大阪の下部組織はJリーグの中でも模範とされるシステムを確立。Jクラブの中で最も多くの選手をトップチームに輩出していることでも知られるが、その理由の1つとして、地域におけるサッカー人口の裾野拡大に対する努力がプラス効果として働いていることは事実だ。

 そうして地域とのパイプを強化しながら成長を続けること16年。今やG大阪は関西のみならず、Jリーグ屈指のビッグクラブと呼ばれる存在になった。特に近年の成長は目覚ましく、05年のリーグ初制覇に始まり、07年のナビスコカップ初制覇、そして、今年のアジア制覇とビッグタイトルを次々と手中にしている。そうした成長に伴い、今年、クラブは新スタジアムの建設に本腰を入れて動き出すなど、更なる『進化』にも余念がない。関西一のプロフェッショナルクラブから、アジア一、そして世界一のプロフェッショナルクラブへ。その野望は底知れず、大きい。

Reported by 高村美砂

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