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【J2:第44節 熊本 vs 広島】レポート:広島が勝点100の大台にリーチ。12位でシーズンを終えた熊本は、次なるステップへ。(08.11.30)

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11月30日(日) 2008 J2リーグ戦 第44節
熊本 1 - 2 広島 (13:06/熊本/20,635人)
得点者:38' 佐藤寿人(広島)、57' 木島良輔(熊本)、87' 佐藤寿人(広島)
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 広島からの初勝利はお預けになり、無敗記録も8で止まった。熊本は、目標だった勝点45には及ばず、Jリーグでの1stシーズンを終えた。だが誤解を恐れずに言えば、今日の試合で勝点が取れなかったことはさほど問題ではなく、それ以上に大切なのは、この試合の意味と目的を、クラブに選手やスタッフはもちろん、サポーターも、そして我々も含めた、ロアッソ熊本に関わる全ての人が理解し、そして来シーズン以降への決意を共有することだ。

 熊本のキックオフで始まったゲームは、お互いに立ち上がりからチャンスを作ってはいたが、どちらかと言えば“緩い”という印象。熊本は、史上初となる20,000人超の観客が作り出したスタジアムの雰囲気、そしておそらく、“特別な思い”もあって、全体的に前がかり。広島がブロックを作って対応し、最終ラインでもしっかりと熊本の攻撃陣をつかまえていたことで、バックラインでは回せても、効果的なボールを前線に供給できない。中盤での細かいつなぎから崩す場面もあったが、どこか浮き足立っているようにも感じられ、ミスからボールを奪われて両サイドバックの裏を狙われるシーンもあった。

 だがこの日の広島も、両サイドからのクロスや森崎浩司、柏木陽介からのスルーパスでゴールに迫るものの、トップの佐藤寿人がやや孤立していて、また詰めの精度を欠いてゴールを割れないという展開で、どちらかと言えば“熊本に合わせている”という雰囲気。それでも、森崎和幸からのロングボール、柏木のドリブルなどから徐々にリズムを作り始めると、38分、青山敏弘から服部公太に渡り、ゴール前へ鋭いクロスが入る。その1分前にコントロールをミスしてチャンスを逃していた佐藤寿が飛び込んで頭で合わせた。

 後半に入ると熊本は、前半に裏を狙われる場面の多かった左SBの車智鎬を下げて上村健一をピッチへ送り、CBだった矢野大輔を左SBへシフトする。この試合を最後に引退する上村のリーグ戦出場は実に9試合ぶり。コンディションも決して万全だったとは言えないだろう。だが57分、「練習の時も、いつも動きを見てくれている」という上村からのボールを納めた木島良輔が、GKとの1対1から落ち着いて決め、熊本が追いついた。ハーフタイムに木島が言われた「オレが出るまでお前もピッチに立ってろ」という上村の言葉には、単なる信頼関係以上の思いがあったのだろう。

 勝点100を達成するためには是が非でも3ポイント持ち帰らなければいけない広島は、追いつかれたのを機にようやく目が覚めたかのように攻撃の手を強める。熊本も、この日でJ2通算100試合出場を果たしたGK小林弘記の好セーブなどで耐えていたが、85分、再び佐藤寿人に決められた。

 スペースに飛び込み、柏木からの低い弾道の難しいクロスに合わせた左足のボレーは、まさにJ2得点ランク首位にふさわしいゴール。結局広島が熊本を下し、大台にリーチをかけた。長いシーズンを戦い抜いた疲労も相当なものだろう。天皇杯もあるが、ホームでの最終戦で有終の美を飾り、次なるステージに臨んで欲しい。

 さて、熊本はJリーグ初年度を10勝13分19敗の成績で終えた。今節敗れた岐阜との勝点差は4あり、順位も12位で確定。上村をはじめ、2006年から3シーズン主将を務めたMF熊谷雅彦、強引な突破で見る者を魅了したFW北川佳男、そして職人的な左サイドバックで熊本以外の過去に在籍したクラブにもファンの多いDF有村光史の4人が、最後の試合でその姿を見せてくれた。またクラブが発足した2005年からの生え抜きの選手を含め、6人の契約満了選手が発表されている。

 今までチームのために尽くしてくれた選手が去って行くのは寂しいことだが、それもクラブの成長においては避けられない痛み。「JFLを戦った戦力をベースに、どこまでやれるかを見極める」と位置づけた今シーズンを境に、Jリーグを目指してスタートし、それを達成して1年間戦ったここまでの4年間から、次なるタームに入ることを意味する。その上で、彼らがいてくれたからこそ今があるのだという感謝の気持ちを、この先持ち続けること。そして、彼らが残してくれた魂を、しっかりと受け継ぎ育てていくこと。チームに残る選手達だけではなく、クラブに関わる全ての人たちに、その責任がある。

以上

2008.12.01 Reported by 井芹貴志
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