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【J2:第44節 愛媛 vs 山形】レポート:言葉では語りつくせない劇的なエンディングとともに、山形のJ1昇格物語が完結!愛媛は涙のホーム最終戦を白星で飾れず。(08.11.30)

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11月30日(日) 2008 J2リーグ戦 第44節
愛媛 2 - 3 山形 (13:04/ニンスタ/5,792人)
得点者:10' 青野大介(愛媛)、12' 長谷川悠(山形)、32' 青野大介(愛媛)、88' 石川竜也(山形)、89' 豊田陽平(山形)
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「語り継がれるドラマが生まれる―」
プレビューでそう記したフレーズが、あまりに薄っぺらな言葉だったと思えるほど、劇的な幕切れだった。山形は愛媛に2度のリードを許しながらも終了2分前に追いつき、ロスタイムに逆転。J1自動昇格となる2位以内を自力で決めた。タイムアップと同時に拳を天高く突き上げ、また、手で涙を押さえながらピッチに崩れ落ちた山形の選手たち。90分間大声援を送り続け、ニンジニアスタジアムをまるで山形のホームであるかのような雰囲気に変えたサポーターが待ち続けた、歓喜の瞬間が訪れた。

しかし序盤は山形の夢を打ち砕かんと、愛媛のボランチ青野大介の左足が冴えわたった。まずは前半10分、FW横山拓也がDFレオナルドに倒されて得たFK。ゴール正面とはいえ、左足から放たれたシュートは30メートル近くはあろうかという距離、そして山形の青い壁を越えて豪快にネットに突き刺さった。そして、両者とも探りあいのような形でスタートした立ち上がりから、この得点をきっかけに試合が大きく動いた。

直後の12分、山形は愛媛陣内で奪ったボールを右サイドでMF馬場憂太、FW豊田陽平と素早く前に運び、ペナルティエリア中央で待つFW長谷川悠の足元へ。DFを背にしながら反転して放った長谷川のシュートが決まり、すぐさま山形は同点に追いついた。すると試合は一気に打ち合いとなる。20分、後ろからのロングボールに対してDFとGKの間に入った豊田が、無人のゴールへヘディングを放つがわずかに上。すると逆に愛媛は32分、右サイドで得たフリーキックを蹴った青野のボールがそのままゴールネットを揺らし、山形を突き放す。さらに愛媛は36分、ペナルティエリアの外で鮮やかにパス交換をすると先制点と同じような場所から青野がミドルシュート。GK清水健太が跳ね返したが、互いにゴールを目指し続けるスリリングな展開が続いた。

後半になって両監督が次々に選手を交代すると、試合の主導権は愛媛と山形の間を行ったり来たりする目が話せない展開が続く。その中で後半、先に動いたのが山形の小林伸二監督。「匠(渡辺)は前に動けていたし、少しボールが動き始めた」と小林監督が振り返ったが、これで少しずつ山形が流れを引き寄せ始める。

さらに73分には財前宣之が投入され、人もシステムも変わっていく中で、愛媛の望月一仁監督も立て続けに選手を投入。井上秀人、田中俊也に続き85分、FWの横山拓也に代えてDF星野真悟を投入した。このまま愛媛が守りきるのか……少なくとも、愛媛の側に立つ人間はそう感じたはずだ。それでも「みなぎるパワーが出た」と小林監督が振り返った残り時間。88分、DF石川竜也のフリーキックで山形は執念の同点に。

それでも終わらなかったドラマ。ロスタイムにカウンターから財前がドリブルで持ち込むと、最後にボールがこぼれてきたのは豊田の前。これを押し込むと、最高のエンディングが山形に訪れた。一方の愛媛してみれば、悪夢のようなロスタイム。「最後の部分で勝負弱さが出てしまった」と青野は悔やんだが、最終戦でも最後で粘れない今季の課題を露呈した。「チーム愛とか、まとまりが山形とは違うと感じた」と、いつになく厳しい口調で振り返ったのは金守。ホーム最終戦でも、愛媛は我慢ができず一枚岩になりきれなかった。

試合後のセレモニーで引退の報告をした井上は「プロでの3年間は10年くらいに感じられるほど充実していた」と語ってくれた。さらに「大して技術もなく、上背もないが気持ちだけでやってきた。それでもプロサッカー選手になれるということは伝わったのでは」と続けた井上。来季もチームに残る選手は何のために、誰のためにプレーし、なぜオレンジのユニフォームを身にまとっているのかもう一度よく考えて欲しい。一丸となって勝利を目指す上で、何が足りなかったのかを。引退セレモニーから彼が語り続けた言葉が残された選手の胸に響いてくれれば、また愛媛は前を向いて進めるはずだ。

そして栄光を勝ち取った山形。シーズンを通して成長を続けたツートップの活躍、それをお膳立てした財前や石川、レオナルド……。若さと経験、勢いなど全ての歯車が噛み合ったこの一戦に、今季の山形の強さの一端を見た。自らの手で新しい歴史を切り開いたこの戦いぶりには最大級の賞賛が送られていいだろう。

1999年のJリーグ加盟以来、10年目の快挙。J1昇格物語が完結した今、次節のホーム・水戸戦ではその集大成を見せるとともに、次はJ1旋風物語を山形のサポーター、そしてJ2各クラブのサポーターに届けて欲しい。

以上

※J1昇格の正式決定はJリーグ臨時理事会審議後になります。

2008.11.30 Reported by 近藤義博
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