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【J2:第44節 鳥栖 vs 仙台】レポート:鳥栖らしさを出し尽くしての完勝。エース藤田のハットトリックで仙台を下す。システムを変更した仙台は、中盤が機能せずに3位確定は次節に持ち越すことに。(08.11.30)

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11月30日(日) 2008 J2リーグ戦 第44節
鳥栖 4 - 1 仙台 (13:04/ベアスタ/11,816人)
得点者:10' 藤田祥史(鳥栖)、16' 内間安路(鳥栖)、26' 中島裕希(仙台)、43' 藤田祥史(鳥栖)、87' 藤田祥史(鳥栖)
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今節に臨む両チームにプレッシャーはどれくらいかかっていたのだろうか?鳥栖は、前節の徳島戦でほぼ昇格の可能性のあるの3位以内を逃していた。仙台は、今節の勝利すれば3位以内を確定し、入れ替え戦に臨む権利を手中に収めることできた。

これだけでも、仙台のプレッシャーは相当のものだっただろう。ましてや、鳥栖のホームスタジアムであるベストアメニティスタジアムでの今季最終戦ともなれば、鳥栖サポーターの応援にも熱が入る。仙台の選手たちは、アウェイで3位以内を確定するべく強い決意で乗り込んで来たに違いない。仙台の手倉森監督は、鳥栖の早いプレッシャーとホームアドヴァンテージを跳ね返すべく、守備に重点を置いたシステムで試合開始を迎えた。

仙台は、広島戦(第41節)で見せた、3ボランチで布陣を引いた。CBには、球捌きに定評がある千葉直樹を置いた。DFを含めた中盤の構成からボトムアップを行い、自慢の攻撃陣にボールをつなぐ作戦で臨んできた。
策士である手倉森監督の構想が崩れたのは開始から7分、3ボランチの一角である永井篤志が負傷で交代カードを早々に切らざるを得なくなったことかもしれない。FWに中島裕希を入れて、「オーソドックスな4−4−2」(手倉森監督/仙台)に戻したところで、仙台の選手たちは戦い方に多少の戸惑いとシステム修正に時間を要したようだった。

それまでも鳥栖は、前線からのプレスとサイドチェンジを有効に用いて仙台にプレッシャーを与え続けていた。仙台のシステム変更に乗じて、さらに攻め込むことができたのは必然だったかもしれない。
10分に右サイドのMF高橋義希から中央でボールを受けたMF船谷圭祐が、間一髪で仙台DFの裏に抜けたFW藤田祥史にボールを送った時点で先制点は鳥栖に入るべくして入った。冷静に利き足である左足でゴール左隅に蹴りこんだ。
この先制点は、鳥栖に勢いを与え、仙台に混乱を与えるには充分な得点だった。6分後には、FKからの折り返しをDF内間安路が自身リーグ初得点となる追加点をあげて、勝利至上命題の仙台を苦しめることになった。

26分に仙台FW中島が鳥栖DFのクリアボールを拾って1点返すも、鳥栖の勢いを止めることはできなかった。43分に左サイドでボールを受けたMF野崎陽介が、絶妙のタイミングでFW藤田に送り、藤田はダイレクトシュートをゴール右に決めて前半を終了した。
1点目のゴールも2点目のゴールも、日頃からの練習の中で培ってきたタイミングと受ける位置の約束事が、ホーム最終戦で11,816人の前で証明できたことになる。
「みんなで話し合ってきたことができた」と藤田は事も何気に語ったが、この日の藤田には試合終了間際にもう一度大観衆を沸かせるゴールをあげることになる。
87分に前がかりになった仙台守備陣を置いて、GKと1対1を冷静に決めてハットトリックを達成した。藤田のハットトリックも特筆に価するが、MF船谷、野崎、高橋の中盤3人がアシストを記録した攻撃の厚みは、今季の鳥栖の目指した攻撃の一端だった。

鳥栖は、終盤まで昇格争いを繰り広げたが、昇格を目指して戦ってきたわけではない。「目の前の一戦に集中して戦う」(岸野監督/鳥栖)姿勢の結果で得た争いなのである。中盤が機能しなければ、攻撃の機会は減ってしまう。そうなると守備に回る時間が長くなる。
守備での対応時間が長くなると失点の確率は高くなる。第3クールで落とした試合は、中盤での機能が低下した時が多かった。前節の徳島戦が典型的な例だったかもしれない。その悔しさを今節で晴らしてくれた。3位以内に入る可能性を限りなく失った試合ではあったが、目の前の一戦に集中して戦う「鳥栖らしさ」を見せてくれた試合だった。
残り一戦となった鳥栖だが、次節も今節の戦い方をしてくれれば、来季につながるサッカーとなるだろう。

仙台にとっては、悔やみ切れない試合になったかもしれない。手倉森監督の鳥栖に対する戦術が、空回りしたのかもしれない。それが、昇格を争うチームの苦悩だろう。次節のホーム最終戦で、実力で3位を勝ち取ってもらいたい。3位という順位は、容易に手に入れる権利でもなく、他のチームの結果で与えられるものでもない。昇格の苦しみが多いほど、昇格を果たした時の喜びと実力は大きいものになるだろうから・・・。
ゴール裏をベガルタゴールドで染めたサポーターたちは、試合後にもエールを送っていた。そのエールは選手たちに伝わったに違いない。それは、鳥栖のサポーターとて同じ事。サポーターに支えられた戦いは、常に見ている人に感動を与える。

勝点を上積みするサッカーは、どんなに素晴らしい勝利でも、相手のミスから得た勝利でも、1勝は1勝。
でも、我々はそこに至るまでのゴールに感動を覚え、勝ち得た勝利に涙する。
この素晴らしきドラマを演じる選手たちとそれを演出するサポーターの一体感こそ、サッカーの魅力である。
そして、運営スタッフも、スタジアムの管理を行った人たちも、練習場で声援を送った人たちも、その魅力を演出した人たちである。
今季の鳥栖のホームゲーム全てに感謝したい。
だからサッカーは面白い。

以上

2008.11.30 Reported by サカクラゲン
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