11月29日(土)J1 第33節 清水 vs 千葉(13:00KICK OFF/日本平)
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ホーム最終戦で絶対に勝ちたい清水と、今節で17位以下が決まる可能性のある千葉。どちらも勝点3を取ることしか考えていない一戦は、リーグ戦大詰めならではの緊張感に満ちた戦いとなるだろう。
前節終了時点で、清水は勝点49の7位で、昨年の成績(勝点61/4位)を越えるという意味では、勝点では届かないが、順位は2位まで上がれる可能性が(数字的には)残っている。来季のACL出場はチームとしての大目標であるため、わずかな可能性であっても3位以内を目指して、残り2試合を連勝で終えることが現時点で最大のテーマとなる。それが、天皇杯でのタイトル獲得に向けても自信となっていくからだ。
今季の清水は、リーグ前半戦では計算外のことが重なって思うような得点力を発揮できず、非常に苦しい戦いとなった。そして6月の中断期間中にフェルナンジーニョが京都に移籍し、日本人選手中心で攻撃を構築していく形となってから徐々に復調。21節終了時点(8月17日)では15位まで順位を落としていたが、その後は8勝3敗と完全に勢いを取り戻した。今は、外国人選手に頼ることなく、全員がハードワークしてまさしく全員守備・全員攻撃を行ない、さまざまな所からさまざまな形でゴールを奪えるようになっている。
その中で岡崎慎司、原一樹、枝村匠馬、岩下敬輔、山本真希といった若い選手たちが大きく成長し、選手層も充実して、特定の選手に依存しないサッカーができているという意味では、確実に昨年までより進化した姿を見せている。今度のホーム最終戦は、地元のサポーターの前で、その集大成を見せるべき舞台でもある。
戦力的には、前節で市川大祐が右太ももの肉離れを負ってしまったことは痛いが、高木純平がその代役をしっかりと務め、岩下敬輔も右肩のケガから復帰してきたため、大きな不安はない。FW陣でも、矢島卓郎が復調し、西澤明訓も練習に合流しており、日本代表の岡崎を軸に誰が出ても問題はなく、オプションは増えている。
また中盤は、ボックス型とダイヤ型のどちらでもいける状態で、自分たちや相手の状況に応じて使い分けるという体制になっている。千葉の戦いを分析したうえで、「サイドをいかに崩すか」と語る長谷川健太監督が、どのような選択をするのかに注目したい。
一方、千葉のほうはミラー監督が就任してから徐々にチーム状態が良くなり、一時は5連勝して14位まで浮上したが、その後の新潟戦以降は4試合勝利がなく(2分2敗)、再び17位(勝点35)に落ちてしまった。16位の東京Vとは勝点2差なので、この試合に敗れると、磐田と東京Vが勝てば降格が決定してしまうという崖っぷちに立っている。
とくに前節の横浜FM戦は、ホームで内容的にも不満の多い戦いをしてしまい、0-3で完敗。そこから、どうチームを立て直してくるかが注目される。また、絶対に勝点3を取らなければいけないゲームではあるが、リスクを冒して攻めに出るという姿勢が強すぎると、逆に清水のカウンターの餌食になる可能性もある。そのあたりをどう考え、どのようなゲームプランで日本平に臨んでくるかという部分も大きな見どころとなる。
もちろん清水としても、ホームで受け身のサッカーをすることはできない。「(千葉は)なりふり構わず勝ちに来るだろうし、時間帯によっては相当なリスクを追ってでも攻めて来ると思うので、まずは気持ちで圧倒されないようにすることが大事。アウェーの鹿島戦や浦和戦でも、こちらから仕掛けるべきところで仕掛けられたから勝てたと思うし、今度もアグレッシブにチャレンジしていきたい」とゲームを作る役目の兵働昭弘は語る。
お互いに目一杯ハードワークして、気持ちをぶつけ合う中、攻め時をどうとらえるかという冷静な駆け引きも見どころとなるゲーム。どちらのサポーターにとっても、さまざまな意味で絶対に見逃すことはできない一戦となるはずだ。
以上
2008.11.28 Reported by 前島芳雄
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