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【J2:第43節 福岡 vs 愛媛】レポート:相変わらずの課題を繰り返した福岡。アグレッシブに戦う愛媛の前に引き分けに終わる(08.11.24)

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11月23日(日) 2008 J2リーグ戦 第43節
福岡 2 - 2 愛媛 (16:03/レベスタ/13,267人)
得点者:24' 横山拓也(愛媛)、49' 大久保哲哉(福岡)、52' 田中佑昌(福岡)、76' 田中俊也(愛媛)
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「立ち上がりに愛媛が前から来るというのは分かっていた」(篠田善之監督・福岡)。そして選手の多くも同じ言葉を口にした。互いが置かれている立場を考えれば、負ける心配をするのではなく、勝ちにいく以外に選択肢のない試合。高い位置からのプレッシングと、人数をかけたアグレッシブな攻撃を持ち味とする愛媛に対し、受けて立っては後手を踏むのは必至。立ち上がりから積極的に前に出ることが必要だった。しかし、福岡から前に出る気持ちを感じることができなかった。

 試合の入り方が悪かったのは27日ぶりに公式戦を戦うという難しさが影響していた側面もあるだろう。しかし、立ち上がりの集中と緊張感に欠けて後手を踏むのは以前から続くチームの課題。それが依然として修正できていないことを物語る内容だった。
 ラスト3試合を勝って終わるというモチベーションは高かったはず。その初戦の重要性も、立ち上がりから仕掛けることも全員の共通理解だった。そして、いい雰囲気、いい環境の中で、いい準備を積み重ねた。しかし、それが試合につながらない。福岡はこれまでと同じことを、この試合でも繰り返した。

 そして、試合の主導権は当然のように愛媛が握る。福岡の動きが鈍いこともあって、攻守にわたってアグレッシブな姿勢が際立つ。守備の起点は前線で激しくボールを追う大木勉。パスコースを限定しておいて、中盤に入ってくるところを3人、4人で囲い込む。そして攻撃の起点も大木。シンプルに高い位置へボールを預けると、素早く押し上げてセカンドボールを拾い、後方から湧き出すように現れる選手がボールを追い越していく。2トップ、中盤の4人、さらにサイドバックが参加する人数をかけての攻撃は迫力満点。福岡はまったく的が絞れずに振り回されるばかりだ。
 愛媛の先制ゴールは24分、右サイドをドリブルで駆け上がった大木がスルーパス。最終ラインの裏へ飛び出した横山拓也が左足でゴールを捕らえた。その直後の25分には、田中佑昌が決定的なシュートを放って、福岡もようやく目を覚ましたかと思われたが、愛媛は主導権を渡さない。高い位置からのアグレッシブな守備、人数をかけた勇気ある攻撃、そして積極果敢に駆け上がるサイドバック。「前半は自分たちのサッカーができた」(望月一仁監督・愛媛)。愛媛はまったく文句のない戦い方で前半を終えた。

 福岡が目を覚ましたのは後半に入ってから。「後半の立ち上がりに相手の足が止まるというのは読んでいたので、そこで一気に行こうと指示を出した」(篠田監督)。その檄を受けて福岡が一気に仕掛けた。狙いは前がかりになる愛媛の戻りが遅くなって中盤に空くスペース。同点ゴールは、その狙い通りの形から生まれる。中央でボールを受けた大久保哲哉から右サイドへ展開。ドリブルで持ち上がった鈴木惇がファーサイドへ送ったクロスを、ゴール前に飛び込んできた大久保が押し込んだ。そして逆転ゴールは、その3分後。城後寿の強烈なロングシュートをGKが弾いたたところへ、田中佑昌が猛然と突っ込んで体ごとゴールに押し込んだ。

 しかし、福岡が攻める姿勢を見せたのは後半の立ち上がりの時間帯だけ。55分、丹羽大輝が得点機会阻止で一発レッドカードを受けると再び主導権は愛媛へ。福岡は布部陽功をセンターバックへ投入。鈴木を下げて田中佑昌を右サイドに回して愛媛の攻撃に備えたが、シーズン途中でチームを作り直さなければならなくなった福岡に10人で守り切れるだけの組織力はなかった。76分、愛媛・江後賢一がドリブルで中央突破を仕掛けると、福岡は誰も止められない。そして、ラストパスを受けた田中俊也が同点ゴールをゲット。試合は2−2のドローで終えた。

 内容からすれば愛媛のゲームだった。「勝ち試合を落としてしまった感じ」と言う望月監督(愛媛)の言葉に異論をはさむ者はいないだろう。前節の熊本戦では愛媛らしさを見せられずに敗れたが、2週間の準備期間を経て、見事に自分たちのサッカーを披露して見せた。惜しむらくは、一方的に攻め続けた前半を1点で終わってしまったこと。「1点をリードして、ゆっくり、ゆっくりというリズムになってしまった。その辺で、畳み掛けられるように持っていけたらなと思う。その辺が、まだまだ課題だということ」と望月監督は試合を振り返った。

 さて、この日前半終了時点で大きなブーイングが福岡の選手たちに浴びせられた。残り3試合に全てをかけて戦うというチームを信じ、チームとともに戦うためにスタジアムに足を運んだにもかかわらず、その気持ちを全く見せられない選手たちに対する抗議行動だった。来年のためでもない。将来のためでもない。目の前の試合で気持ちを見せられない者に、先があるほど勝負の世界は甘くない。福岡に求められているのは、いまのチームで、いま直面している戦いに勝利することだ。残り試合はあと2つ。福岡の存在を証明するためには、アグレッシブな姿勢を示すこと、そして勝利を得ること以外にない。


以上

2008.11.24 Reported by 中倉一志
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