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【J2:第43節 山形 vs 熊本】レポート:ついに昇格のプレッシャーに襲われた山形。熊本と1-1のドローで、2位以内確定は次節以降に持ち越しに。(08.11.23)

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11月23日(日) 2008 J2リーグ戦 第43節
山形 1 - 1 熊本 (13:04/NDスタ/13,018人)
得点者:64' 木島良輔(熊本)、88' 豊田陽平(山形)
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 ここまでの山形は、日頃の練習でも試合でも、それとはまったくと言っていいほど無縁に見えた。小林伸二監督の細かい指導をマスターしようと集中してさえいれば、それが入り込む隙はなかった。しかし、前日に仙台が引き分けに終わり、いよいよこの一戦で勝てば自動昇格の2位が確定するという段になり、それは突如として現れた。『昇格のプレッシャー』。

 歴史的瞬間を目撃しようと、NDスタには13,018人を超える観客が詰めかけていた。「観客のみなさんにも入ってもらってますし、応援もすごく力が入っていたし、そのなかで今日決めなきゃいけないという気持ちは強かったです」豊田陽平がチーム全員の気持ちを代弁する。ただその気持ちが、求められるプレーに直結しない。いつもと何かが違うなかで動き出した運命の試合は、しだいに熊本のペースとなっていく。

 熊本は、流動的な3トップに加え中盤から宮崎大志郎が飛び出し、宮崎が引けばそのスペースに山本翔平が、というふうに高い位置に人数をかけ、速い縦パスで攻撃の口火を切る。それに対し、「縦パスが入ったときにきちっとアプローチができずにブロックで守ってしまった。最終ラインは引くし、中盤は上がってくる。そこのギャップを自由に使われた」(小林監督)という山形は後手を踏む。前半16分、左から車智鎬が上げたクロスを、逆サイドから石川竜也の前に割って入った高橋泰が、ハイジャンプからヘディングシュートを放つ。その直後には、右サイドの一番高いところから市村篤司がマイナスに入れたグラウンダーを、中山悟志がヒールシュートでニアを突いた。

 山形も前半30分、石川竜也の長いクロスから豊田陽平が距離のあるヘッドで応戦。山なりにコントロールされたボールは、前に出ていたGK吉田智志の頭上を完全にかわしたものの、クロスバーに阻まれる。結局、山形の前半のシュートは、これと前半20分に宮本卓也がロングレンジから放った2本のみに終わったが、豊田と長谷川悠の足元での収まりがよくなかったことに加え、「縦に入れるロングボール、サイドからのクロス、そこで怖がらずに2トップを完全にしっかり競りに行け」との熊本・池谷友良監督の指示を熊本のディフェンス陣が忠実に守ったことが背景にあった。ハードマーカーの河端和哉を怪我で欠いていたが、5試合ぶりに先発した福王忠世が地上戦・空中戦問わず体を張った。

 0−0のままハーフタイムを越えると、何かから解き放たれたように山形が動き出す。前半にはあまり見られなかった大きな展開でペースをつかむと、熊本を相手陣内に押し込んだ。48分、左で起点をつくった長谷川からのパスを受け、バイタル中央で馬場憂太がシュートまで持ち込むと、53分にもオフサイドにはなったが、馬場からのパス1本で長谷川がヘディングシュートを放っている。しかし、熊本も「中盤でボールを回しながら裏を狙っていこう」という池谷監督の指示の浸透とともにシュートチャンスを増やす。54分には市村篤司のクロスから木島良輔、中山が立て続けのシュートで山形ゴールを脅かすと、62分にもシンプルにパスをつないいで最後は宮崎が完全に振り切ってシュートを放った。

 熊本が次第に息を吹き返すなかで生まれたのが、64分の先制点。山形コーナーキックのクリアから熊本がカウンター。山本のパスを受け前を向いた木島がトップスピードのままミドルレンジからシュート。低い弾道は、「単純に、自分のなかでは準備不足によるミスだと思っています。速いボールでブレ球だったので、目と体がついていかなかった」というGK清水健太の股下を通過し、そのままゴールマウスまで届いた。

 目の前の胴上げ阻止へ向け、大きく一歩前進した熊本だったが、その6分後、市村が2度目の警告で退場。中山を削って鈴木祐輔を投入して最終ラインを4枚そろえると、山形の猛攻が始まった。受けるプレッシャーが緩くなった石川が積極的にオーバーラップを仕掛けてクロスを発射し、セットプレーから石井やレオナルドが、あとは枠へ飛ばせば…というヘディングを合わせていく。実を結んだのは、ようやく88分。ボランチに上がっていた宮本の左クロスに、豊田が猛然と突っ込みダイビングヘッド。ついに1−1と振り出しに戻した。昇格への期待がスタジアムの温度を一気に上げたなか、山形の攻撃は続いたが、「真ん中に人が多い分、もっとサイドからボールを入れたかったんですけど、あまりそれがうまくいきませんでした」(長谷川)。ゴール前に人数をかける熊本から、ついに決勝ゴールを奪うことはなかった。

 仙台との勝点差は5と変わらず、残り試合数が3から2に減ったことで、山形の自動昇格(※)までの距離はほんの少しだが縮まったことになる。また、この1ポイント追加で、今季の3位以上も確定した。だが、期待を一身に集めたホームでチャンスを活かしきれず、自動昇格が次節以降に持ち越しになったことを「まだ大丈夫」と見過ごすわけにはいかない。「他力じゃなくて、確実に自分たちの手で勝点3を取ってクリアするということを覚えていかないと、(J1に上がっても)厳しいというふうには思っています」(小林監督)。

 これまでも目の前の課題をひとつずつクリアしてきたように、このプレッシャーを自らのパフォーマンスでうち消すことができたとき、チームはまたひとつ成長を遂げる。そのときこそ、晴れてJ1の扉を開けたい。

以上

※編集部注:正式な昇格決定はJリーグ理事会での承認後となります。

2008.11.24 Reported by 佐藤円
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