11月23日（日） 2008 J1リーグ戦 第32節
京都 2 - 3 名古屋　（13:04／西京極／18,355人）
得点者：0' マギヌン（名古屋）、25' マギヌン（名古屋）、56' 柳沢敦（京都）、67' 柳沢敦（京都）、89' ヨンセン（名古屋）
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結末はロスタイムのPK。名古屋をあと少しまで追い詰めるも、京都は最後の最後で勝点を取り逃がした。

注目の京都のフォーメーションは、シジクレイがセンターバックに入り、右に水本裕貴、左に手島和希の3バック。中盤には右に佐藤勇人、中央に安藤淳、左に角田誠という布陣。

試合は開始早々、ヨンセンに頭で狙われ名古屋に左CKを与えてしまう。このクロスがゴール前を抜けてワンバウンドで裏に。そこに頭を出したのがマギヌン。これを押し込まれて名古屋に早々にリードを奪われる。
前半5分には林が倒されて得FKから安藤がシュートを放つなど京都も反撃を見せる。その後は一進一退の試合展開、京都はボールを奪うもチャンスが遠く、対する名古屋も中盤でつなぐもフィニッシュが遠いという内容。

この状況を打開したのは名古屋。左サイド（京都側右）を抜け出た小川佳純が、中央からニアポストに駆け上がるマギヌンに送ると、マギヌンが左足を合わせて技ありシュートを決める。名古屋が点差を2点に広げた。

後半、京都は「点を取りに行く形で」（加藤久監督）と4バックにして（右から角田、増嶋、水本、渡邉）、シジクレイをその前に配置。手島に代えて中谷勇介を投入する。柳沢敦をやや下がり目に置いて攻撃の起点を作ると、両サイド（右・安藤、左・中谷）も積極的に攻撃できるようになる。
そして、状況を好転させた京都は反撃の狼煙を上げる。後半11分、左サイドのFKから、何度もエリア内に浮き球を上げ最後はシジクレイが粘ってこぼれたところをエリア内右にいた柳沢が決めて京都が1点差に詰め寄る。
これで浮足立った名古屋ディフェンスに対し、後半22分、ドリブル突破を仕掛けた林が倒されて京都はPKのチャンスを得る。キッカーは柳沢。柳沢、一度弾かれるも押し込んで京都を2-2の同点に導く。

京都はフェルナンジーニョ（70分・OUT林）を、名古屋は杉本恵太（73分・OUT中村直志）を投入し攻撃を活性化させる。

後半34分にＧＫ水谷雄一が杉本と接触し治療。さらに、42分にも中谷がＧＫ西村弘司と激しくぶつかりその治療を行い、結局7分というロスタイムが告げられる。
そして、そのロスタイム。京都はヘディングの競り合いでヨンセンを倒してしまいＰ．Ｋに。これをヨンセンに決められ、結局２−３で京都は名古屋に敗れた。

名古屋にとっては内容以上に、勝点３を得られたことに意味がある、ということだろう。
京都は試合後、挨拶に行ったスタンドから大きな拍手を受けていた。敗れはしたもののサポーターに勝利への執念を見せられたということだろう。

ただ、気になる数字がある。シュート数は名古屋9本に対し、京都は17本もあったのだ。しかし試合を振り返ると名古屋ＧＫ西村がセーブを見せたシーンはほとんど無かった。つまり、京都のシュートは、相手DFに当たったのも含め、ほとんど枠に飛んでいなかったということだ。
2得点の柳沢5本（前半1、後半4）を始め、渡邉、佐藤、角田は3本。安藤2本、林は1本。中盤からのシュートが多いということは攻め込んで、名古屋ディフェンスを下げさせてからのミドルシュートが多かったというのが分かる。これは京都の攻撃パターンのはずだ。林のシュートが少なかったのは林へのラストパスが相手にカットされていたことを容易に想像させる。さらに、前半、右サイドの攻撃でもクロスの精度や、ボールや人の動きによる崩しの工夫の少なさには課題が残ると思われる。

試合後、これらについての反省は皆無だった。前半早々の失点と同等に攻撃陣の精度の低さは責められるべきだ。判定やフォーメーションなどに敗因を求めるのは簡単だが、己の反省点から目を背けては更なる強さは望めないだろう。

善戦したが敗れた。絶対にこれを繰り返してはならない。「敗戦の理由」、厳しく見つめ直す必要があるはずだ。

以上

2008.11.23 Reported by 武田賢宗