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【J1:第32節 川崎F vs G大阪】レポート:要所をおさえた川崎Fが大量4得点で快勝。G大阪は流れを掴めず、リーグ戦3位以内の可能性が消滅する。(08.11.23)

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11月23日(日) 2008 J1リーグ戦 第32節
川崎F 4 - 0 G大阪 (13:05/等々力/21,714人)
得点者:43' 鄭大世(川崎F)、48' 谷口博之(川崎F)、53' ジュニーニョ(川崎F)、70' 井川祐輔(川崎F)
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 戦前にこの結果を予想するのは難しいものがあった。確かにG大阪は遠藤保仁と二川孝広という2枚の攻撃の柱を欠いていた。ただ、川崎Fも公式戦で2連敗中。天皇杯で広島に完敗するなど、流れは決して良くはなかった。カタールから帰還した代表3選手のコンディションも不確定要素の一つとなっており、お互いに気になる要素を内包した中、試合が始まる。

 そんな試合の立ち上がりを制したのは、ホームの川崎Fだった。右サイドに張り出したレナチーニョがドリブルで仕掛ける。相手がレナチーニョの対応に意識を集中させる中、森勇介がフォローアップして攻撃に厚みを持たせる。試合は川崎Fの右サイドを起点として進んで行った。

 サイドへの動きを制限されていたという鄭大世が、中央に陣取る中、その鄭を中心とした前線の4人の攻撃陣が細かいパスワークで局面を打開しゴールへと迫る。攻められる事を前提にしたG大阪の守備陣は、ペナルティエリア周辺で分厚い守備ブロックを作りこれに対抗。期を見た鋭いカウンターで川崎Fのゴールを脅かした。川崎Fの攻勢をしのいだ前半20分頃には、連続してシュートを枠に飛ばし川島永嗣を慌てさせている。

 サッカーの世界に普通にある風景。つまり攻めているチームが決めきれず、ワンチャンスをものにされる。ごくありふれたそんな風景は、ここ最近の川崎Fの典型的な試合展開でもあった。ところがこの試合は違っていた。押し込みながら先制点を許すという今季何度も繰り返してきた悪弊を絶ち切った川崎Fが勢いづく。この試合のポイントの一つとして、この前半20分ごろのG大阪の攻勢と、それを凌いだ川崎Fの守備陣の奮闘が上げられるだろう。

 試合が動いたのは、前半終了間際の43分のこと。「セットプレーが一番のチャンスだった」と振り返る鄭大世が、ヴィトールからのCKを高い打点のヘディングでねじ込む。「先制点が入ったのが大きい。そうなるとうちのサッカーができる」と語ったのは中村憲剛。その中村の言葉を証明するかのように、この先制点により川崎Fは自分たちの良さを全面に出せるようになる。

 試合後の会見で試合の感想を促された西野監督が「振り返りたくはないですね」と述べたくなる気持ちはよくわかる。G大阪はおさえるべき要所を何一つおさえることができなかった。この試合のポイントの二つ目として上げられるのが、前半終了間際の失点。そして後半開始直後の2失点である。「後半の立ち上がりの3分、8分(の失点)というのはもうあり得ない」と吐き捨てた指揮官の無念さは、アジアの頂点に立った事によるチャンピオンとしての義務感にもつながるものがあったのかもしれない。中心選手を欠く中、それでも勝点を拾える強さを身につけて欲しいという愛情の裏返しにも思えた。

「ゴールは人に当たって入った。ラッキーでした」と振り返る谷口博之の2点目は、シュートを打つという積極性がもたらしたもの。「森がいいボールを出してくれた。ボールに触るだけで良かった」と冷静に得点シーンを分析したジュニーニョの3点目も「状況的に無理に行くことはないと言われていたんですが、行けるときには行こうと思っていた」という森勇介の積極性がもたらしたもの。ダメ押しとなった井川祐輔に至っては、G大阪のCKのこぼれ球を拾い、スルーパスを出したその流れでゴール前に詰めていた積極性によって生まれていた。

「そのまま無失点で行けばいい」という守りの感情ではなく、「取れるときに畳みかける」という攻めの姿勢がそのまま結果としてつながったのが、この日の川崎Fの後半の得点であろう。試合を決定付けた三つ目のポイントは、川崎Fの積極性であった。中村が述べていた、自分達のサッカーを出し切った川崎Fにとって、結果としての4得点は必然的なものだったと言える。

 完敗のG大阪は、苦しい戦いの中にあっても攻撃の形を作り出していただけに、試合のポイントをおさえ切るしたたかさが欲しかったところ。そしてこの日の敗戦により、それをもたらせる選手としての遠藤、二川の存在の大きさを改めて見せつけられた形である。G大阪は、この敗戦によりリーグ戦3位以内の可能性が消滅。ACLチャンピオンとして来季の出場権を得るためには天皇杯を獲る以外の道が消えることとなった。

 対する川崎Fは、得失点差を4点プラスし、さらに勝点を3点積み上げて3位へと浮上。ただ、鹿島の圧倒的優位は揺るがない状況となっている。そうした中「今はあまり勝点を気にせずに、目の前の試合で勝点3を積み重ねていくしかない。(優勝するためには)ぼくらは負けるわけにはいかない」と口にした寺田周平の険しい表情が、リーグ優勝に対する難しさを物語っていた。リーグ戦は残り2試合。鹿島の結果に依存するしかない状態が続くが、歓喜の瞬間を信じて戦いは続いて行く。

以上

2008.11.23 Reported by 江藤高志
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