9月27日（土）J2 第38節 徳島 vs 愛媛（16:00KICK OFF/鳴門大塚）
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前節はビッグアーチに乗り込み、首位広島と戦った愛媛。底力と勢いに勝る広島に対して結果は１対４で完敗、目の前でＪ１復帰を決められてしまった。スタジアムには紫の紙テープが舞い、花火も打ち上げられ、祝福ムードに包まれた。そして、広島の選手とサポーターがいつまでもその余韻に浸る光景を横目に、愛媛の選手達は帰路へと向かうバスに乗り込んだ。誰もが悔しさを噛み締め、険しい表情を崩すことは無かったが、決して視線は落ちていなかった。
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「４失点は悔しいし、スタジアムに観にきてくれた人には申し訳なかった。しかし次に生かさなければならないし、次は勝ちたい」―ＧＫ川北裕介は徳島戦を前に、改めてこう語ってくれた。厳しい現実を突きつけられ、試合終了後にはうなだれていた選手達を励まし、鼓舞した愛媛のサポーター。その思いは選手達の背中を押し、決戦・四国ダービーへもう一度、足を踏み出す力になっていた。

「ダービーは気持ちが大事」―徳島戦を前にした愛媛の選手達が口にした言葉は偽らざるもの。ただ、選手達は気持ちを切り替え、ダービーに臨もうとするが、必ずしも気持ちはプレーと直結するものではないことも事実だ。「連戦になるとメンタルも含め、コンディションがいい選手、悪い選手が出てしまう」と望月一仁監督は指摘するが、３連戦の最後ともなればフレッシュな力も必要になってくる。徳島戦では累積警告により、ＦＷ内村圭宏が出場停止となることも合わせて「縦のラインを試すというか、状態を見ている」と続けた望月監督。紅白戦でＦＷ大木勉とＭＦ宮原裕司、ＤＦ星野真悟を起用。「徳島戦は前回点を取っているし、イメージは悪くない」と大木は語ってくれたが、コンディションの上がってきた経験豊富な選手達が、ダービーではひとつの鍵を握りそうだ。

さらに、宮原が復帰したことでメンバーが流動的になったのが中盤。紅白戦では青野大介、キムテヨンらと様々な組み合わせが試されたが、「広島戦では奪った時に前に運べず、出て行けなかった」と望月監督が挙げた改善点を修正できるか。前節の広島戦でＪ初ゴールを決めたＭＦ横谷繁やＦＷ田中俊也ら攻撃陣の調子は決して悪くないだけに、早くボールを前に運んで攻めることで、徳島にプレッシャーをかけたい。「広島戦では、点が入る時は前線に枚数をかけられている時だと改めて分かった」と田中は語ったが、その回数が増えれば増えるほど、愛媛は徳島のゴールへと近づくだろう。
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甲府、広島と昇格レースを争う強敵相手の連戦が続き、さらに３連戦の最後はライバル・徳島との大一番。愛媛の選手にとっては苦難の戦いが続くが、このダービーに勝って連敗を脱出すればサポーターにとっては最高のプレゼントになる。今季のダービー３連勝・完全制覇に大手をかけて臨む一戦であり、勝てばダービーで昨季から続く連勝は４に伸びる。ライバルに大きく水を空けることができる一戦だ。今シーズン、共に苦しみを分かちながら歩み続けたサポーターのために、そして自らのプライドのために。

『STRONG WILL　揺るぎない意志』を示す、戦いの時がきた。

以上

2008.09.26 Reported by 近藤義博