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【J2:第37節 山形 vs 鳥栖】レポート:エースの一撃!藤田のゴールで鳥栖が6試合ぶりの勝利!山形は2位をキープするも、9月を未勝利で終える。(08.09.24)

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9月23日(火) 2008 J2リーグ戦 第37節
山形 0 - 1 鳥栖 (16:04/NDスタ/6,838人)
得点者:28' 藤田祥史(鳥栖)
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 互いにシュートこそ打っていたが、キックオフからしばらくは、ともに攻撃力が相手の守備力を越えられない展開。ここ3試合は2分け1敗のホーム山形は、相手スローインを奪った後に右SB石井秀典がクロスを上げたり、秋葉勝の右クロスに豊田陽平がヘディングシュートを打ち込むシーンはあった。その後も、比較的プレッシャーの緩いボランチを起点にしながらサイドまでボールを運ぶが、そこからは鳥栖の粘り強い守備に阻まれ、中盤のセカンドボール奪取率でも徐々に差を付けられていた。ここ5試合で2分け3敗の鳥栖も、立ち上がりに廣瀬浩二のミドルシュートや、左SBに入った野崎陽介のロングシュートなど積極性は見られたが、藤田祥史が落として裏への意図は見えるものの点で合わせることができず、前線からボールを追う山形の守備にしだいに間延びし、2トップへ効果的なパスを送れずにいた。

 窮屈さを強いられた状態で、攻撃では互いにパスミス、トラップミスからボールを失うシーンが目立った。しかし、昇格レースの直接対決に相応しくない、拙攻合戦とも言えるここまでの展開に前半28分、突如としてピリオドが打たれた。山形のGK清水健太がスローで右サイドにボールを付けようとしたが、受け手の北村知隆との呼吸が合わず、しかもこの一瞬の隙を野崎が狙っていた。ハーフウェイラインを越えたところでボールをカットし、そのまま前へ進むと、山形はブロックをつくりコースを消しているようにも見えたが、そこから野崎は意表を突く右足アウトでのクロスを選択する。ラインを割った藤田がファーサイドから飛び込むと、トラップはほんの少し大きくなったものの間髪置かず左足を伸ばした。エース藤田の6試合ぶりのゴールで鳥栖が先制した。

 3試合連続で前半に先制を許し、劣勢となった山形だが、前節でC大阪を前半のうちに逆転していることから、特に慌てた様子も、バランスを崩すこともなかった。前半33分のフリーキックでは、宮沢克行の右からのボールに豊田陽平がヘディングを合わせる惜しい場面も作っている。しかしそれ以上に、先制点が鳥栖本来のプレーを引き出した。「セーフティやけど1個飛ばして狙おうというパスが多くなった」(廣瀬)との言葉通り、スペースへ出入りする距離が長くなり、攻撃にダイナミズムが加わった。船谷圭祐が高い位置でプレーすることでヘディング、ミドルとシュートを放ち、藤田もタイミングのいいくさびで、サイドへ、スルーで縦へとボールを操り始める。ロスタイムには廣瀬がドリブル突破から、オーバーラップしてきた鐡戸裕史が角度のない位置からシュートを放つ。惜しくもポストに跳ね返されたが、ホームで逆転負けを喫した前節の分まで息を吹き返したように、山形を押し込んだ。

 しかし、ハーフタイムを挟むと、山形も反撃の狼煙を上げる。後半2分には野崎をかわした北村のクロスから豊田がヘディングでゴールネットを揺らす。C大阪戦の同点ゴールの再現かと思われたが、しかしその直前のプレーでファウルがあったとしてゴールは認められず。後半4分にはFKから、今季初先発を果たした園田拓也が折り返し、足元に落ちたボールを豊田がシュートを放つもブロックされる。しかし、寒冷前線通過の影響で風と霧雨が顕著に鳴り出した後半15分過ぎから、徐々に鳥栖が盛り返す。後半18分には高速のくさびパスを廣瀬がシュートに持ち込み、サイドネットを揺らした後、山形は焦ったように縦に急ぐが、後半20分と28分、クロスからのシュートを長谷川悠が決めきれず。途中出場の馬場憂太がスペースへ的確なパスを出したり、やはり途中出場のリチェーリがシュートを放つシーンもあったが、ロスタイムのラストプレーとなったコーナーキックでも、園田がファーサイドで放ったシュートが枠を逸れるなど、最後まで1点を追いつくことなく終わった。

 「我々のチームはそんなにうまい選手はおらん」ということを前提に「魂を込めた試合をいつもやれ」と選手に要求する鳥栖・岸野靖之監督。 6試合ぶりに挙げたこの1勝で2位・山形との勝点差を4まで縮めたが、「僕らはまだまだなんにも得ていないし、これからとことんやるし、とことん粘るし、とことん戦う」と、改めて逆転昇格への意欲を示した。「確かにメンタルは大事」と認めながらも、「その高いレベルで行くという裏づけには、支える技術っていうのが要る」と、プレー精度を高めることでの打開を説くのは山形・小林伸二監督。すぐ後ろは1試合少ない仙台が勝点1にまで迫って来ている。さらに、次節は長谷川と秋葉が出場停止と、リーチ選手の多さも陰を落とし始めているが、「もう落ち込んでいることもできないし、今持っているものをいかに積極的に出していくかというところや、細かいところを意識しながらチャレンジしていくというのが、今から大事」と、総力戦でリーグ終盤に懸ける意気込みだ。

 この試合が終了したおよそ2時間後、昇格レースは広島がシーズンを2か月以上残してのイチ抜けで、残る切符は1.5枚となった。山への登り方は、ひとつだけではない。さまざまなルートから、それぞれのスタイルで上をめざしていく。僅差となった昇格レースは、今後さらに熾烈を極めることになるだろう。
起こり得ないはずのアクシデントも含めて乗り越えていくタフさを持ったチームだけが、勝ち残れる仕組みだ。不安も、焦りも、あきらめも蹴散らして、今こそ「信じる」のアクセルを踏み込め!

以上

2008.09.24 Reported by 佐藤円
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