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【J2:第37節 甲府 vs 岐阜】レポート:無失点で次節に希望を繋げた甲府。小瀬のムードを作ってくれるサポーターの力がピッチの選手を盛り上げた。(08.09.24)

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9月23日(火) 2008 J2リーグ戦 第37節
甲府 4 - 0 岐阜 (18:33/小瀬/10,821人)
得点者:9' 大西容平(甲府)、55' マラニョン(甲府)、58' 大西容平(甲府)、71' サーレス(甲府)
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今の甲府にとって、4得点よりも岐阜を無失点に抑えたことに大きな価値と希望を見出すことが出来る勝利だった。「今のウチは点が取れている(石原)」からこその勝利であるのだけれど、高さと強さで勝負できるディフェンスラインではない甲府。3トップの2枚の翼・マラニョンと大西容平がサイドをケアするディフェンスをやり続けたことで、3枚の中盤は数的不利にならない。そして、最終ラインは出所にプレスがかかったボールに対処できることが多くなり、お互いのカバーリングがより正確に出来、フィジカルの差で一発でやられる危険性が減ってくる。

愛媛戦では相手FWのシュートミスに助けられた場面もあったが、岐阜戦ではそういうシーンはなかった。山本英臣とCBでコンビを組んだ御厨貴文は「オミ(山本)さんが、FWがボールをしっかりキープして攻撃しているときは急いでラインを上げずに『抜け』と言ってくれた。これがサテライトの試合だと、どんなときでも全力で走ってラインを上げるけど、抜いても危なくない場面で抜くことで最後まで体力が持った。サテライトの戦い方と違うから『あれっ』って思ったけど、助かった。愛媛戦ではオレ自身がケアして欲しいくらいの状況で輪湖をケアしていたけど、今日は自分がボールを奪えずに潰れてもオミさんがカバーしてくれるから思い切って行けた。FWが点を取ってくれたから愛媛戦より精神的にも楽だったけど、3点、4点入ってからも気持ちが緩まなかったのは、謙作さん(阿部・GK)が締めてくれたから」と話す。秋本倫孝のように殆どのヘディングに勝って、バチバチはじき返すことが出来るCBではなかったけれど、前線からの守備に助けられて岐阜の片桐淳至、小島宏美のツートップに決定的な仕事をさせなかった。

結果は4−0だが、前半の立ち上がりから甲府が圧倒したわけではなく、少し甲府に主導権が傾いただけの状態だった。そこにサーレスの中央からのドリブルが起点となって、マラニョン→大西と繋がるゴールが生まれた。岐阜は攻めどころでワンタッチパスを使って裏を取ろうとしたが、甲府の組織は集中力を失うことがなかった。ただ1点をリードした甲府の攻撃は動きの少ない足元パスで停滞してしまったが、そのボールを岐阜が奪うことが出来なかったお陰で流れを失うことなく後半を迎えることが出来た。静かに始まった後半、甲府の追加点は再びサーレスのプレーが起点になった。相手DFを背負ってボールを受ける時に、なかなかファールを取ってもらえなかったが、2点目の場面ではDFを背負いながら足元でボールを止めるのではなく、反転して縦にドリブルしたことで岐阜の守備のバランスが崩れ、マラニョンのゴールに繋がった。

甲府に来た頃はパタパタと倒れてファールを貰おうとするプレースタイルだったサーレスだが、明らかなファールでも倒れることなくプレーを続けることを身に付けた。安間監督が粘り強く働きかけて成長を促した部分だ。州リーグとブラジル選手権(全国大会)が2大国内大会であるブラジル。甲府に来る前のサーレスは所属チームがブラジル選手権の出場権を逃がしたために、州リーグが終わった後はプレーできるチームがなかった。個人で自主トレを続けながらチャンスを待っていたサーレス。そこにやってきたチャンスが甲府への期限付移籍だった。自分の生活だけでなく、家族や親族の生活も背負っているサーレス(マラニョンも同じ)はこのチャンスを実らせるために必死なのだと思う。フロントスタッフは「給料は全部ブラジルの家族に送金していて、自分で使うのは勝利給だけだと思う」と話す。ちょっといい話だけれど、今のペースなら勝利給の大半を送金しても甲府のブラジル料理店(食材店)でもいい顔が出来るはずだ。

マラニョンの2点目で大きく湧いた小瀬。3分後にはアシスト大王・大西が甲府の得点王(マラニョンも6ゴール)に就任する今シーズン6ゴール目を豪快に決める。ゴールが決まるとアンツーカー脇で旗を振るヴァンフォーレクイーンたちも、旗を振る方向を合わせるのを忘れるほどの大騒ぎ。ジャンプしながら旗を振っている娘もいたくらい。71分のサーレスのゴールのときはマラニョンが岐阜のGK・日野優と交錯して痛んだので、大騒ぎは出来なかったけれど、この日の小瀬は最初から幸せな気分が溢れていた。選手バスが到着したときにサポーターが歌ってくれた曲を、選手がロッカールームでテーピングをしながら口ずさんだり、口笛を吹いたりしていた。それを見た安間監督は「小瀬は凄く雰囲気がいい」と感じ、力を貰った。

愛媛戦の涙で女性ファンのハートに食い込んだかもしれない輪湖は「小瀬は雰囲気があって凄くいい。『愛媛戦のように身体が動かなかったらどうしようか』と思って、デビュー戦のように超緊張したけど、始まると身体が軽くて大丈夫だと思った。でも、『小瀬だけ男』にはなりたくないから、アウェイ移動での過ごし方は気を使って考えていきたい」と話した。

次節のアウェイ湘南戦は甲府サポーターが平塚に大挙し、湘南に入場料収入でタップリ儲けてもらい、勝点3だけを持って帰りたい。

以上

2008.09.24 Reported by 松尾潤
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