本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第37節 水戸 vs 徳島】レポート:相手のミスを突いて勝利した水戸。しかし、観衆を魅了したのは徳島。17試合勝利ぶりの勝利は逃したが、大きな可能性を感じさせた。夜明けは近い。(08.09.23)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
9月23日(火) 2008 J2リーグ戦 第37節
水戸 2 - 0 徳島 (13:06/日立市/2,045人)
得点者:47' 菊岡拓朗(水戸)、68' 西野晃平(水戸)
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーJ -
20日(土) 〜28(日) はFIFA フェアプレーデー!

----------
水戸は試合には勝ったが、内容では完敗を喫した。この日、観衆を魅了したのは攻撃的姿勢を維持し続けた徳島のポゼッションサッカーであった。

序盤こそロングボールを蹴り込む水戸が徳島守備陣に圧力をかけ、攻勢を仕掛けたが、「そこで踏ん張れた」(美濃部直彦監督)徳島が徐々にペースを握りだす。その中心となったのが、倉貫一毅と米田兼一郎のダブルボランチだ。攻守においてハードワークを見せる2人が中盤を支配。丁寧なつなぎと大きな展開を織り交ぜながら、チャンスを作り出していった。33分には中盤でインターセプトをした米田から中央の倉貫へつなぎ、最後は石田祐樹がシュートを放つがGK本間幸司がセーブ。37分には左サイドを突破した片岡功二のクロスをソウザが頭で合わせたものの、シュートはゴール上。前半ロスタイムにも倉貫が放ったミドルシュートはGK本間の好セーブに遭い、ゴールは割れず。徳島が圧倒的に試合を支配しながらも前半は無得点で終える。

すると、前半まったくいいところのなかった水戸が後半から菊岡拓朗を投入して、流れを変えようと試みた。これが当たる。47分、水戸のロングボールに対して徳島・柴村直弥がクリアミス。それを拾った菊岡が豪快に右足を振り抜き、ゴールへ突き刺し、水戸が先制を果たした。これで一気に水戸に流れが傾くかと思われたが、その後もペースを握ったのは徳島であった。阿部祐大朗、玉乃淳といった攻撃的な選手をピッチに送り出すと、2人がDF裏のスペースを突き、再三水戸ゴールを脅かす。61分に倉貫のパスを受けた玉乃がミドルシュート、64分にも倉貫のスルーパスから抜け出した玉乃がシュートを放つが、決めきれず。すると再び徳島にミスが起きてしまう。68分、最終ラインから放った米田のクリアボールを荒田智之がブロック。ボールを奪った荒田のシュートはGKに阻まれるものの、こぼれ球にいち早く反応した西野晃平が落ち着いてシュートを決め、追加点。この日、攻撃の形を作れなかった水戸だが、徳島のミスを突いて2得点を挙げるしたたかさを見せ、勝利を引き寄せた。

さらに徳島の不運は続く。70分過ぎ、アンドレジーニョが負傷。すでに3人を交代していた徳島は選手を替えることができず、10人でプレーすることを余儀なくされてしまう。それでも最後まで攻める姿勢を貫いた徳島は81分に玉乃が決定的なチャンスを迎えるが、またも本間の好セーブに遭い、万事休す。徳島の猛攻をなんとかしのぎ抜いた水戸が勝ち点3を手に入れることとなった。

これで17試合勝利のない徳島。ボールを支配しながらも決めきれないという悪い循環から抜け出せずにいる。問題は「横のパスが多すぎて、縦のパスが入らない」(玉乃)ことだろう。ドゥンビアがいた頃は中盤のポゼッションとドゥンビアの速さをうまく融合させたサッカーを見せていたが、ドゥンビア移籍後は中盤のポゼッションばかりが目につくようになっている。途中から阿部や玉乃が見せたような飛び出しを前半から見せることが必要だ。

それでもこの日の徳島のサッカーは可能性を感じさせるものであった。水戸のプレッシャーがかかっても勇気を持って中盤でのつなぎを徹底し、特に最終ラインから中盤にパスを“つける”意識は水戸よりもはるかに高く、中盤で起点を作ることでサイド攻撃にも厚みができ、創造性豊かな攻撃を繰り出すことができていた。チャンスは作るが「決めきれる選手がいない」(美濃部監督)ことで勝利を手放しているが、このサッカーを続ければ、必ず扉は開くはず。結果が出ない今だからこそ、目指すサッカーを変えてはいけない。今が我慢のとき。目の前の勝ち点3よりもはるか大きなものを、今徳島はつかもうとしているだけに、サポーターにはこの改革を信じて後押ししてもらいたい。時間はもう少しかかるかもしれないが、明るい明日は絶対に来るはずだ。

そして、水戸。この日も中盤でのつなぎはなく、ロングボールに頼るサッカーをしてしまった。しかし、「悪いなかでも勝ち点3を取れたことは収穫」(菊岡)であることは間違いない。しっかりチャンスを決めきって勝つあたりに今季の水戸の力強さを感じざるを得なかった。とはいえ、「内容には納得していない」と平松大志が渋い表情を見せたように、内容では見るべきものがなかったことも事実。サイドバックの攻め上がりはほとんどなく、ボランチ2人はDFの前から離れず、常に自陣に6人が張り付いている状態であった。この及び腰なサッカーが今季の水戸の目指すサッカーではないことは言わずもがなであろう。

第3クールに入り、いまだに自分たちのサッカーを見せられていない水戸。「自分たちのサッカーを取り戻したい」と平松は厳かな口調で語り、「こういう試合をしていたらこれからは勝てない」と続けた。シーズンはすで終盤、ここまで積み上げてきたものは一体何なのかをもう一度見つめなおしたい。勝ちはしたものの、敗れた徳島から学ぶべきものは多いのではないだろうか。

以上

2008.09.23 Reported by 佐藤拓也
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/05(月) 10:00 【週末のゴールをイッキ見!】明治安田J2リーグ全ゴールまとめ【0803-0804】