9月23日(火)J2 第37節 甲府 vs 岐阜(18:30KICK OFF/小瀬)
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前節(第36節)、甲府より順位が上のチームで勝点3を取ったのは仙台だけだ。3位湘南の背中はまだ見えてこないが、気がつけば巨人が阪神に3連勝(連勝記録は10)して首位に並んでいる。甲府と金満・巨人を同列に挙げるのは違うのかもしれないが、連勝すればチャンスが大きくなることは証明してくれた。(1位・広島と2位・山形には勝ち続けて欲しいけれど)上位の潰し合いと躓きが最後まで続くかもしれない以上、連勝すれば甲府の希望も繋がる。
今節は前節仙台に敗れた岐阜をホーム・小瀬に迎える。「岐阜」の二文字を見ると思い出すのは開幕戦。「多分甲府が勝つだろう」なんて書いたものだからえらい目に遭った。思い返せば随分とJ2を甘く見ていたし、今は充分に悔やんでいるのだけれど、岐阜はアウェイでもすんなりとはいかなかった嫌な相手。鳥栖と同じだ。安間監督はミーティングで「岐阜は広島、C大阪に7失点、6失点しているけど、このイメージで向き合ったら駄目。連敗中だけど岐阜は主導権を取る時間を作っているし、その時間のプレーを見れば上手いし頑張るプレーが出来ている。岐阜の発想や攻撃力は尊重しないと駄目だ。セットプレーもロングスローを含めて精度は高い」と話した。頼られるFWの片桐、攻撃のツボを知るFW小島のコンビを90分間押さえ込むことは容易ではないし、サイドバックのケアでも手は抜けない。難しい戦いになることは覚悟している。
今節の甲府は前節同様に主力の何枚かが欠けるという条件で岐阜に挑むことになりそうだ。苦しんで勝利を手に入れた愛媛戦の修正を活かさないと勝点3は奪えない。安間監督は「愛媛戦は攻撃ではいい場面があったけど、守備に関してはよくなかった。早い段階でサイドが使えると良かったけど、この点を見直したい。また、(パスを)全部繋ごうとして持って行かれた。『悪い内容でも勝てばいい』という人がいるが、悪い内容のサッカーをしようと思っている訳じゃない」と言う。しかし、愛媛戦では疲れが出てきた後半に甲府らしさを失った。最初から甲府らしさを出せなかった訳ではないので、その点は安間監督も評価しているし、ディフェンスラインのスライドの動きが止まっていなかったことも評価できる。ただ、何人かの選手はトップの公式戦のスピードに慣れていないために、後半に疲れからしわ寄せが来てしまった。今節はそのしわ寄せを限りなく小さくしなければならない。
安間監督は「これまでやってきたことを、やり続ける『熱』が必要」と言う。これは相手が主導権を取る時間をゼロにすることは出来ないが、そのときに冷静に対応するよりも『熱』を持って対応する方が戦えるということだ。
その『熱』を代表するのが中盤なら石原克哉、ディフェンスラインなら山本英臣だ。愛媛戦で衝撃的だった輪湖直樹の涙に関わったように見えたのがそのひとりである山本。彼が言うには「(厳しく接したのは輪湖が)自分のマークに走られているのに人任せにすることが2回あった。18歳、19歳でプロの試合に出続けることは凄いと思う。自分がその年齢の頃はヌルくサッカーをしていた。だから今の自分になっている。でも、輪湖はこの部分に正面から向き合って戦えばもっとキャパシティの大きな選手になれる」と叱咤した理由を話した。輪湖は「オミさん(山本英臣)から厳しく言われたことで泣いたみたいなことになっているようだけど、そうじゃない。愛媛戦のパフォーマンスはこれまでのサッカー人生の中で最悪。競り合いで勝てなくて、クロスも上手くいかない、プレスも少しずつ遅れてしまい、ビビッたプレーをしてしまった。最悪なのはビビッたこと。消極的になってファイト出来なかった。試合には勝ったけど、オレ自身にとって負け試合。試合後、サポーターに挨拶に行くときに、勝ったことで安心した気持ちと不甲斐ない気持ちが混じったままチームメイトの笑顔を見て、『みんなに助けてもらった』と思うと涙が出てきただけ。オミさんとのことは関係ない涙」と気持ちを話してくれた。
輪湖にとってはハートが試される岐阜戦。
「相手がどうのこうのではなく、自分自身が積極的なプレーをするだけ」
勝つしかない戦いが続く中で、チャンスを掴んだ選手の成長が求められる。磐石ではない戦いになるが、安間監督が求める『熱』がチームにあれば勝点3をむしりとることは出来る。『熱』を持った選手がどんなプレーで表現してくれるのか熱く見つめたい。
以上
2008.09.22 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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