9月23日（火）J1 第26節 清水 vs 東京Ｖ（14:00KICK OFF/日本平）
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　神戸戦での劇的な勝利で待望の連勝を実現した清水にとっては、この勢いを本物にするためにも絶対に勝ちたいホームゲーム。2連敗中の東京Vを日本平に迎え、今季初の3連勝を目指す。

　清水にとって前節・神戸戦の勝利は、本当に大きな価値のある1勝だった。スコアレスドローでもやむなしの厳しい戦いの中で、アディショナルタイムに絶好調の岡崎慎司がストライカーとしての真価を発揮し、劇的な勝点3をゲット。これで戦績も9勝7分9敗の五分に戻し、順位も14位から9位にジャンプアップさせた。

　今季は勝負運にも恵まれず、なかなか連勝できないことがチームとして波に乗れない大きな原因となっていただけに、その意味でも大きな前進だった。今のところリーグ戦では今季2回目の2連勝。ナビスコカップ準決勝を含めれば公式戦3連勝中であり、今度の東京V戦でリーグ戦では今季初の3連勝を果たすことができれば、本当に「勢いに乗った」と言えるだろう。

　もちろん試合内容から見ても、さらに上を目指せるだけの状況が整っている。若手を中心とした攻撃陣の好調ぶりは皆さんご存知の通りだが、ここにきて守備のほうでも清水らしい安定感が出てきたのは大きい。8月から公式戦で8試合無失点のゲームがなかったが、神戸戦では最後まで集中を保ってゼロに抑えたことが、最後の最後で勝点3を得ることにつながった。その前の札幌戦でも、最後に1失点してしまったが、それ以外は札幌をほぼノーチャンスに抑え、シュートも90分で3本しか打たせなかった。

　ワールドカップ最終予選（バーレーン戦）を経験したキャプテンの高木和道は、マナマでの出場はなかったものの、1点の重要性についてさらに意識を高めており、「細かいところまで１人１人がよく考えながらやらないといけない」と細心の注意で試合に臨んでいる。本人も冷静にカバーリングするところと、思いきって前につぶしにいくところの使い分けがしっかりとできており、DFラインの統率ぶりにも自信が表われている。

　東京Vには、ディエゴや大黒将志などワンチャンスをゴールに結びつけられる選手もいるので、やはり危険な位置でのミスは禁物。セットプレーの守備も含めて、今回も90分間スキのない守りを見せられれば、無失点でゲームを終えることは可能なはずだ。自分たちが頑張って0に抑えれば、攻撃陣がかならず点を取ってくれるという信頼感を守備陣は持っている。

　その攻撃陣に関しては、山本真希とマルコス・パウロのケガが心配されるが、何とかプレーはできる状況のようだ。兵働昭弘を含めた3人の中で先発が決まってくるだろうが、誰が出ても十分に計算は立つ。また元々好調な岡崎は、精神的にもますます乗っているだろうし、枝村匠馬も決定力が高く、チャンスメイクでも頼りになる存在。ホームなので、神戸戦よりも両サイドバックが攻撃参加するシーンは増えてくるだろう。
　つまり、ゲームの主導権を握れるだけの体勢は整っている。その中で先制点を奪って有利に試合を進め、相手に焦りが出てきたところで追加点というパターンにぜひ持ちこみたいところだ。

　一方、東京Vのほうは、2試合連続で0-2で敗れており、さらに那須大亮が出場停止で、菅原智と富澤清太郎が負傷により出場が微妙という苦しい状況。特にダイヤ型の中盤の底を誰が務めるかという点で苦しくなっており、少し形を変えてくる可能性も含めて、中盤をどのように組んでくるかが注目される。
　ただ、15位の横浜FMが勝点1差に迫ってきたこともあり、ここで3連敗はできないという危機感は非常に強くなっている。内容うんぬんよりとにかく死にものぐるいで勝点を取りに来ることが予想されるので、そこは清水にとって何より警戒すべき部分だろう。

　状況としてはホームの清水が有利かもしれないが、どちらにとっても結果が非常に重要な一戦。開き直った東京Vの頑張りにひるむことなく、この試合でも何が何でも勝利をつかむということが、清水イレブンには求められる。

以上

2008.09.22 Reported by 前島芳雄