9月23日（火）J1 第26節 新潟 vs 神戸（14:00KICK OFF/東北電ス）
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新潟は勝点32で12位、神戸は勝点31で13位。どちらも下位グループからの脱出を図って勝点3を奪い合う。

　新潟のキーマンはボランチの本間勲。前節は累積警告で出場停止。本間を欠いたチームは攻撃のバリエーションを欠き、首位・名古屋に屈した。負けられないホーム戦、しかも神戸とはリーグ戦で7戦して4勝3引き分けと負けなし。相性のいい対戦で、戦線復帰した司令塔のゲームメークが勝敗を左右する。
　神戸も大久保嘉人が出場停止から復帰。攻撃の核が戻ったことで、チームも勢いづく。
コンディションは上々だ。名古屋戦翌日の21日、空路で早朝に新潟に戻った遠征組がクールダウンをする脇で、本間は若手とともに通常メニューで汗を流した。

　14日の第24節柏戦でJ通算100試合出場を達成。同時に今季4枚目のイエローカードで出場停止に。チームにとって苦しい結果になった名古屋遠征。本間はその間、神戸戦に向けてじっくりとコンディションを整えた。100試合出場のセレモニー後のキックオフで、1試合のブランクがプラスになったことを証明しなければならない。その準備を積んでいた。
「1点取られると、すぐに取り返そうと気持ちが入り過ぎて攻撃が空回りする。また、チャンスになっても積極的になれずヨコパスを多用してしまう」。第23節川崎F戦(1対4)の敗北を、本間はスタメンから外れてベンチで見ていた。そのときにチームを客観的に分析しての感想だった。

　この弱点は名古屋戦にも当てはまった。焦って簡単に中央にボールを入れてはカウンター遭い、ペナルティーエリア付近でパスは回すが、シュートに移れなかった。

　神戸戦、攻撃に移ったときの味方の動きを整理する役目が本間に課せられる。的確なパスでサイドハーフの飛び出し、FWの突破の起点になる。守備では下がらずに中盤でボールを奪う。そんな持ち味は、そのままチームが必要にしている部分だ。

　名古屋戦で本間に代わってボランチに入った新人の木暮郁哉は前半で途中交代。その木暮の後を継いだ寺川能人も後半途中でベンチに下がった。本間のゲームメークが改めて重要視されている。

今季は開幕時に故障し、第4節から第10節まで欠場した。不調でスタメンを外れた第23節川崎F戦、そして前節の名古屋戦と、今季は不運にもピッチから遠ざかる試合が多い。ただ、そのたびにチーム状況をきっちりと把握してきた。

故障から復帰した第11節から、第17節まで負けなし。川崎F戦で4連敗を喫した新潟は、本間がスタメンに戻った柏戦で連敗を止めた。「基本的に今季のうちのチームはまずしっかり守らないと。それも積極的にボールを取りにいくことを心がけなければ」。チームがやるべきことを把握してピッチに戻り、それを実践する。その姿勢に呼応して、攻守のリズムが生まれてきた。
　神戸戦もこれまでと同じ。失いかけた勢いを取り戻すための仕事が待っている。

　神戸は前節清水戦、終了間際に失点して0対1で敗れた。ここ5試合で2引き分け3敗と勝ち星がない。ただ、3敗すべてが1点差で、引き分けの2試合も1対1。粘り強い戦いが続いている。
　前節はエースの大久保を累積警告の出場停止で欠いてのもの。牽引役が戻ることで攻撃に厚みが加わる。持ち味の前線の流動的な攻撃は、新潟守備陣にとっては脅威になる。

過去の対戦成績では新潟が圧倒しているが、新潟の4勝のうち3勝が1点差。今季も神戸のホーム戦では1対1のドロー。どちらに転んでもおかしくない内容がほとんどだ。

　新潟は今季、先制点を奪った試合は9戦あり、全勝。神戸は10戦で6勝3分1敗と、どちらも高勝率だ。競り合った結果、先制点を奪った方が勝利に大きく近づく。

以上

2008.09.22 Reported by 斎藤慎一郎（ニューズ・ライン）