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【J2:第37節 広島 vs 愛媛】プレビュー:巨大な重圧をはねのけ、ホームのサポーターの目の前で広島がJ1復帰の悲願を成就できるか。(08.09.22)

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9月23日(火)J2 第37節 広島 vs 愛媛(18:00KICK OFF/広島ビ
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 広島が勝てば、J1復帰が内定する可能性を含んだ試合である。その条件は、以下のとおり。

 1.山形が鳥栖に敗れる
 2.湘南対仙台戦が引き分け
 3.山形が鳥栖と引き分け、湘南が勝利

 上記の1〜3いずれかと広島の勝利が重なった場合、広島の2位以内が確定し、J1復帰が内定する。9月中の昇格内定は、10年のJ2の歴史の中で2004年の川崎Fのみ。川崎Fの昇格内定が9月26日だから、愛媛戦での内定は「J2最速」とも言える(ただ、当時とは試合数もチーム数も違い、川崎Fの内定時には9試合も残していたこともあり、参考記録以上の意味はない)。
 しかし、ペトロヴィッチ監督は厳しい表情を崩さない。横浜FC戦後の記者会見で「我々は、J1復帰をほぼ手中にした」と語ったが、一方で「いつ決めるか、ということに興味はない。大切なのは、目の前の試合を闘うこと」と口にし、周囲の「昇格ムード」を牽制した。

 ペトロヴィッチ監督の言葉の裏には、横浜FC戦で見せた選手たちの「堅さ」への懸念がある。第32節福岡戦以降、4試合で19得点と圧倒的なパフォーマンスを見せつけてきた広島だったが、前節の彼らは違った。得意とする縦のポジションチェンジにもスムーズさを欠き、守備の連動性も薄かった。ボールを高い位置で奪えずに相手を自陣に引き込むシーンが増え、精度の低いロングボールで相手に主導権を渡してしまうことも少なくなかった。

 確かに、横浜FCのパフォーマンスは素晴らしかった。しかし、2位山形との闘いで見せた広島の躍動感がこの試合で失われていたことも、一方の事実。広島をずっと取材しているカメラマンは、ファインダー越しに見える選手の表情の堅さを指摘し、「いつもなら聞こえてくるポジティブな声が、この試合では失われていた」と証言する。複数の選手たちが言う「早くJ1復帰を決めたい」という想いが、ここまでは「勢い」へと変換されていた。しかし、目標達成目前の状況で、「堅さ」へとすり変わってきたのかもしれない。
 実は2004年の川崎Fも、似たようなことがあった。8月末、31試合終了時点で稼いだ勝点が80ポイント。2位京都に31ポイント差をつける圧倒的な独走状態だった川崎Fが、9月に入り、昇格カウントダウンが始まったとたん、おかしくなる。甲府と引き分け、「勝てば昇格」の大宮戦で0−3の完敗。2試合後、再び巡ってきた「勝てば昇格」のチャンスにも、山形に1−2で敗れている。

 確かに、大宮戦ではジュニーニョとアウグストの二人が出場停止、山形戦でも中村憲剛や伊藤宏樹がいなかったという事情もあった。しかし、川崎Fをよく知るジャーナリストは、「それはあまり関係ない。昇格を目前にして、選手・スタッフも含め、チーム全体が固くなったことが要因」と証言する。 
 2位山形と3位湘南が残り試合を全勝したとしても、勝ち点は83どまり。広島が残り8試合で勝ち点6を積み重ねれば、J1復帰どころか優勝も決まる。これこそ、現実的な数字である。

 しかし、現場にはそういう感覚は薄い。昨年のJ1・J2入れ替え戦での屈辱以来、選手たちは「ALL FOR J1」の言葉を胸に刻み、闘ってきた。首位を快走しているように見えるが、その裏側では様々な葛藤や苦闘があった。だからこそ、一日でも早くそのゴールに立ちたいという想いが募っている。それが焦りとなり、堅さへとつながっていくことを、ペトロヴィッチ監督は懸念している。

 まして、愛媛は広島にとって、簡単な相手ではない。過去2戦は結果こそ3−0・2−0だったが、愛媛の組織的な守備とサイド攻撃の前に、広島は苦戦していた。まして愛媛はここ2試合、湘南や甲府といった強豪相手に粘り強い闘いを繰り広げ、手応えを持って広島に乗り込んでくる。DF南祐三が出場停止だが、一方で金守智哉が出場停止明け。「目の前での昇格内定は許さない」という高いモチーベーションで広島に臨んでくることは必至だ。

 とはいえ、広島にとっての眼前の敵は、まず自分たち自身の心にある。あの川崎Fですらそうだったように、プレッシャーは感じて当然。しかし、この重圧を跳ね返せないようでは、J1での厳しい闘いは勝ち抜けない。

 「去年、降格の屈辱を味わったビッグアーチで、サポーターと共に昇格を決めたい」と佐藤寿人は言う。一方で「ホームで勝つことだけを考える。(J1復帰という)結果はその後のこと」と森崎和幸は語る。二人のリーダーの言葉は、クラブとサポーター、広島にかかわるすべての人々の想いと同じ。その想いを背負って闘うことの栄誉と恍惚を胸に、明日のビッグアーチ決戦に臨んでほしい。

以上

2008.09.22 Reported by 中野和也
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