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パチューカ市の中心から2キロほど離れると、道路の脇にはメキシコを連想させるようなサボテンがわさわさと自生し始めている。ちょうどこの辺りにクラブが誇る《ラテンアメリカで唯一》サッカー大学のキャンパスは広がる。ここには大学校舎はもちろん、クラブハウス、ARTと呼ばれる住居付きで完全管理の集中トレーニング施設、そして、8面のサッカーコートが並んでいる。
幾何学的な建築のクラブハウスに入ると、すぐにパチューカのメディア活動を一括するガラス張りのスタジオがあるのだが、取ってきたばかりの最新の出来事をテレビ、ラジオ、インターネット向けにスタッフが常に慌しく作業している。ここで編集された内容がダイレクトにラテンアメリカのFOX SPORTSの電波に乗っているし、ネット向けのコンテンツは日替わりで全世界に発信されている。
さらに歩を進めて目に飛び込むのはこれまで獲得したトロフィーの数々。11歳から存在する育成カテゴリーのものを合せるとかなりの数で、もうショーケースの中に収まりきらないのではないだろうか。
基本的に午前中がプロの練習時間帯でトップチームは専用コートを使っている。芝はカナダから輸入されたもので、日本のそれに比べるとやや深く感じるかもしれない。練習さえ終わればファンが自由に選手と写真を撮ったり、サインをもらったりしている光景は日常茶飯事というもの。
クラブハウスの真横にはサッカー大学の学び舎(教室)が点在している。中学校から併設しており、高校、大学、大学院修士課程が用意されている。大学の学科は基本的にスポーツ科学をベースにしているので、特徴としては卒業生の多くはスポーツ関連のクラブやプロモーションへと就職している。ちなみに学科は経営、コミュニケーション、マーケティング、心理学、体育学、整体学、栄養学とある。
ARTと呼ばれる完全管理体制の敷かれた住み込み大学施設には400人まで受け入れが可能。美容室、ランドリー、レストラン、コンビニと生活に必要なものは館内で揃ってしまうために外へ出る必要がないのだとか。
市の中心部、バスターミナルのそばにはパチューカのホームゲームを行うイダルゴスタジアムがある。かつて鉱山で掘り起こした土砂の丘を掘り返すようにして作られ、93年に完成した。選手用入り口の大きな門をくぐると、通路をはさんで向かって右側がビジター用のロッカールーム、左側はパチューカ専用となっている。試合前には付属のチャペルでミサが行われるのは、キリスト教の国メキシコならでは。通路はグラウンドに続いていて、そのトンネルの中にはパチューカの歴代の変遷が写真パネルから知ることができる。様々なメディアが取材手続きを済ませるためのプレス受付、そこでIDパスを受け取り、実際にグラウンドに出てみると、とにかく観客席が近い。サッカー専用スタジアムということもあるが、ピッチにあるのはサッカーコートの他に余計なスペースがないからだろう。ちなみにスタジアムの軽食で大人気なのは1個35ペソ(400円弱)のチョリパン(パンに豚肉ソーセージのチョリソーがはさまったアルゼンチン料理)だった。
ところで、パチューカのユニフォームやカジュアル服を扱うオフィシャルショップ「トゥソマニア」は市内で頻繁に見かけるが、それ以上のインパクトは「トゥソプラサ」と呼ばれるショッピングセンターがある。メキシコのどんなクラブを探しても、自前のモールを持っているのはパチューカだけだ。さらに、ホテル、レストラン経営、コンベンションセンター、スポーツクリニックといずれもクラブの名前を前面に押し出しながら多角的にして、まさに市に密着したプロジェクトを展開している。
Reported by 信藤大輔
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