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【FCWC特集】北中米代表パチューカの2大会連続出場の快挙の軌跡を追う!(08.09.22)

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2年連続、北中米代表の座を勝ち取ったパチューカ。過密日程と戦いながらも激戦を制し、2大会連続、北中米のクラブ王者に輝いたその激戦の系譜を紹介する。

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「夢は散った…。我がパチューカ史上で“最重要トーナメント”と位置づけしたクラブワールドカップ(FCWC)。それに向けた全ての調整、あらゆるメディア告知、特別仕様のユニフォーム、遠く離れた日本への長旅…。FCWC初戦、アフリカ代表のエトワール・サヘルを前に0対1で敗れたパチューカは、全てを無きものとしてしまった」
 
昨年のFCWCでは初戦を行うと、大会中に帰国の途につくという屈辱を味わったパチューカ。「ほぼ試合は支配していた。チームとして良いプレーは見せられたと思う。しかし、一方で精度の悪さも目立った。決定的チャンスに欠けたのが敗因だ(FW・クリスチャン・ヒメネス)」得点に至らぬまま、そう、まさに夢半ばにして敗れてしまった。

冒頭は『パチューカ初戦敗退』について同クラブオフィシャルHPからの抜粋だ。これだけでもクラブ関係者の落胆や悲しみが伝わってくる。しかし、この苦い経験を払拭するためにはREVANCHA(レバンチャ=雪辱)しかあるまい。それは、北中米カリブ代表として再び日本の地を踏むことであり、そもそものパチューカのサッカーで人々を魅せることを意味する。そして、早くもパチューカにはレバンチャを実現する機会が訪れた。というのも、国内での07年後期トーナメントを制覇した実績から、翌年のFCWC予選である北中米カリブ海(CONCACAF)チャンピオンズカップへ再び駒を進めることとなったからだ。

08年、今年は防衛王者の立場となったパチューカの初戦は3月11日、ホンジュラスのモタグア戦だった。パチューカにとってはモタグアに乗り込んでの第一戦。FCWCの初戦と似た布陣で臨んだパチューカは、やはりここでもボール支配で優った。しかし、カウンターを狙う相手の固い守りを割れず、初戦は0対0の引き分けで、地元へと折り返すこととなった。

3月19日、パチューカのホームとはいえ、モタグアは前戦同様に互角に渡り合った。前半、何度もパチューカゴールに襲い掛かるが、昨年の怪我から順調な回復を見せている大黒柱のGKミゲル・カレロの好セーブで得点は許さない。そして、前半43分、DFのパラグアイ人、フリオ・マンスールから渡ったボールを若手ルイス・モンテスが押し込んで1対0とした。後半は引き分け狙いで猛追を仕掛けるモタグアだったが、ここでもGKカレロがゴールを割らせない。結果的に1対0という微差ながら、パチューカは準決勝に進んだ。

準決勝の初戦は4月1日、地元のエスタディオ・ウラカンに米国DCユナイテッドを迎えた。静かな立ち上がりから、前半、パチューカが幾度か相手ゴールを脅かす攻撃を開始。しかし、得点が生まれたのは後半になってからだ。63分にモタグア戦の得点者“チャポ”モンテスが左サイドでパスを受け取ると、ドリブルで前進。センタリングかと思いきや、強めに蹴られたボールは枠をとらえてゴールネットに突き刺さった。そして、79分、再び左サイドのモンテスが突入を試みた。ペナルティエリア内で転ばされたが、主審はぎりぎり外でのファールと判断。これをFWヒメネスがフリーキックしたところ、それに合わして飛び込んだのがやはりモンテスだった。ヘッドで決めて2得点目を挙げ、このまま2対0でパチューカが勝利した。

4月8日のアウェイゲームは、76分にボランチのアルゼンチン人、ダミアン・アルバレスが先制点を決めるが、終了間際の85分と90分に、ユナイテッドがゴール前で素早くセンタリングして2得点を挙げた。1対2で敗れたが、総合得点で3対2としたパチューカが決勝進出を決めた。

 ファイナルの対戦相手は05年覇者、コスタリカのサプリサだ。どちらが勝っても2度目のFCWC出場を決めるホーム&アウェイが行なわれようとしていた。4月23日、コスタリカで行われた第一戦は、後半2分に、中央に切り込んだガブリエル・レイがアルバレスのアシストから1点目を挙げた。さらに、パチューカはボールを支配して猛攻を繰り返したが、終了間際の89分にゴール前でのボールのせめぎ合いから押し込まれると、1対1の引き分けとして、4月30日にパチューカで行われる第二戦へ折り返した。

どちらのチームにとってもこの試合の勝利が、優勝を決める大事な一戦。猛攻を仕掛けたのはパチューカ。そして、開始早々の4分に前線のガブリエル・レイから細かいつなぎを受けたクリスチャン・ヒメネスの右足から先制点が生み出された。サプリッサはカウンターアタックでゴールを狙うが、前半はパチューカの支配力が優った。

後半にかけて、コスタリカ側が前線に人数を集めてアタック開始。しかし、GKカレロが適時にボールの流れを読み、ゴールエリアを守る。パチューカのボールポゼッションが続く中、53分にマンスールが頭で中央に送ったボールをガブリエル・レイがヘッディング。これで2対0となった。試合はロスタイムに入り、ここでサプリッサのハイロ・アリエタが1点を返したが、同点に追いつくためには遅すぎた。結局トータルで3対2として、パチューカが2年連続、3度目のCONCACAF優勝を決めた。

ところで、国内リーグと平行してCONCACAFチャンピオンズ杯、時にはリベルタドーレス杯、北米スーパーリーグなどの国際大会に参加して、米大陸を隅々まで移動する過密日程は、メキシコの強豪クラブに共通の問題だ。今回、北中米カリブ海予選の一方で同時期に開催されていた国内前期リーグでパチューカは敗者復活戦まで残ったが、決勝トーナメント進出を逃した。しかしながら、今回の2年連続CONCACAF制覇は、年々激化する同地域における快挙と言いたい。それと国内後期リーグを前に何人かの主力が他クラブへ移籍したことで、実際のところクラブ自体は変遷の真っ只中だが、主将のゴールキーパー、ミゲル・カレロの復調や今大会の準決勝で注目を集めたモンテスを初め、フランシスコ“グリンゴ”トーレスやエディ・ブランビーラといったユース出身選手たちの目覚しい活躍に期待をせずにはいられない。そして、昨年の出場経験は、今年のFCWCに参加する他クラブからすでに一歩リードしている強みと捉えたい。多くの可能性と共にパチューカはレバンチャに向かおうとしている。

Reported by 信藤大輔

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