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【J1:第24節 F東京 vs 大宮】レポート:状況判断がもたらした一勝。大宮のゾーンディフェンスを破る3得点でF東京が連勝を飾る。(08.09.14)

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9月13日(土) 2008 J1リーグ戦 第24節
F東京 3 - 1 大宮 (18:00/味スタ/20,398人)
得点者:13' ラフリッチ(大宮)、64' 赤嶺真吾(F東京)、72' 大竹洋平(F東京)、89' 赤嶺真吾(F東京)
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F東京が味の素スタジアムで大宮と対戦し、チームJ1通算400ゴールとなるメモリアル弾を含むFW赤嶺真吾の2ゴールなどで3-1の逆転勝利を飾った。ホーム・味の素スタジアムでは5月25日ナビスコカップ東京V戦以来となる白星。F東京は6位へと順位を上げ、大宮は暫定で10位まで順位を落とした。

F東京が準備したゲームプランのキーワードは“幅”だった。大宮が敷くゾーンディフェンスには、ボールサイドとは逆サイドのサイドバックが中に絞るという盲点があった。F東京はピッチの幅を使い、そのスペースに斜めのボールを入れる練習を繰り返し行ってきた。だが、試合が始まってみると、大宮はサイドバックをワイドに保ちスペースを消してきた。予期せぬ展開に輪をかけて16分にサイドを破られ、大宮FWラフリッチに先制点を許してしまう。F東京は1点ビハインドのまま前半を折り返してしまう。

「サイドに張ったカボレを使えない状況になれば、中が使えると思っていた。その代わり、前半は点を取られてあせってしまいカボレが中に入ってきてしまった。それをもう一度、修正した。そうじゃねぇだろって。もう一度、やり続ければ必ず勝利は見えてくる。ハーフタイムには、そう選手に伝えてピッチに送り出しました」(城福監督)。

大宮がワイドに構えたのは、F東京にとっては好都合だった。幅を使った攻撃の意図は、大宮の選手間の距離を広げることにある。そこで生まれるスペースを使ってパスを繋ぐ自分たちのサッカーへと切り替えることが本来の目的だった。後半は、チームのキープレイヤーであるMF梶山陽平にボールが収まりゲームを支配した。そして、「サイドが広がっているから羽生の交代に迷いは生じなかった」と、城福監督。勝利への伏線が整ったところで大竹洋平がピッチへと送り込まれる。

すると64分、MF石川直宏の右CKからFW赤嶺が頭で合わせて同点に。さらに72分、ペナルティアークのやや左の位置で直接FKの好機を奪う。ここでボールをセットしたのは代わって入った大竹だった。隣に立つ石川が大竹にささやく。
「洋平がけれよ。思い切りいけ」
大竹はその一言で迷いを振り切り、軸足を深く踏み込むいつものフォームでボールを蹴りこんだ。左足から放たれたボールは、ファーサイドへと弧を描きながら流れ落ちてゴールネットを揺らした。大竹のリーグ第7節対川崎F戦以来となる復活弾で逆転し、さらに89分には赤嶺が石川のクロスに合わせてダメ押し。3-1で難敵・大宮を退けた。

大宮は、いつものパスサッカーが陰を潜めてしまった。小林慶行、藤本主税を欠いたことも要因だが、攻守の切り替えの遅さも目立ってしまった。デニス・マルケスがけがから復帰し、サイドからラフリッチが得点を挙げるなど、上昇への準備は整いつつある。
「今日は自分たちのよさを結局最後まで出し切ることができなくて非常に悔しい思いと、まだまだ残り10試合でチームとしてやらなきゃいけないことが山ほどあるかなという思いでいます。一試合ずつ大事に戦いながらチームが成長できるように頑張っていきたい」(樋口監督)
セットプレーでの守備など、一つずつ課題を克服していけば、上位は必ず見えてくる。それだけの好感が持てるスタイルと、チーム戦術を備えたチームだった。

F東京は、城福監督が求めてきた「Depend On Situation(状況次第で)」戦い方を見極め、勝利を飾ったことが何よりこの1勝に付加価値を与える。「今までダメを押せなかった。最後は、逃げ切るんじゃなくてダメを押せるチームにならないと。そういう意味ではシンゴ(赤嶺)の中での迫力だとか、両サイドのタツヤ(鈴木)やナオ(石川)が積極的にボールを運んでいくアグレッシヴな攻撃の選択も大事だと感じている」と、城福監督。3得点目のシーンでは、両拳を突き上げる歓喜のポーズにジャンプのおまけまでついた。それほどまでに、3得点目を奪った意味は大きい。
「自分たちがやろうとしているサッカーで点が取れるんだということを再認識する意味でも大きな勝利だと思う。大宮は相変わらずポゼッションがうまかったけど、中をしっかり切って遅らせれば、後ろも集中していたので何とか対応することができた。守備も含めて自信を深めた一勝だと思う」(城福監督)。

残り10試合となったJリーグはここから本当の戦いが始まる。どれだけチームを進化させることができるのか。城福トーキョーの歩みは、まだまだ止まらない。

以上

2008.09.14 Reported by 馬場康平
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