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【J2:第35節 熊本 vs 仙台】レポート:仙台が後半の4得点で快勝し、昇格戦線に踏み止まる。ホームの熊本は、集中を欠いた失点を重ね屈辱の3連敗。(08.09.14)

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9月13日(土) 2008 J2リーグ戦 第35節
熊本 0 - 4 仙台 (18:03/熊本/3,106人)
得点者:46' ナジソン(仙台)、58' 平瀬智行(仙台)、61' 平瀬智行(仙台)、76' 斉藤大介(仙台)
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今シーズンの記録を見てみたら、ホームチームが4点差以上で敗れた試合は7節の福岡(対岐阜)と16節の徳島(対鳥栖)と岐阜(対C大阪)、23節の甲府(対湘南)、そしてこの試合だった。仙台のサポーターが前節ユアスタで掲げた「プロ=結果」という横断幕は、福岡に快勝して役目が済んだのかもしれなかったが、今節は熊本に貸して欲しかった。37節の横浜FC 戦(今月23日)で「くまもとサッカーフェスタ」と題した1万人の観客動員プロジェクトが予定されているが、試合後に木島良輔が「お客さんにたくさん来て欲しいって言っても、結果を出さないとどうにもならない」と話していたように、もし1万人入ったとして、こんな試合を見せては逆効果かもしれない。

だが90分を通してずっと悪かったかと言うと、そうでもない。「今日は、気持ちも入っていたと思う」と池谷友良監督も話していたように、出場停止から戻って来たMF山本翔平は、休んだ2試合分も込みで走っていたし、久しぶりにサイドハーフの位置で出場した車智鎬は、J2得点ランク2位に並ぶチームメイトのストライカーを上回る4本のシュートを放つ積極性を見せた。CBの河端和哉と上村健一の金髪コンビも前半はハイボールをよく跳ね返し、身体を張ったシュートブロックで、17試合ぶりにゴールマウスに立った若いGK吉田智志を勇気づけていた。

ただ、1週間の練習で意識してきたはずのプレスの連動と連続は今ひとつ。熊本の中盤は山本と吉井孝輔が高めのポジションをとって千葉直樹と斉藤大介のボランチにプレスをかけるため、サイドハーフの梁勇基と関口訓充に対してサイドバックの矢野大輔と市村篤司でケアしたかったのだが、ナジソンと平瀬智行の2トップも元気に動いて外に流れたり、仙台のサイドが中へ入ることでできたスペースに田村直也と菅井直樹がオーバーラップして来たりで、頻繁にポジションチェンジを繰り返す梁と関口を中途半端に浮かせていたことで、双方のロングボールのこぼれ球は殆ど仙台の中盤に拾われていた。それでも、試合前から降り始めた雨の影響でピッチが多少滑ることもあってか、前節の水戸と同じように、仙台もシュートが枠をとらえないなど、熊本を助けてくれていたのだった。

後半に入ると、まるでキックオフのやり直しかと思わせるような早い時間に失点。右に開いた関口に千葉からのボールが渡ったところで、左サイドバックの矢野は「早く動きすぎて」タテに反応し、クロスを入れるコースを作ってしまった。右足から放たれたボールは、GKの吉田が飛び出して右手を伸ばしたが触れず、ドンピシャで入って来たナジソンの頭を経由してゴールへ。

これでもまだ集中は切れていなかった。しかし仙台は、先制したことで落ち着きを取り戻し、やや引いてブロックを作ったところからのカウンターを狙う。そして12分後、またも関口にクロスを許し、平瀬に決められて2点めを献上すると、3分後にはナジソンが粘って送ったところに詰めた平瀬、そしてさらに15分後に平瀬のクロスから斉藤に決められた。

リードされている以上は点を獲りに行く姿勢は必要だし、実際にショートパスをつないだ形や3人目が絡んでのチャンスも作ったが、ボールを奪われたあとでディフェンスに戻れないようなシーンを作るほどバランスを崩して、警戒していたはずのカウンターを食らうのは、危機管理ができていないと言わざるを得ない。安易にクロスを入れさせ、DFの間に入ってくる選手に撃たせるという失点シーンも、過去に何度も見たような形。GK吉田の判断ミスもなかったとは言えないが、メンバー構成が替わる中で同じような失点を繰り返すのは、チームとしての問題。完璧に崩されての失点ならまだ仕方ないが、あまりに簡単なやられ方だから余計に悔しい。この気持ちは、スタンドで見ている側よりも選手達の方が大きいはずなのだ。

仙台は前節に続いての完封で2連勝となり、暫定ながら勝点で3位湘南に並んだ。「尻に火がついた状況で、こうやって得点を重ねるチームがたくましく見える。これを続けていきたい」と手倉森監督。キャプテンの梁も「よそのチームを気にしている暇はないので、次の試合に向けて、いいコンディションで臨めるようにやるだけ」と話し、残り10試合にかける。

一方の熊本の順位は変わらないが、3引き分けの後の3連敗は、後退に等しい。ここまで積み上げたものが無になるわけではないが、できることはできるうちにやっておかないと取り返しがつかない。5年計画の1年めも残り9試合、悔いを残して終えないために必要なことは何か、もう一度見直すべきだろう。次節は今年最後の九州ダービー。ベアスタに訪れるであろう2万人の観客に、今日のような大盤振る舞いをして喜ばせるほどの余裕はない。

以上

2008.09.14 Reported by 井芹貴志
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