9月13日（土）J1 第24節 横浜FM vs 神戸（16:00KICK OFF/日産ス）
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　８月の横浜Ｆ・マリノスは、まるで今夏の天気のように移り変わりが激しかった。
　２０節のガンバ大阪戦で勝ったかと思えば、２１節の清水エスパルス戦でドロー。続く２２節のコンサドーレ札幌戦では完封勝利を飾るも、前節は大宮アルデージャのカウンター一発に泣き、０−１の黒星。現在１５位で降格圏からは脱したが、まだ試合ごとに調子の波がある。
　対する１２位・神戸もここ３試合、２敗１分と元気がない。しかし、２敗した相手は、上位の名古屋グランパスと鹿島アントラーズ。ともに１−２で競り負けたが、善戦しており、持ち前の堅守速攻のスタイルにブレはない。また大久保嘉人が２２、２３節と２試合連続ゴールを決めているのもプラス材料だ。

　横浜FMは、前回の神戸戦で０−１の敗北を喫した（７月１６日 /jsgoal_archive/result/2008/0716/20080100010320080716_detail.html ）。また、昨季はホームでの１−４の大敗を含む１敗１分と神戸に分が悪い。
　ただ、それはあくまでも過去の話。今年７月１６日の両チームの対戦は、木村浩吉監督が就任２日後にいきなり指揮を執ったゲームであり、当時のチームと今のチームでは、メンバー、サッカーの質ともに違う。あれから約２か月。時間の経過とともに、チームの成熟度は増した。特に１トップ、２シャドーのＦＷに両サイドが絡む攻撃は、いい時にはダイレクトパスも見られ、連動性が高まっている。
　また、９月初旬の御殿場合宿では、守備戦術とビルドアップの練習などに着手。さらに、ユース所属ながら合宿に参加していた齋藤学が、「みんなと一緒に寝泊りできたのはよかった」と言っていたのをはじめ、選手同士のコミュニケーションも一層よくなっている。
　
　横浜FMの何人かの選手に、神戸の印象を聞くと、ほぼ同じ答えが返ってきた。それは「大久保とレアンドロが２人で点を取りに行き、守りは堅い」というもの。前回の対戦の際には、大久保に５本、レアンドロに４本のシュートを打たれている。前を向くと２人とも強さを発揮するので、前を向かせないハードな守備が求められる。一方、オフェンスでは、前節の相手の大宮同様、ゾーンディフェンスがベースの神戸ＤＦをどう攻略するかがポイント。　
　大宮戦の前半、横浜FMは、ゾーンの網に掛かるのを恐れて足元へのパスが多くなり、拙攻が目立った。それが後半に入り、途中出場のロペスの強引なドリブル突破をきっかけに好機が増える。ゾーンの網を破るには多少の強引さも必要。そこはエースである山瀬功治に積極的な姿勢を見せてほしい。
　
　片や神戸は、２試合出場停止だった韓国代表ＭＦ・金南一が今節から出場できる。しかし、彼は、１０日のＷ杯最終予選の北朝鮮戦を終えて１１日に合流するため、コンディション作りが難しく、松田浩監督も頭が痛いところ。
　もし彼が使えないようだと、横浜FM相手に中盤を掌握される時間帯が増えてくる。そこでチーム全体が集中力を持続させて守れるかが重要だ。攻撃に関しては、ボッティがキーマン。彼が速攻から相手ＤＦの急所を突くパスを通せれば、前節の大宮のように、横浜FMをカウンター一発で仕留められるかもしれない。

以上

2008.09.12 Reported by 小林智明（インサイド）