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【J2:第34節 仙台 vs 福岡】レポート:開始直後のゴールで機先を制した仙台が、最後まで貫いた攻撃マインドのまま、3得点での完封勝ち。(08.09.08)

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9月7日(日) 2008 J2リーグ戦 第34節
仙台 3 - 0 福岡 (19:04/ユアスタ/10,423人)
得点者:4' 梁勇基(仙台)、19' ナジソン(仙台)、89' 千葉直樹(仙台)
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 この試合、開始4分で仙台に先制点がもたらされるのだが、このゴールによって戦いぶりに影響を与えられたのは、どちらかといえば福岡の方だっただろう。

 前節、ホームでの九州ダービー鳥栖戦において、追いつかれて引き分けという結果に終わったものの、城後の2ゴールで一時は逆転するなど内容は決して悪くなく、しかも今節に向けた1週間、充実したトレーニングをこなせたという福岡。これまで以上に勝利への意気込みは高かっただろうし、実際にダブルボランチおける城後寿の相方を、バランスをとれる布部陽功から、今節は攻撃でより個性を出せる山形辰徳に入れ替えてくるなど、そこには勝点3のみを狙いにいく明確な意図が見えた。

 ところが、こうした福岡のゲームプランを、仙台は立ち上がりからの素晴らしい攻めで打ち砕く。4分、右サイドのスローインからダイレクトでリズム良くパスをつないだ仙台は、菅井直樹からのスルーパスを受けて縦に抜け出した関口訓充が低い弾道のセンタリング。ニアポスト付近に詰めていた斉藤大介がスルーする形となったボールに対して、逆サイドから梁勇基が最高のタイミングで飛び込んできた。ここ数節、決定機を続けてものにできずにいた梁だが、今回の完璧なお膳立ては無駄にすることなく、冷静にゴール左スミに流し込んで先制点を得る。福岡からしてみれば、中央のボランチコンビの対応が遅れての失点だったこと、さらに試合前に入っていた気合をそがれるような失点だったことも含めて、尾を引く早い時間での失点だった。

 とはいえ仙台にとってこの1点は、福岡の落胆分をそのまま喜びとして還元できる類のものでなかった。前々節の徳島戦でも、開始9分という早い時間に先制点を奪いながらその後が続かず、そうこうしているうちに試合終盤に同点ゴールを許すという最悪の展開で勝ちを逃しているだけに、1点では足りないという自覚がチームにはある(実際に、先制点を決めた梁は、表情も態度も決してオーバーに喜びを表すことなく、厳しい表情で自陣に戻っていった)。

 その意気込みが、勝ち無しの頃のような変な気負いでなく、この日の仙台には良い方向に働いていた。先ほどの梁のゴールのような2列目からの飛び込み、さらには周囲のパス回しと連動する形で機能した、斉藤のような3列目の選手の追い越しなど、今日の仙台は明らかに攻めの出足が違う。そして19分、右からのCKをナジソンが頭で合わせて待望の追加点。胸のエンブレムをわしづかみにしながら、歓喜を爆発させて手倉森誠監督の胸に飛び込んできたナジソンの姿に、スタジアムの中にいた仙台の側の人間は決意したことだろう。今度こそ、このまま勝利で終えないといけないということを。

 その後、右の久藤清一が中へ絞り、空いた右サイドに中村北斗が飛び込んできたことを皮切りに、ようやく福岡も逆襲を開始する。しかし仙台は、斉藤と千葉直樹のダブルボランチが高い位置で踏みとどまったこともあり、ペナルティーエリア内での決定機だけは作らせなかった。流れてとしては30分過ぎ辺りから、明らかに仙台は守勢となったのだが、枠の方面にシュートが飛んできたのは遠巻きから狙われたものを含めても数は少なく、前半終了間際に中島崇典からのサイドチェンジを受けて、エリア内右から放たれた中村のシュートも、林卓人のパンチングと斉藤のクリアで仙台は凌いだ。

 後半、仙台はより苦しい戦いを強いられた。タレイ、ハーフナー マイク、そして城後と、この日機能できなかった選手に代えてピッチに投入された選手はすべて攻撃系であったように、前にかかりはじめた福岡。それに対して仙台は、とどめを刺すべく田中康平を投入する。しかし田中は簡単にボールを失い福岡の攻めを逆に呼び込んでしまうなど思うように力を発揮できず、ひたすら耐える時間が続く。だが中村に単独のドリブル突破からゴール至近まで侵入を許した74分の大ピンチも、岡山の小さくなってしまったクリアの落ち際をボレーで放った田中佑昌の枠を突いた一発も、林のファインセーブや守備陣の食らいつきで何とか回避できた。

 仙台のチームにとって8試合ぶり、ホーム限定で言えば6月11日横浜FC戦以来、約3ヶ月ぶりの歓喜が近づくユアスタ。最後にもう一発祝砲が。後半ロスタイム、CKを得ていた仙台は、時間稼ぎに入ると見せかけてゴール正面の梁へ鋭いボールを入れる。梁がためてから後方に落としたボールを、走り込んだ千葉が振り抜く。DFに当りコースが変わって、GK吉田宗弘に触れた後、低い弾道の強烈なシュートはマウスへ。久しぶりにボランチに返り咲き、獅子奮迅の守備を見せていた千葉にとってもご褒美といえるような一発が、仙台にとっての美しい一日を締めくくった。

 いや、これは千葉だけへのご褒美ではない。リードを許した福岡だけでなく、リードした仙台も、この日は交代枠をすべて攻撃のために使った。自ら投入した選手を交代させるという見ようによっては非情な采配(本人にとっても、指導者人生の中で初の出来事だったそうだ)も含めて、仙台は攻撃マインドを90分間貫き、そして勝利した。

 内容も含めて、何かが変わりそうな勝利。となると次節がより重要になる。相手は今季2戦してまだ勝つことができていない熊本だ。

以上
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