9月7日（日）J2 第34節 草津 vs 山形（18:00KICK OFF/正田スタ）
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残り試合数、勝点差を考えると、今節・山形戦は草津にとって極めて重要な意味を持つ。
７位草津と２位山形との勝点差は１１。勝てば勝点差８へと縮めることができるが、負ければ１４へと広がる。植木監督は「８点差であれば可能性が残るが、１４点差は５勝に相当するため現実的には厳しい」と苦しい胸中を語る。草津は、４、５日の練習を開幕戦以来の完全非公開として情報を封印。２位山形との一戦に今シーズンのすべてを懸ける。

　独走する広島以外は混戦が続いていたＪ２だが、ここに来て上位がバラつき始めた。広島に次いで２位を走る山形は、前節横浜ＦＣ相手に快勝し第２集団を抜け出す構えだ。一方、前々節・岐阜に勝利を収めて３位が視野に入ってきた草津だが、湘南に敗れたことで一転して瀬戸際に追い詰められた。上位グループから一度脱落すれば、再び追いつくことは困難だ。草津は、まさに踏ん張りどころとなる。

　草津は前節湘南に大敗したが、結果以上に決定力に不安を残した。そこには、左目網膜はく離で戦線離脱したエース高田の存在の大きさが浮き彫りになっていた。「上位相手でも仕事ができる選手がいないことはチームにとって痛い」（植木監督）。前節の他カードを振り返ると、広島、山形、湘南、Ｃ大阪、甲府が主軸の活躍により、３点以上を奪って勝利を収めている。ここからは、エースの仕事が成績に直結する。草津は、新エースの出現が待たれる。

　さらに、高田不在を痛感したのは、セットプレーだ。草津のＣＫでは、高田が周囲の選手へサインを送り、ゴール前への動きを指示していた。無得点に終わった前節湘南戦、草津は７本のＣＫを獲得したが、高田の役割を果たす選手はなく、チームとしての形はみえなかった。その結果、草津は「個」でゴール前へと飛び込んでいった。高田不在は、セットプレーだけでなくプレスにも影響していた。高田という前線のリーダーを失った今、草津は選手一人ひとりが意識を高める必要がある。

　今季の草津にとって山形は鬼門だ。第１クール（ /jsgoal_archive/result/2008/0420/20080200030120080420_detail.html ）は、キープしていたボールを奪われて悪夢のロスタイム同点弾を食らった。第２クール（ /jsgoal_archive/result/2008/0725/20080200030120080725_detail.html ）は前半から数的有利に立ちながらもミスにより自滅、０−１で涙を飲んだ。山形を観ていて常に感じることは、勝利に徹するチーム全体の姿勢だ。小林監督の采配の妙と、勝利を重ねるたびに自信をつけるチーム。過去６戦５勝で昇格へ向けて一気に加速する山形を止めることは、簡単ではない。しかし、草津は山形を止めない限り、昇格レースには残れない。

　草津と山形の差は、上位陣との戦いにある。３３節現在で８位以下のチームから奪った勝点はともに３４点。７位以上からの勝点は草津の１２に対して、山形は２３。上位陣との差が、現在の勝点差となっている。草津が奇跡を起こすには、上位陣を撃破していく以外に道はない。
　勝点５差で上を行く３位湘南が１試合少ないため、湘南と草津との差は実質８。草津はJ1・J2入れ替え戦出場権を得られる３位を見据えても、これ以上の敗戦は許されない。「自分たちの目標は昇格争いではなく、昇格することだ。可能性がある限り戦い続ける」と秋葉忠。今季、大きな飛躍を遂げた草津だが、まだ昇格をあきらめるわけにはいかない。今節の山形戦は、選手たちが昇格への熱い想いをピッチで表現してくれるはずだ。

以上

2008.09.06 Reported by 伊藤寿学