9月3日（水）ヤマザキナビスコカップ 名古屋 vs 大分（19:00KICK OFF/瑞穂陸）
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リーグ戦３連勝で首位を奪還した名古屋と、同じく３連勝で名古屋とは勝点差１で４位につけた大分。ともに３連勝の絶好調、クラブ史上初の決勝進出をかけ、ヤマザキナビスコカップ準決勝の第一戦を迎える。

今シーズンは、リーグ戦で第３節に対戦している名古屋と大分。玉田圭司の先制弾と、マギヌンの追加点によって、名古屋が２−１で逃げ切っている。しかし、このときとはチームの状況も違う。確かにリーグ戦序盤もこれまでとは違う名古屋を見せてはいたが、「勢い」というところも大きかった。しかし、今の名古屋は「勢い」だけではない。苦しい、厳しい試合も自分達のサッカーを信じ、簡単に負けない、点を取られても取り返す、そういった強さを見せるようになってきた。また、サイドアタックが最大の武器であることには代わりはないが、新たに、セットプレーからのゴールという武器をものにした。引いて守る相手に対して突破口を見つけられないというゲームは、今の名古屋にはない。今回、リーグ最小失点の鉄壁の守備を誇る大分との対戦も、自分達のサッカーをやっていれば点は取れるということになる。そうすると、勝負を決めるポイントとしては、いかに失点しないかが重要になってくるのではなかろうか。

そこでやはり大分のエース、ウェズレイには細心の注意を払いたい。衰えを感じるものの、ペナルティエリア付近・内での個人技は今も脅威であることに変わりはない。いかにペナルティエリア内でプレーさせないかが名古屋の鉄則となるだろう。また、前回の対戦ではウェズレイに気を取られていた隙に、MF金崎夢生にゴールを決められた。その金崎は、仙台カップ国際ユースサッカーU-19日本代表に選出され、名古屋戦後に代表へ合流する。この選出によるモチベーションの上昇が、大分へと流れを引き寄せる一手となる可能性は充分ある。ゴール前の決定的場面を抑える仕事は、清水戦同様、攻守に渡って冴え渡っている増川隆洋に期待したいところ。ただ逆に、ゴール前でのプレスを厳しくすることによって、ミドルレンジからのシュートも多くなってくるはず。ここは日本代表で不在の楢崎正剛に代わってゴールを守る西村弘司のファインセーブに期待しよう。予選リーグを１失点で乗りきった彼なら、やってくれるはず。さらに、鉄壁の守備からのカウンターが大分の鉄則であるならば、中村直志、吉村圭司の両ボランチの激しいプレスも大いに効果を発揮し、大分の攻撃に大きなダメージを与えることができるだろう。そうすれば後は、集中力だけ。守備においてのイージーなミスを減らし、ゼロに抑える試合をみせてほしいものだ。

名古屋は、リーグ戦で２ゴールと絶好調だった玉田、そして何度もファインセーブを見せた楢崎が、Ｗ杯最終予選バーレーン戦の日本代表に招集され、今回は不在。対する大分も、最少失点に貢献している最も重要な選手であるGK西川周作が、北京五輪に続き、バーレーン戦の日本代表に招集された。共に守護神が不在の中で、代わりに入る西村と下川誠吾のGK対決も楽しみなところ。今回は守備が勝負を決めそうなだけに、点取り合戦というエキサイティングなゲームにはならないかもしれない。しかし、タイトルを獲れるチームになるためには、いかに点を取らせないかという我慢のゲーム、賢いゲームも必要だ。押せ押せムードではない別角度から「１点」のための攻防を楽しんでみてはいかがだろうか？

以上