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【J2:第33節 横浜FC vs 山形】レポート:ゲリラ豪雨が浮き彫りにした、横浜FCと山形の対応力の差。山形が横綱相撲で、対横浜FCで3連勝を果たす(08.08.31)

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8月30日(土) 2008 J2リーグ戦 第33節
横浜FC 1 - 4 山形 (18:03/ニッパ球/3,612人)
得点者:28' アンデルソン(横浜FC)、32' 豊田陽平(山形)、68' レオナルド(山形)、77' 宮崎光平(山形)、81' 長谷川悠(山形)
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 第2クール以降、結果が出ない横浜FCにとっては、好調山形に勝って最後の巻き返しを開始することを狙った試合。山形との対戦では、特に攻撃の起点となる石川竜也への対策がポイントなる。第17節の前回の対戦( /jsgoal_archive/result/2008/0531/20080200030520080531_detail.html )では、特に石川のサイドに人数を掛けて守備的に臨み、後半立ち上がりに2点差を追いつくが、ゲームの流れへの対応力の問題で、相手にペースを与えて2-5の大敗を喫した。
 この試合では、山形の攻撃の起点を抑えつつ、「攻撃的に、強気で行こうという姿勢をチームとして打ち出す」(都並敏史監督)ことを狙い、第32節の甲府と同じく3トップの布陣で臨んだ。

 前半の立ち上がりはこの布陣が機能し、横浜FCがサイドでの突破を見せるが、一方で山形も大きくバランスを崩すことなく対応する。ただ、試合開始前にスタジアムを襲った豪雨の影響か、お互いにパスミスが多く、ミスから生じる隙のマネジメントが重要な試合展開となる。横浜FCは中盤でボールを奪い、左サイドを中心の攻撃に持ち込もうとするが、バランスを整えながら隙を狙う戦い方であれば、山形の方が一枚上。11分には、石川のフリーキックの折り返しに北村知隆が詰めるが、ヘディングシュートはポストを叩く。さらに、27分には三浦淳宏の横パスを奪うと、決定的なカウンターのチャンスを作る。山形におあつらえ向きの展開となる中、先制したのは横浜FC。28分に裏のスペースに出たパスにGK清水健太が飛び出すが、アンデルソンが入れ替わってボールを奪うと、そのままゴールへ流し込む。先制された山形は、ここでいったんギアを入れる。そして「スペースに飛び出すというのは豊田がやったほうがいい」(小林伸二監督)という狙いが当たり、石川から裏に出したパスにオフサイドぎりぎり豊田陽平が飛び出し、そのままGKとの1対1を決めて同点に追いつく。この後も、山形が相手のミスを突くプレーを連発するが、スコア自体は1−1で折り返す。「早目に1点取れたことが何より」(小林監督)というように、山形が落ち着いてゲームを進める状態を作ることに成功した。

 後半の入りのプレーで、山形は左サイドから押し込む。横浜FCがクリアできない隙を突いて長谷川悠がシュートを放つなど、山形ペースが維持されたままスタートするが、ここまでは、対応力に差はあるものの、それが得点までには結びつかなかった。しかし、65分過ぎに、展開への対応力の差を増幅させる事態が発生する。ここ数週間、関東地方で繰り返されるゲリラ豪雨が、再びスタジアムを襲ったのだ。「急に雨が強くなったのでチャンスかなと思いました」(小林監督)と言うように、この豪雨で一瞬集中が切れたのか、68分にコーナーキックからレオナルドがヘディングシュートを決めて勝ち越しに成功する。
 ここまでは横浜FCも互角にチャンスを作っていたが、このゴールを機に豪雨という外乱要因に対して、集中力を保てるだけのチームとしての対応力の差が現れる。横浜FCはリスクを掛けて前に出ざるを得ない展開となるが、一方で局面で山形のボールへの対応が遅れはじめ、77分に宮崎光平、81分に長谷川に立て続けにゴールを決められる。選手交代での局面打開を図るものの、ペースを取り戻す事ができずに、終わって見れば、1-4と大量得点差でゲームは終了する。

 横浜FCにとっては、3トップの狙いは表現できなかった。得点が動く引き金こそ豪雨だったのかもしれないが、状況変化に対する対応を行う余裕に欠けたゲームであったことの方が本質かもしれない。山形が「合わせる必要はない。自分たちのやれる事をやる」(小林監督)という戦い方に確信を持てているのに対し、3トップの布陣に変更する事で対応の柔軟性を失ってしまったことが、思わぬ得点差に反映されてしまった。第1クールの横浜FCは、守備に自信を持ち落ち着いてプレーすることで、相手の隙を突く余裕のある戦いをしていた。今一度「自分のやれること」を確認する時期なのかもしれない。

 一方の山形は、コンディション的には難しいゲームだったが、昇格を狙うチームにふさわしい盤石な戦いを見せたと言っていい。この勝利で3位湘南に比べ試合消化は1試合多いものの、勝点差は6。前節の引き分けから、この勝利を得たことで、再び勢いに乗る可能性は高い。この試合で初めて途中出場した馬場憂太がチームにフィットすれば、自慢の対応力に磨きがかかるだろう。

 同一カード3連敗と明暗が分かれたカードとなったが、単に相性ということでは片付けられない差を見せつける結果となった。いかにチームの良さを結果に繋げるか、第3クールでの課題は大きい。

以上

2008.08.31 Reported by 松尾真一郎
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