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【J2:第33節 岐阜 vs 愛媛】レポート:岐阜、またしてもホームで勝てず8戦勝ちなし。負の流れはどこまでつづくのか(08.08.31)

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8月30日(土) 2008 J2リーグ戦 第33節
岐阜 0 - 1 愛媛 (18:04/長良川/2,090人)
得点者:74' 赤井秀一(愛媛)
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立ち上がり、岐阜は愛媛のリトリートディフェンスに苦しむ。ボールを運べどもバイタルエリアの守備に人数を割かれ、切り崩す糸口を掴むことができない。岐阜は中盤でのポゼッション率が上がっていく一方で、ラストプレーに自由を与えてもらえず、チャンスらしいチャンスを作ることが出来なかった。攻めあぐねる岐阜に対し、愛媛は徹底したカウンター攻撃で隙をうかがうも、15分を過ぎると徐々に両チームとも決め手のない歯がゆい試合展開へと陥っていく。試合内容どおり、両チームとも得点が奪えず、試合は後半に突入した。

後半は岐阜が先にペースを握った。「両サイド、2トップを高い位置に置いて、起点にしよう」という望月一仁監督の指示を受けた愛媛だったが、立ち上がりは岐阜のパス回しに両サイドのポジショニングが曖昧となり、全体のバランスを崩してしまう。岐阜は53分に左CKから小島宏美がドンピシャヘッドで合わすが、これはDFのブロックに合う。55分には片桐淳至がシュートを放つが、これもゴール外。岐阜にとって、ここが勝負どころであった。ここで決められなかったのが、勝敗を大きく左右する。
「後半立ち上がり20分間の中で点が取れていたら、ウチの流れになっていた」と試合後、松永英機監督が悔やんだように、愛媛はピンチを防いだことで、徐々に崩れたバランスを取り戻す時間を得ることができた。攻め疲れからか、岐阜の運動量が落ちてきたことで、愛媛は望月監督の指示通り両サイドハーフが高い位置に張り出せるようになり、攻撃の起点が増えた。

ここでもう1つ勝敗を分けた要素があった。それは両サイドバックの積極性であった。岐阜は両サイドバックの攻撃参加がまったくなかった。サイドバックが攻撃参加をすれば、サイドで数的優位を作ることができ、かつ彼らが追い越す動きをすることで前線でトライアングルが生まれ、崩すバリエーションは一気に増える。しかし、岐阜にはそれがなかった。
だからこそ、望月監督はハーフタイムに前述した指示を出したのであった。望月監督の狙いはこうだ。サイドバックが上がってこないことを逆手にとって、サイドの起点を高く保てば、それだけで全体を押し上げることができる。さらにバイタルエリアのスペースを有効活用することが狙いだった。それが20分を過ぎるともろにはまった。
「相手のサイドバックが上がってこない分、相手の中盤がサイドに流れてきても、数的同数になるだけで、数的不利にはならなかったので怖くなかった」というMF横谷繁の言葉がそれを如実に表している。
岐阜はFWや中盤の選手がサイドに流れてくるパターンが多いが、ここにサイドバックが絡んでこないため、数的同数になるだけでなく、中央に大きなスペースが生まれ、カウンターの起点を作られてしまう大きなリスクを生んでしまっている。現に74分の愛媛の決勝弾は、まさにそのリスクを突かれ、さらにサイドバックを有効活用されて生まれたものであった。

右サイドから中へ動いて、中盤のスペースに入り込んだ横谷に対し、彼の作ったスペースに右サイドバックの高杉亮太が一気にオーバーラップ。中盤でキム・テヨンがボールをキープすると、高杉はそのまま右ワイドに張り出していく。これを見た横谷は、むやみに縦に走らず、その場でステイし、攻め切れなかったときのサイドチェンジに備えた。ドリブルで運ぶキム、右ワイドに張り出す高杉、後方にステイする横谷。このトライアングルに岐阜DFラインは飛び込んでいいのか、引っ張り出されていいのか一気に混乱に陥る。DF間が広がった瞬間、その間に一気に逆サイドから走りこんできた赤井秀一が、斜めの動きで飛び出していく。絶妙のタイミングで飛び出した赤井にキムから素晴らしいスルーパスが届くと、赤井は厳しい角度から迷わず右足一閃。強烈なシュートが、ニアサイドをぶち抜き、愛媛が待望の先制点を奪った。

岐阜がやるべきことをやられ、かつやられるべくしてやられた失点だった。このシーンが今日の両チームの差を現していた。してやったりの得点が決勝点となり、愛媛が5試合ぶりの白星を挙げた。
試合を総じて見たら、このスコアは必然のスコアであった。岐阜にとって、課題だらけの一戦。ただ、この一戦だけでなく、実はどの試合でも課題はそんなに変化していないのが現状だ。結局8月は1勝もできぬまま終わり(2分3敗)、かつ8戦勝ちなし。課題を少しでも解消しない限り、この流れは断ち切れないだろう。何度も書いてきたが、敢えてここでも書こう。もう一度課題に真正面から向き合い、個々のみでなくチームとして解消に乗り出さないと、この負の流れはいつまでたっても変わらない。もうそれしか方法はないのだから。

以上


2008.08.31 Reported by 安藤隆人
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