8月30日（土）J2 第33節 湘南 vs 草津（19:00KICK OFF/平塚）
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　前節、湘南はベアスタに臨み、3位の鳥栖を相手に1−0で勝利した。「相手よりも攻め上回る」という菅野将晃監督の思惑を選手たちがピッチで体現し、加藤望と原竜太の目の覚めるようなダイレクトプレーによって前半のうちに均衡を破った。リードして迎えた後半も集中を弛まずしっかりと守り抜き、開幕の仙台戦と第7節の甲府戦に次ぐ1−0の勝利を収めたのだった。これで湘南は2連勝を刻み、第25節の徳島戦以来7戦負けなしの4勝3分、ホームでは目下3連勝中である。

　ただ、一つひとつ目の前の試合と向き合う姿勢は変わらない。そんなチームの思いを斉藤俊秀が代弁する。
「積み上げてきた結果は当然次にも繋がるし、自信にもなっています。ただ前節勝ったけどまだ4位だし、連勝しているけどまだ途中経過にすぎない。ほんとうによかったと思えるのは終わってから。今は、次から次へとやってくる山を乗り越えていかなければいけない。その気持ちは、こうして僕が言うまでもなくチームに浸透している。また次に向けて、立ち上がりからみんなで気持ちを出せるようにしっかり準備するだけです」

　湘南が挑む次なる「山」は、勝点2差に迫る7位の草津である。こちらもホームで勝点3を、アウェイで勝点1をもぎ取る戦いぶりで、ここ4戦負けなしと好調だ。高田保則の突然の離脱には、草津サポーターのみならず湘南サポーターも胸を痛めたに違いない。しかし、チームは逆境を撥ね返した。前節のホーム岐阜戦では島田裕介と熊林親吾が畳み掛け、後藤涼もチームトップとなる9得点目を沈めて前半から敵を圧倒している。「しっかりと守れるようになってきている」と植木繁晴監督が語ったとおり、持ち前の全員サッカーが攻守に発揮されている。

　その草津と湘南の今季の対戦は、それぞれアウェイで逆転勝利を収め、1勝1敗とがっぷり四つに組んでいる。こと草津が挙げた第2クールの勝利は記憶に新しい。平塚で指揮を執って以来となるこの地での勝利に、植木監督は相好を崩しながら喜びの言葉を噛み締めたものだ。と同時に、彼らは初の平塚での勝利という功績をクラブ史に刻み、かたや湘南は3連敗という今季もっとも苦しい時期に直面したのだった。そして裏を返せば、その苦しい時期を糧にし、乗り越えたからこそ現在がある。

さて、湘南には新たにトゥットとナザが加わった。日本在籍8年を数えるトゥットは、「ふたたび日本に帰れてうれしい。チームの雰囲気もすごくいいですね。確固たる目標に向け、チームのためにどれだけ自分の力を出せるかが大事。チームが勝つことに貢献したい」と語り、ナザも「みんながハッピーになれるように貢献したい」と話した。

双方ともに負けられない、勝たねばならぬさなかで相まみえる今節は、過去の熱戦の記憶とあわせて、立ち上がりから激しい攻防が予想される。「自分たちの力をしっかりと出せるように準備し、ピッチで闘う、それだけです」斉藤は週末を見据えた。迎える山を越えることができるか。こと湘南においては、攻守の迫力に期待したい。

以上

2008.08.29 Reported by 隈元大吾