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【J2:第33節 水戸 vs 広島】プレビュー:アグレッシブを取り戻せ! 首位・広島との一戦、水戸はプロとしての威信をかけて挑む。(08.08.30)

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8月30日(土)J2 第33節 水戸 vs 広島(18:00KICK OFF/笠松
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 夏の終わりを告げるようなやや冷たく、さびしげな風に吹かれながら、木山隆之監督は憂鬱な表情を見せていた。「ここ2試合、選手たちのモチベーションが上がらないことがすごく残念。もう1回勝ちに行くというスタンスでやらないといけない」。

第2クールの勢いはどこに行ってしまったのだろうか。前々節C大阪戦、前節愛媛戦ともに前半から動きが鈍く、前線からのプレスがはまらないまま相手にいいようにボールを回され、攻守において相手に主導権を握られることになってしまった。前節愛媛戦は攻撃では赤星貴文の、守備では本間幸司の個人的な活躍があり、ドローに持ち込んだものの、チームとしては手も足も出せず、「2試合とももったいないゲームだった」(木山監督)ことは間違いない。「今はいろんな原因があると思う」と木山監督はチームの現状を分析する。「第2クールが終わってもっと上に行かないといけないというプレッシャーがあるのと、第2クールで勝ち越したことによる『自分たちはやれる』というゆるいスタンスや目標の一桁順位との差がちょっと開いてしまっていること。そして、疲労の蓄積もあると思う」。だからこそ、木山監督はオフ明けの練習後に「プロとしてそんなことじゃいけない」と選手たちを一喝。「残り12試合は自分たちの評価を決める大事な試合。どこが相手でも厳しい試合になる。今まで以上に強く戦わないといけない」と力強く説いたのであった。
そんな中、水戸に変化の兆しが見られる。一時は怪我人が続出し、野戦病院状態になっていたが、続々と選手たちが復帰。チームに明るい風が吹き始めているのだ。今節は堀健人の先発出場、西野晃平、菊岡拓朗のベンチ入りが濃厚。「チームにいい刺激を与えたい」と西野が鋭い視線で語るように彼らの復帰がチームにもたらす影響は小さくないはず。整った戦力を駆使して首位・広島に挑みたい。

だが、戦力の充実ぶりでは広島が一枚も二枚も上手だ。前節は青山敏弘、森崎浩司という主力2人を出場停止で欠きながらも福岡に4対0で快勝。今節は出場停止選手はおらず、万全な状態で笠松に乗り込んで来ることになる。第30節仙台と引き分け、第31節には甲府に敗れ、調子を落としているように思われたが、福岡戦で見事に復調。福岡戦でチームを支えたものは勝利への執念だ。福岡戦では福岡守備陣のミスによる得点もあったが、それを生み出したのは相手ボールになりながらも諦めずに最後の一歩まで追いつめた広島の気迫であった。そうした強い気持ちが再び調子を取り戻すことになったのである。「敵は己にある」――今季に挑むにあたって、広島の選手たちが常に口にしていた言葉である。今節、下位の水戸が相手でもその強い気持ちを持って挑むことができれば、勝利は難くないはずだ。

ただ、水戸も必勝を掲げて臨む一戦である。「プロとして1回も勝てないのはプライドが許さない」(木山監督)というプロの面子を懸けた一戦でもあり、「広島に勝てれば自信になる」と平松大志が言うように、終盤戦に向けて弾みをつけるためにも絶対に勝っておきたい一戦なのである。広島との対戦で思い出されるのは第4節。2人退場者を出した広島に試合終了間際に追いつかれ、同点に終わってしまったゲームだ。広島が2人少なくなったから、と思われがちだが、2人少ない状況を作ったのは間違いなく水戸のアグレッシブさであった。その時、水戸がつけこんだのは広島の3バックに徹底的にプレスをかけること。「自分たちの戦い方は前からプレスをかけること。それを忘れてはいけない」(西野晃平)と選手たちも声を揃えており、広島相手でも戦い方を変えることはしない。「3トップ気味にして」(木山監督)前から圧力をかけて先手を取りに行き、勝機をうかがう。
今季の水戸はアグレッシブ。もう一度、そう思い出させてくれる一戦になることに期待したい。首位・広島との一戦は水戸ホーリーホックのプロとしての、そしてクラブの威信をかけた一戦になることだろう。

以上

2008.08.29 Reported by 佐藤拓也
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