8月30日（土）J2 第33節 岐阜 vs 愛媛（18:00KICK OFF/長良川）
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第3クールに入り、まだ勝ち星を挙げていない岐阜。直近の7試合では、3敗4分けと勝利から遠ざかっている。低迷の原因は決定力不足。前節の草津戦でも、序盤はいい流れで試合を運びながらも決定機を外し、その後立て続けに3点を奪われ、前半で試合を決められてしまった。この試合の後半もチャンスを作れど、放った9本のシュートがゴールを割ったのは1回のみだった。
この決定力不足は、深刻の度合いを極めている。これまでは決定力不足を差し引いても、全体的な戦い方である程度の光明を見出せていた。しかし、ここまで決定力不足を引きずり続けてくると、さすがに戦い方で光明を見出していくことは難しくなってくる。

どうやったら決定力不足は解消されるのか。それは個の力だけでなく、チーム全体でもっと攻撃への意識を高めていかなければならない。最近の岐阜の試合を見ていると、アタッキングサードにボールを運んだ途端に、迫力に欠けていく感がある。アタッキングサードでのスピードアップ、ミドルシュートの意識、DFとDFの間、DFとボランチの間に入っていく斜めの動きなどのチャレンジの動きの少なさ。草津戦の後半はこうした意識は見られたが、それも相手がセーフティーリードを守るために、引いてきたからこそ。試合の序盤や中盤でこうしたプレーを出来るようにならないと、試合を決することは難しくなる。現に岐阜が引き分けが多いのは、終盤はある程度はチャレンジするプレーを見せるが、序盤は守備から入るチームコンセプトを意識するあまり、チャレンジに乏しいサッカーになってしまうことも一因である。
今節は片山真人、梅田高志が出場停止。サイドのキーマンである梅田が欠けることは痛いが、好調を維持する大友慧、2試合連続スタメン出場の藪田光教、草津戦でゴールを挙げた片桐淳至などが、梅田不在の穴を埋める活躍をしてくれることを期待したい。

対する愛媛は前節の水戸戦には引き分けたが、それまでは3連敗と、岐阜同様に勝ち星から遠ざかっている。チームに大きな影を落としているが、怪我人多さだ。大木勉、神丸洋一、三木良太という重要な戦力が離脱し、宮原裕司、持留新作、横山拓也は通常練習には復帰しているが、まだコンディションが上がっていない。
さらに今節、望月監督の頭を悩ませているのが、水戸戦で負傷交代した左MF江後賢一の状態だ。もともとサイドハーフの層が薄いのが、望月監督の頭を悩ませていただけに、左サイドで起点となっている江後が離脱するようだと、左の起点を失い、非常に厳しくなる。
その分、右MF横谷繁に期待がかかる。もともとセントラルMFの彼は、サイドでプレーするようになった当初は、中へ絞るプレーが多くなり、左右のバランスを崩してしまっていた。だが、ここに来てサイドと中のプレーバランスが取れるようになり、徐々に攻撃の起点として存在感を発揮するようになってきた。彼が運動量を増やし、中盤でボールに触れる機会が増えれば、内村圭宏、田中俊也の2トップが調子を上げているだけに、攻撃の糸口はさらに広がりを見せていくだろう。

どうしても勝ちが欲しいのは両チームとも同じ。共に梅田、江後というサイドのキーマンを欠き、条件は一緒。岐阜としてみれば、ホームゲームで先手必勝のサッカーを展開し、サポーターにホーム3勝目をプレゼントできるか。愛媛としてみれば、水戸戦で掴んだ手ごたえを一気に自信に変えることができるか。とにもかくにも、現状打破にかける強い気持ちが感じられる試合を期待したい。

以上

2008.08.29 Reported by 安藤隆人